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転移無双  作者: 天野 空
閑話 光の道のこぼれ話 その2
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暇な転移者の閑話 その2 全肯定人形

いつも通り1人光の道で仰向けになるクロノ。

次の世界に行くまではまだ時間がありそうだ。

そんな暇な転移者がふと昔の話を呟き始める。

「はぁ~」

俺は光の輪を次々と通りすぎているのを、光の道の上に寝そべりながら見ている。

前の世界から次の世界へ行く為、この場所にこさされるのだが、何故か世界間の『転移』にはこういった間が存在する。

他の時には一瞬なんだがなぁ。

なので、基本ここにいる時は暇だ。

誰か話す相手がいるわけでもない。

なんで、こうやってボケーと考え事したり、一人言が増えるわけだ。

「ボケそう」

さて、ボケてしまわないように少し話でもするか。

別に誰かに聞かれるものでもないし。

あの異界図書館に本が並ぶ事もない。

そんな閑話を。


それはある世界に『転移』した時の話だ。

その世界で俺はいつものようにのんびり旅をしていた。

ある町に寄った時、夜に酒場に行くとある商人に出会った。

その商人はある品物をどうにか売りたいらしい。

そんな時に酒場で出会った俺にそれを売りつけようとしてきたんだ。

ま、その商人以外に俺しか客がいなかった。

あと、だいぶ酔ってたからなのか、冒険者の格好の俺に売りつけたって売れないぐらいは分かるだろうに。

で、俺は丁寧に買い取りを拒否。

ただ、その後に俺の席でその商人大泣きし始めて、なし崩しにその物について話を聞かされたんだよ。


商人が売りたかったのは1体のオートマタ。

見た目はすごく綺麗な女性型で、様々な事をやれる万能型らしい。

そして、すごくメイド服が似合うらしい。

別にメイド服がこのオートマタの売りではなく、売りは全肯定してくれるというところ。

どんな些細な事も肯定してくれて、手伝ってくれるなのだとか。

商人もある魔導師からそのオートマタを買い取ったらしい。

初めこれは売れると思っていた商人だった。

そして、その考えは当たり仕入れた次の日には、そのオートマタは隣町の大富豪の目に止まり売れたそうだ。

ん?

じゃ、何故この商人はそのオートマタを売れるのか?

それはそのオートマタが1週間たったある日、知らぬ間に店の隅に何事もなかったように立っていたからなんだそうだ。

それからも、すぐに買い手が決まるのだが1週間から1ヶ月でそのオートマタは店に戻ってくる。

何故戻されるのか商人は買った相手に手紙を送っても返事は帰ってこない。

不審に思った商人はこのオートマタを仕入れた魔導師の元に向かったらしい。

しかし、魔導師はおらず家は無人だったそうだ。

悪いとは思ったが商人は部屋の中をいろいろと調べた。

そして、あのオートマタに関して書かれている書類を見つけた。

魔術文字が使われていたのか、商人には何を書いてあったのか分からなかった。

ただ、題名にオートマタと書かれていたことと最後に注意書みたいな所だけは読めたらしい。


注意書にはこう書かれていた。

決して命に関しての事を口にしないように。


商人はそれを見て背筋に悪寒が走った。

すぐさま店に戻り、探偵を雇い今までこのオートマタを買った人達がどうなったか調べてもらった。

それから商人はオートマタが戻ってきた日を思い出す。

帰ってくると何故か服が汚れている事。

決まって手袋は赤黒く変色している事。

そして、手紙を送っても返事が帰ってこない事。


それからしばらくして調査結果がきた。

調査の結果、オートマタを購入した人達はみんなそれぞれ違ってはいたが亡くなっていた。

それと不思議な事にその亡くなった人達は皆このオートマタを購入した記録が残っていないという事だ。

周辺を聞き込みした探偵は誰1人としてこのオートマタを見たという人を見つけられなかったらしい。


調査結果を聞いた商人は怖くなったが、誰にも相談できずに今日ここに飲みに来たそうだ。

全てを話終えた商人は確かにオートマタを売ったお金で生活は潤ったが精神的に辛いらしい。

確かに人を殺しているかも知れない得体の知れない人形が自分の近くにいるんだ、それは恐怖でしかないだろう。

その後、しばらく2人で飲んだ後に俺は商人と別れた。

別れ際に商人が「死にたい」と呟いていたような気がした。



俺はそれから世界を周りいつも通り世界を救う人に力を貸した。

そして、違う世界に行く前にもう一度その町に行ったんだ。

ふと気になってあの時話をした商人の店に行ってみるとそこは空き地になったいた。

周りの人に聞いたら、だいぶ前に主人が亡くなって潰れたらしい。


ま、話はこれで終わりだ。

別に為になる話でもなければ落ちもない。

ただの一人言。

「クロノ様、お茶はどうですか?」

いつの間にか俺の横にお茶をお盆にのせて1体のメイドが立っていた。

「ん?

あれ?

いつ出てきたんだ?」

「はい、懐かしいお話をされていたので」

「そっか」

俺は光の道に座り、お茶を飲む。

「ありがとう美味しいよ」

「それはありがとうございます」

そう言ってメイドは俺から少し離れて目を閉じ静かに立つ。


そうだなぁ、さっきの話で言いたいこと1つだけあったな。

全肯定人形の前で命の話をするな、かな。

すいません、時間調整しながら今月は投稿していきますので、気長にお待ちいただけたらと思います。

では、また次のお話で

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