ロボミさんにガソリンを飲ましたから動かなくなるなんてない
最強のロボットロボミさん。
彼女の活躍で町は【津波】の被害にあわず暮らせていた。
しかし、彼女のエネルギーが後4回で尽きてしまう。
同居人で彼女のサポートをしているビオラはどうにかして彼女のエネルギー源を見つけようと日夜考えていた。
先の戦いから数日。
2人は向かい合って朝食をとっていた。
「このパン美味しいね」
ロボミさんは笑顔でパンを食べている。
その姿を見てビオラはこの前の事を思い出していた。
しっぽの形から電気でエネルギーを補充できると思ったが完全に間違いだった。
あれからサブモニターのEのメモリは増えていなかった。
こんなに食べているのにこれもエネルギーには変換されていない。
このままではロボミさんは活動が出来なくなってしまうのではないか?
そうビオラは考えそれが顔に出てしまっている。
「大丈夫?」
それに気付きロボミさんは心配そうにビオラに聞く。
「え?だ、大丈夫だよ」
ビオラははっとして笑顔を作った。
「そっか。
でも、この前の事だけど本当に親子だよね。
博士とビオラは」
「え?」
自分が考えていたことを見抜かれたような話題にビオラは少し動揺する。
「博士もさ、昔、私のしっぽを延長コードに差してきた事があったんだよ」
「そうなんだ」
ビオラの父もロボミさんのエネルギーが気になったのだろう。
「ふぅ、ごちそうさま。
じゃ、ちょっと散歩行ってくるね」
ロボミさんは皿を炊事場に持って行く。
「僕一緒に洗っとくよ」
「うん、ありがとう。
それじゃ、行ってくるね」
「はい、行ってらっしゃい」
ロボミさんは元気よく外に出掛けていった。
ビオラは食後のカフェオレを飲む。
そして、自分の父とロボミさんの事を思い出していた。
あれは数年前の事だ。
考古学者の父は町で修理屋をしながら生計をたてていた。
そんな父がこの町の地下にある未開の洞窟を発見した。
父はその洞窟を探索。
最深部で封印されるように隠されていたロボミさんを見つけた。
父はそれからその場所に泊まり込み、ロボミさんを起動させようと試行錯誤し無事にロボミさんを起動し、家に連れて帰った。
そこから、【津波】に悩まされていた町は一変した。
ロボミさんの活躍は町を潤し人々に希望を生んだ。
しかし、ある家族にとっては不運の始まりでもあったのかもしれない。
今から3年前、ロボミさんが【津波】を討伐中倒れたのだ。
原因は分かってはいない。
しかし、ある1人の勇気がロボミさんに力を与えその時の【津波】は退けた。
その時の事はビオラは忘れる事はないだろう。
自分の母親が止めるのを振り切り外に出た父親。
【津波】がロボミさんに迫るその中に躊躇なく飛び込んでいった父親。
そして、父親は返事も出来ない姿でビオラ達の元にロボミさんに抱えられて帰ってきた。
その後、母親はロボミさんを恨み実家に戻った。
ビオラも連れて行こうとする母親に、父親の意思を継ぐ事を望み、そのまま別れて暮らす事になる。
ビオラの母親はその後実家の町長である父親の跡を継ぎ町長になった。
母親からロボミさんへの恨みはもうないが、あの時自分も愛する旦那の意思を継がなかった事を、今も後悔している。
それが溝となりビオラとは共にまだ暮らせていなかった。
「ふぅ」
トンと机にコップを置くビオラ。
母親の気持ちも分かっているが、母親は変なところで頑固だった。
自分が説得に行っても余計にむきになるだろう。
だから、ロボミさんを通じて母親の状況を聞きながら戻ってきてくれるのを待っていた。
ウーウーウー
突然、けたたましくなるサイレン。
「【津波】警報発令、町民の皆様はただちに家に戻り戸締まりを行ってください。
【津波】が過ぎ去るまで家から出ないようにお願いします。
【津波】警報発令、【津波】警報発令」
町全体に町内放送が流れる。
ビオラが立ち上がったと同時にドアが勢いよく開く。
「ロボミさん」
そこには慌てて帰ってきたロボミさん。
「【津波】来たね」
「うん」
「直ぐに出る」
そう言うとロボミさんはその場で上の服を脱ぎ出す。
「ちょ、ちょっと」
慌てるビオラに構わず、上な服を脱ぎ捨てるロボミさん。
動く度に何も隠すもののないたわわな胸がボールのように弾んだ。
