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転移無双  作者: 天野 空
第十八章 ロボミさんが動かなくなるなんてない
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ロボミさんに電気を与えたから動かなくなるなんてない

私が住むこの町は広大な草原と巨大な川に隣接している。

住んでる人はそう多くなく町全体を高い塀で囲まれていた。

私が知っている限りでは、この町以外に人が住んでいる場所はない。

ま、この町から外に出ようなんて気もないんだけど。

どうしてそう思うのかそれはこの世界。

いや、この町の状況にある。

この町が高い塀で囲まれているのはこの町が昔からモンスターの大群に襲われているからだ。

1週間に1度のペースで動物や昆虫が巨大化したようなモンスターが大量に押し寄せてくる。

昔の人はその【津波】と呼ばれる現象に対抗するべく町の周りに塀を立てた。

しかし、守りはなんとか出きるものの撃退はする事がここ数年前まではできなかった。

そう、数年前までは。

今はどうかって?

それは見てもらえれば分かるだろう。

ほら、塀の外に立つ1人の人物を。

彼女こそこの町を守るヒーローロボミさんだ。

勢いよく【津波】が町に押し寄せてくる。

その数ざっと5000体

犬、猫、熊、狼、百足に蜘蛛、蛙に天道虫、蜥蜴に蝸牛までいる。

全て異形な姿をしており巨大だ。

それがまっすぐ津波のように町を飲み込もうと迫ってきている。

ただ、この【津波】もほっておいても町に被害が出ることはない。

【津波】はまっすぐ町を通り抜けるだけなのだ。

だから、町を守る巨大な塀が破壊されない限り町には被害が出ない。

しかし、倒さなければ数も減らず【津波】は毎回起きてそのうちに塀を破壊してしまうだろう。

だがその守ることしか出来なかった最悪の事態を数年前に1人の学者が覆した。

そう、学者は町の地下にあった未開の洞窟内である者を見つけたのだ。

そして、その者を目覚めさせてこの数年間【津波】の勢いを着実に減らしていた。


「ロボミさん、【津波】警報だよ」

勢いよくドアを開け、部屋にはいる少年。

「へぁ?」

ベッドにまだ寝ていた女性が目を擦りながら体を起こした。

「えっとコンタクト、コンタクト」

ベッドの横にある台をバンバン叩きながらコンタクトを探すロボミ。

「いや、コンタクトそんなところに置いてないし、そんなに勢いよく叩くとあっても壊れちゃうよ」

少年は呆れながら手に持っている物を渡す。

「あ、ありがとう、これがないと生活できないからね」

ロボミは笑顔で少年からコンタクトケースを受けとる。

コンタクトケースを台に置きベッドから出るロボミさん。

そして、おもむろにパジャマを脱ぐ。

豊満な胸がたゆんと揺れた。

「わぁ、ロボミさん、着替えは僕が出てからにしてよ」

少年が慌てて部屋の外に出る。

「え?別に減るものでもないよ?」

そう言いながら着替えを済ませていくロボミさん。

そして「お待たせ」と体にピッタリの戦闘服を着たロボミさんが部屋から出てくる。

「あと、ごめん。

背中のチャック上げてもらえるかな?」

後ろを振り向き、長い髪をたくしあげるロボミさん。

少年はドキドキしながらチャックを上げた。

「ありがとう、ビオラ」

振り向き笑顔のロボミさん。

「い、いいよ、毎回の事だし」

顔を真っ赤にしてうつむくビオラ。

「後はコンタクト入れないと」

洗面所に走るロボミさん。

ビオラは腕時計を見た。

数字があと10だった。

10分後には【津波】が町に押し寄せる。

ビオラは慌てて洗面所に向かう。

「ロボミさん、もう時間がないよ。

急いで」

「ちょ、ちょっと今コンタクト入れてるから、出てって恥ずかしいでしょ」

「あ、ごめん」

ロボミさんに怒られ洗面所から離れるビオラ。

「って、何で服着替える時は平気なのに、コンタクトは恥ずかしいんだよ」

洗面所の外からロボミさんに聞くビオラ。

ピョコンと扉から顔を出し「それは内緒」とロボミさんが舌を出す。

「ああ、もう、可愛いなぁ」

「へへぇ」

「って、和んでる時間ないよ、後5分」

「5分もあれば充分だよ。

行ってくるね、ビオラ」

ロボミは勢いよく外に出て町の外へとジャンプして行く。

