伝説の始まり
彼は見知らぬ場所に連れてこられていた。
名も今まで何をしていたのかも分からず、彼はその場で意識を取り戻した。
これから始まる短く険しい物語の始まりとして
気がついたらそこは列車の中だった。
列車と言っても席はなく、長細い空間に僕はいた。
なぜ列車と思ったのかと言えば、両側の壁に複数の窓が均等に並んでいて、床が不定期に揺れているからだ。
窓の外は真っ暗で何も見えないが、何故か光が差し込んでいて車内は明るかった。
僕の他にも4人倒れている人がいた。
男性2人と女性2人だ。
まだ、僕以外は目を覚ましてないか。
それにしてもここはどこなのだろう。
そして、僕はだれなんだ。
「ん」
僕は何をしたらいいか分からず壁にもたれかかっていたら、倒れていた4人がゆっくりと起き上がった。気がついたみたいだ。
「ここは?」
青髪の女性が頭を振りながら周りを見渡す。
「どうやら汽車の中見てえだな」
赤髪の男性は立ち上がり窓から外を見る。
「えっと…」
自分の事を考えているのだろうか、緑髪の女性は何かをずっと考えている。
「こんにちは」
僕がそう4人に声をかけた時だった。
僕達から少し離れた空間に突如としてピエロの人形が現れた。
「やぁやぁ、お目覚めですか、紳士淑女の皆様方」
ピエロの人形は口をカタカタ言わしながら喋る。
その声は何故か背筋が痒くなるような気持ち悪い声だった。
「さて、皆様方起きたのなら今の状況をお伝えしますね。
あなた達は我が主様が連れてこられ、この神代列車に乗せられました。
この列車はこれから先一生停まることはございません。
あなた方はこの列車で死ぬまでいてもらいます」
「な、なんだと」
赤髪の男性は声を上げピエロに殴りかかるが、ピエロはそれを軽く避ける。
「まぁまぁ、お話は最後までお聞きください」
ピエロは相変わらずカタカタ言わしながら口を動かす。
「この列車を停める方法もこちらで用意しております。
それはこの列車の先頭。
運転席のある車両に行き、ブレーキをかける事です。
この列車はここを入れて6両編成となっています。
各車両にはちょっとしたイベントもございますのでお楽しみください」
「何がイベントだ。
胡散臭くて信じられるか」
「まぁ、信じるも信じないのもあなた達次第です。
何もせずここで一生過ごしてもらってもいいですよ。
ただ、ここには何もないですけどね」
確かにピエロの言うとおり、ここには水も食料は見当たらない。
「では、最後にお一人ずつプレゼントお渡ししときましょう。
まず金髪のあなたには『光の加護』を
赤髪のあなたには『火の加護』を
青髪のあなたには『水の加護』を
緑髪のあなたには『風の加護』を
そして、茶髪のあなたには『土の加護』です」
そう言われた僕達の体はそれぞれの色のオーラみたいなものに包まれ。
そして、オーラが消えた。
「ま、使い方は私がプレゼントをお渡しした時点でなんとなく使い方が浮かぶはずですよ」
確かに僕はどうしてかこの力の使い方を知っている。
「では、無事に先頭車両に行けますよう、祈っております」
そう言ってピエロは口をカタカタ鳴らしながら消えていった。
「案外いいピエロだったのかな?」
緑髪の女性が呟いた。
「かもしれないね」
青髪の女性も自分の力を確かめながら言った。
でも、僕にはどうしてもそうは思わない。
この力はもともと僕が使えた力ではないのか、そう思えてしまうからだ。
「まぁ、いいさ。
力をもらったんださっさと先に行こうぜ」
赤髪の男性はそう言うと先に進み始める。
「ちょ、ちょっと自己紹介くらい」
僕はそう言って赤髪の男性を止めた。
しかし、少し怒ったように赤髪の男性は振り返る。
「自己紹介も何も自分の名前すら覚えてないだろうが違うのか?」
確かにそう言われたら何も言えない。
「そうだけど、呼び名くらいは決めとかない?」
青髪の女性が助け船を出してくれる。
「そうですよ、それになんだかこの5人は初めて会った気がしないんです」
確かにそれは僕も思った。
何故かこの5人でいると落ち着いている自分がいる。
「わぁ~たよ、確かに他人のような気がしないのは確かだしな。
で、何かいい呼び名あるのかよ」
赤髪の男性はこちらに向き直る。
「そうですね。せっかくだし、加護を呼び名にしませんか?
光くん、炎くん、水ちゃん、風、大地くんで」
「ま、まぁ、なんかこそばゆいが俺はいいぜ」
「僕もそれで」
「私も異論はないわ」
大地と呼ばれた茶髪の男性も頷く。
「じゃ、決まりですね」
僕達はお互い頷きあった。
そして、これから始まるピエロの言うイベントを突破し先頭車両にへと向かう為に次の車両への扉を開いた。
意識を取り戻した5人はピエロの言う先頭車両へと向かう。
果たして次の車両には何があるのか?
次回をお待ちください