「隠して隠して」
ビオラは慌てて顔を隠す。
「ん?何?」
振り向くロボミさん。
「だから、隠してよ」
顔を真っ赤にするビオラ。
「どうしたの?もしかして熱があるんじゃぁ?」
心配そうに近づいてくるロボミさんだが、ビオラは半裸で近づいてくるロボミさんを見れない。
「ちょっと顔見せて?」
顔を隠している手をどけられるビオラ。
その目の前には大きな2つのメロンが。
「だ、大丈夫だからぁ。
隠して胸を」
直接見てしまったビオラは余計に顔を赤くする。
「何言ってるの。
胸なんて些細な事よりビオラの方が大事でしょ」
確かに正論だが、原因がロボミさんの豊満な胸なのだから始末におけない。
「も、もう、いいから早く【津波】来ちゃうよ」
「そうね、分かった。
帰ってきたらきちんと熱計るからね」
そう言ってロボミさんはズボンもその場に脱いで、パンツだけで奥の部屋に駆け込んで行く。
そんなロボミさんを見ながらため息をつき、ビオラはロボミさんが投げ捨てた服を集め、洗濯かごに入れるのだった。
「ごめん、ビオラ。
背中のチャックお願い」
「はぁ、分かったよ」
ため息が絶えないけど、ビオラはそんなロボミさんを見てどこか安心していた。
「じゃ、行ってくるね」
ロボミさんは着替えが終わると窓から外に飛び出す。
それを見送りビオラはサポート室に向かった。
インカムを付けたビオラは今回の【津波】についてメインモニターで確認をした。
「え?」
メインモニターを見たビオラは【津波】を見て驚く。
それはいつもの【津波】ではなかったからだ。
急いでロボミさんに連絡するビオラ。
「どうしたの?慌てて?」
インカムからはいつものロボミさんの声。
まだ、【津波】を見ていないのだろう。
「ロボミさん、今回の【津波】はいつもと違う。
場所は川側だよ」
「え?川の方?」
そう、普段は陸地を突進してくるモンスター郡【津波】
しかし、今回は川下から川上に向かってモンスター郡が上がってきている。
「分かった、直ぐに向かうわ」
サブモニターのロボミさんの位置が川の方へ動き始めた。
「でも、川を上がるだけなら町には被害がないんじゃない?」
ロボミさんが疑問をビオラに伝える。
「確かにモンスター1体か2体ならそうなんだけど、今回も前回同様5000体程モンスターがいる。
川から溢れてるモンスターがいるからそれが町の防壁に当たり壁に傷を付けて、そこに川から大量の水が防壁に当たったら水で防壁が破壊される可能性がある」
「なるほど、それはそうか」
程なくロボミさんは川へと着く。
「本当だすごい水飛沫を上がってるのが見えるよ」
「それが今回の【津波】だよ」
「と、なると。
ビオラ、ダブルレーザーキャノンとホーミングレーザーボムの転送をお願い」
「うん、分かった」
ビオラは素早くロボミさんから要請のあった武器を転送するようにキーボードで打ち込む。
「いくよ、ロボミさん」
「いいわよ」
ロボミさんの返事を聞いてからビオラは机のレバーを倒した。
雲を突き抜け光の柱がロボミさんを包み込む。
光の柱の中で、光の粒子が前回同様にロボミさんの右手に集まった。光の粒子は形を作り一瞬激しく耀いた後消えた。
そして、右腕には巨大な盾に2本の大きな大砲が付いた武器が装着されていた。
次に左腕。
こちらも同じように光の粒子が集まる。
そして、同じような巨大な盾に今度は数十門の砲身が付いた武器が装着されている。
「それじゃ、行きますか」
ロボミさんはその2つの武器の重さを感じさせないような歩きで川の上を歩く。
「距離的には【津波】が見えるはずだよ」
頭の中でビオラの声が響く。
「ええ、確認できた。
魚に、蛙、蛇、水黽、喇蛄、蟹、水生生物が巨大化したモノばかりね。
この川、案外大きいんだけど、あんなのが大量にいたら川が狭く感じる。
さてと」
水上で右腕の武器ダブルレーザーキャノンを【津波】に向けた。
「これより内側に入るのはご遠慮くださいってね」
ドッキューン
2本の巨大なレーザーが【津波】に当たる。
ぐわぁー
ギャー
奇っ怪な悲鳴と共に【津波】の端が割れていく。
「内側に入ると怖いわよ」
左腕の武器も構えるロボミさん。
そして、ホーミングレーザーボトが発射される。