「はぁ、あれを見るとロボミさんが人間じゃないって実感するよ」

少年は戦いに赴くロボミさんを見てそう思った。

「さて、サポートしないと」

ビオラはそう言って家に入りある部屋に向かった。

部屋の中には巨大なスクリーンと左右に小さなスクリーンが数機。

机にはいくつかのボタンやレバー、キーボードが置かれていた。

机の前の椅子に座るビオラ。

机の奥には1枚の写真。

ロボミとビオラ、そして白衣を着た男性が写っていた。

「父さん、今日も頑張るから見守ってて」

ビオラは机の上のヘッドセットを取り着ける。

「ロボミさん、聞こえる」

「はいはい、良好だよ」

「こちらのモニターから今回の【津波】の規模は中型。

約5000体だと推測されるよ」

「中型なら楽勝だね」

巨大スクリーンに写し出された、ロボミさんと数キロ先の【津波】。

「ビオラ、ガトリングボムズとキラーソードの転送お願い」

「了解」

ロボミの要請でキーボードを叩くビオラ。

右の画面に2つの武器が選択された事が映し出される。

「いくよ、ロボミさん」

勢いよく机の上にあるレバーを引くビオラ。

ガチっという音と共に。

上空から雲を突き抜け光の柱がロボミさんに向かって降ってくる。

それを見た【津波】は少し戸惑い乱れた。

光の柱の中、ロボミさんの左腕に光の粒子が集まる。

光の粒子はある形になっていく。

そして、強く一瞬輝いた後、ロボミさんの左手にはガトリングガンが装着されていた。

次は右腕だ。

同じく光の粒子が集まりロボミさんの身長を遥かに越える大きさになる。

そして、輝いた瞬間、巨大な刃に姿を変えた。

「転送完了」

「OK。それじゃ、戦闘開始~」

ロボミさんはガトリングを【津波】に向ける。

「ファイヤ~」

ロボミさんはトリガーを引く。

ガトリングから次々とミサイルが撃ち出された。

ミサイルは勢いよく迫る【津波】に当たり爆発、爆発、爆発、爆発。

次々と【津波】を倒していく。

いつしか【津波】はロボミさんを中心に2つに分かれていた。

カチャカチャ

ミサイルの尽きたガトリング。

「返還」

ロボミさんの言葉でガトリングは光の粒子に戻り空へと上がる。

「まだまだ行くよ」

巨大な刃を構えるロボミさん。

どんなモノでも切り裂く刃、キラーソードを振り抜き【津波】に突撃した。

それから、30分。

【津波】は町に当たることなく過ぎ去った。

町の外には多数のモンスターの死骸が散らばり、その中にキラーソードを天に還したロボミさんが立っていた。

町の塀の一部が開き、多数の住民が出てくる。

「ありがとよ、ロボミさん」

「助かったぜ」

「サンキューな」

多数の住民はロボミさんに礼を言ってモンスターを解体し始めた。

モンスターの革や骨は様々なものの材料になるし、肉はきちんと加工すれば食料になる。

ロボミさんが【津波】を討伐する事でこの町は食糧難、資源難にならずにすんでいた。

多数の住民の最後に少し身なりのいい女性がロボミさんに近づいてきた。

「いつもありがとう、ご苦労様」

そう言って女性はカードをロボミさんに渡す。

「いえ、これも彼との約束ですから」

ロボミさんはカードを受け取りそう返した。

「そう、あれから3年になるのね」

「貴女はまだ心が晴れませんか?」

「そうね、貴女には本当に感謝してる」

「私もビオラも待ってますよ」

「ありがとう」

女性のその言葉を聞いて、ロボミさんは女性に頭を下げてその場をジャンプしながら去っていった。

「町長、あらかたの作業は後3時間ほどあれば終わります」

秘書らしい女性がそう伝えに来る。

「分かりました。

ただ、【津波】が過ぎたとはいえここは町の外です。

何が起きるか分かりません、なるべく早く作業を完了して町に戻りましょう」

「はい、伝達しておきます」

秘書は現場の方に走っていった。

町長はもう一度ロボミさんが飛んで行った町の方を見る。

「ふぅ」

そして、何を思うのかため息がこぼれた。



「おかえりなさい、ロボミさん」

「ただいまだよ~ビオラ。

疲れたぁ」

「シャワー浴びてきたら?」

「うん、そうする。

ビオラもサポートありがとね。

一緒にシャワーする?」

「な、なにいってるんだよ」

真っ赤になるビオラ。

「はは、冗談だって。