町側に迫ってきているモンスターを確実に捉えレーザーが当たり爆発する。
【津波】は徐々に川の中で町の反対側に寄り進み始める。
【津波】は勢いよくロボミさんの横を通りすぎていく。
しかし、数が多くロボミさんはその場から動けない。
川の水は巨大な波となってロボミさんを包み込んだ。
「ロボミさん!」
焦るビオラ。
しかし、メインモニターには変わらずレーザーが発射されている。
これはロボミさんが健在だという証拠だ。
それから約30分【津波】が通り過ぎた後、光の粒子が天へと帰る。
その下には腕を上げ体を伸ばしているロボミさんの姿があった。
川の水をかぶった性で全身濡れていた。
「終わったよ」
インカムから元気なロボミさんの声。
「お疲れ様」
ビオラはロボミさんに心の底からそう伝えた。
「ありがとうね、ちょっと手続きしたら帰るから、お風呂沸かしてて」
「分かった、少し熱めで入れとく」
「はーい」
出発した時と変わらず元気な声のロボミさん。
ふとサイドモニターに目をやる。
Eのメーターは3つに減っていた。
「お帰り、お風呂沸いてるよ」
「ありがとう。早速入るから背中のチャックお願い」
「はいはい」
ビオラはロボミさんの背後に回りチャックを下げる。
「ありがとうね」
そのまま、腕を脱ぎ腰まで服を下げるロボミさん。
ちなみにロボミさん、戦闘服の中はパンツだけ履いてます。
前屈姿勢になった時、プルンと左右に揺れる大きな胸。
後ろにいるビオラからもそれが確認できた。
「もう、いつもこんなところで脱いで」
目を押さえるビオラ。
「ええ、だって服濡れてるし、下着もびちゃびちゃだもん。
このまま部屋の中歩いたら部屋ぬれちゃうよ?」
確かにそうだか。
「だからって人前で全裸はないでしょ」
腰に手を当てビオラを不思議そうに見るロボミさん。
「そろそろ慣れてよ、何回も見てるでしょ」
「そ、そうかもしれないけど慣れないよ」
「そうやって顔を手で隠してるけど実は指の隙間から見てるんじゃないの?」
「だぁ、もう、お風呂行って」
「はいはい、それじゃ、先に入った待ってるからね~」
「入りません!」
「はは」
ロボミさんは無邪気に笑いながらお風呂へと向かっていった。
脱いだ服を集めるビオラ。
「ほんとにもう」
そう言いながらさっき指の間から見えてしまったロボミさんの体を思い出す。
一瞬で顔が熱を持つ。
「はぁ、これじゃぁ、体がもたないよ」
独り言も多くなってしまう、ビオラだった。
「ふぅ、暖まった」
風呂から出てくるロボミさん、Tシャツに短パン姿でリビングに来た。
さすがに全裸ではなかった。
「さてと、今日の飲み物は?」
ロボミさんは机を見る。
そこにはドンと一斗缶が置かれている。
「えっと、ビオラさん?」
「ん?なに?」
ひっこっと台所から顔を出すビオラ。
「これ何かな?」
机の上の一斗缶を指差すロボミさん。
「んっと、ガソリンかな?」
「そっかぁ」
席に着くロボミさん。
「確かにね、私もロボットだし、お酒の代わりにガソリン飲んだりしてたけど、さすがに一斗缶だ飲んだ事はないよ?」
「え?そうなんだ」
ちょっとしたおつまみを用意したビオラも席に着く。
「いや、ガソリンって体にい(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)(^-^)いのかなっと思って」
「え?別にお酒を切らした時か、ちょっと刺激のある飲み物が欲しい時にしか飲まないけど?」
「そっかぁ、これも違うのか」
「?」
前回の電気が失敗に終わったので、今回ビオラはガソリンを用意した。
たまにロボミさんが飲んでいるのを見ていたのでもしやと思ったが違ったようだった。
「ほら、一斗缶どけるから、お酒持ってきてよ、せっかくおつまみ作ってくれたんでしょ?」
机の上の一斗缶を片手で上げて机から下ろすロボミさん。
「分かった」
ビオラも今回は諦めてワインを持ってくる。
グラスについだワインで2人は乾杯した。
今日の勝利とこれからの2人に幸あるようにと。
ロボミさんの活動限界まで後3回。
さて、ロボミさんのエネルギー源は何なのか。
ビオラはまた新しい燃料を調べないといけません。
彼女を失いたくはないですから。
では、また次回お楽しみに