あ、背中のチャックお願いね」

「あ、うん」

ビオラは髪をたくしあげているロボミさんの服のチャックを下ろす。

くるっと回るロボミさん。

「え?」

ぎゅ

ロボミさんは突然ビオラを抱きしめた。

「ちょ、ちょっと」

もがもが動くビオラ。

ロボットとは思えないその柔らかな体にビオラはドキドキしていた。

「いつも支えてくれてありがとね」

ロボミさんの静かな言葉に、ビオラももがもがするのをやめてロボミさんを抱きしめる。

「こっちこそ、いつも守ってくれてありがとう」

ゆっくりと離れるロボミさん。

そして、手を振りお風呂場に向かっていった。

ビオラは暖かい気持ちになりながら見送る。

その後、あのサポート室に向かった。

今は【津波】の心配はない。

今度は約1週間後だろう。

ただ、1つビオラは気になる事があった。

それは左の1番下側のモニター

そこにはEと表示された下に1つのバーがあった。

メモリのついたバーは戦闘を行う度に1つずつ減っている。

残りのメモリは4つ。

前に聞いた事がある。

これはロボミさんのエネルギー残量なのだと。

このまま戦えばロボミさんは後4回戦えばエネルギーが切れてしまう。

ビオラはサポート室から出てリビングに戻る。

「あ、おかえり」

シャワーが終わったのかバスタオル1枚体に巻いてハンドタオルで髪を拭いているロボミさん。

髪を拭く度に胸が揺れ、バスタオルが落ちないかヒヤヒヤドキドキする。

「もう、またそんな格好で」

ビオラはそう言いながら後ろを向く。

「別にいいじゃない自分の家なんだし。

そうそう、これ貰ってきたよ」

ロボミさんは町長から貰ったカードを差し出す。

「あ、ありがとう」

ビオラはカードを受け取りながらロボミさんを見る。

「お母さん何か言ってた?」

「ん?

まだ、しばらくはかかりそうかな」

「そっか」

カードを財布に入れるビオラ。

「そんな落ち込んだ顔しない私がいるでしょ」

ロボミさんはそう言って笑う。

「ありがとう、ロボミさん」

ビオラも顔を上げて笑顔を返した。

「じゃ、着替えてくるね」

ロボミさんがくるっと回って部屋に向かう。

ロボミさんの先端がプラグのようになっているしっぽが歩く度にふるふる揺れる。

「ん?プラグ?」

それを見てビオラは何かを思い付いた。



「ごちそうさま」

食事も終わり、2人ともお風呂の時間。

もちろんビオラの申し出で2人別々に入っている。

さっきまで外で買い物をしていた2人。

支払いはいつもカードでしている。

ロボミさんが【津波】を討伐して得ているお金だ。

それから2人は風呂から出てゆっくりな時間を過ごす。

「そろそろ休もう」

「そうね、お休み」

ロボミさんは先に部屋に戻った。

しばらくソファでゴロゴロするビオラ。

すくっと突然立つとさっき買ってきた袋から何かを取り出す。

それは延長コードだった。

ゆっくりとロボミさんの部屋に向かうビオラ。

カチャ

ロボミさんの部屋の扉を開ける。

少し明るいロボミさんの部屋。

ロボミさん曰く真っ暗だと眠れないらしい。

扉横の差し込み口に延長コードを差す。

布団からはロボミさんのしっぽが出ていた。

「これでエネルギーが貯まるはず」

ビオラは意を決して延長コードにロボミさんのしっぽを差し込んだ。

ビクンとロボミさんは震えた後。

「は、ははははは、ひぃ、く、ははははは」

突然笑いだす。

「え?」

「ちょ、ちょっと、何してるのビオラ~ははは」

笑いが止まらないロボミさん。

慌てて延長コードからロボミさんのしっぽを抜くビオラ。

「はぁ、はぁ、はぁ」

荒い息でロボミさんはビオラを見る。

「あ、あのねぇ、私のしっぽはプラグに似てるけど、プラグじゃないから。

それをコンセントに差されるとこそばいから」

「そ、そうなんだ」

「もう、いたすらはやめてね」

ちょっと叱られるビオラ。

ロボミさんのエネルギーは電気ではなかったようだ。

ロボミさんの活動限界まで後4回。

新たな章の始まりです。

今回はほのぼのな感じにしたいなぁと思って書いていますがどうなることやら。

それでは次回をお楽しみに

お色気シーンもちょこちょこ入れていきたいなぁ

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