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転移無双  作者: 天野 空
第十三章 四男三女の転生記
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破壊神覚醒

成人の義に挑戦する為、破壊神と戦う為に洞窟に入ったナナヤ。

果たして洞窟の奥に潜む破壊神に勝つ事が出きるのか?

ザン

「ギャー」

七星天刀で襲いかかってくるゴブリンを斬る。

確か昨日の夜ムツキ姉さんの話ではこの洞窟にはモンスターはいなかったとの事だったが、洞窟に入ってからゴブリンに襲われまくりだ。

洞窟内は一本道ではなかったがそう入り組んではいなかった。

ただ、やたらにゴブリンが多い。

ここみたいに二手に分かれる道があれば、「ギャギャー」片方の道からゴブリンが一団となって出てくる。

「ああ、もう」

1匹1匹は弱くてもこう連続で大量に出てこられたら疲れるというか、うざい。

腰の刀に手を置き、そして、一気に引き抜く。

抜いた刀の刀身で緑の宝石が光を放っていた。

ゴブリンの一団は無数の風の刃に切り刻まれその場に倒れ塵となった。

普通のモンスターは倒されてもこんな塵になって消えることはない。

このゴブリンが特殊なのだろう。

あるいはこの奥で現界化しようとしている破壊神の力か?

刀を納刀しゴブリンが出てこなかった方に進む。

さっきから行き止まりの方からゴブリン出てくるので迷わずにすむのは助かるな。

はて?

しばらく通路を進むと何故か道の真ん中に宝箱が置いてあった。

ムツキ姉さん情報だと宝箱もトラップもなかったって言ってたような。

あからさまに怪しい宝箱。

サンワ兄さんは言っていた。

罠だと分かっていても宝が目の前にあったら調べるのが男としてのマナーだと。

でもなぁ、閉じた宝箱の端から何か液体が出てるんだよなぁ。

絶対ヨダレだよあれ。

確定でミミックだよなぁ。

僕は鞄を探る。

あ、あった。

持ってきてよかった。

僕はあるアイテムを両手に持ち宝箱に近づいた。

そして、勢いよく宝箱に飛び付いた。

「グワァ?グググ?」

飛び付いてからミミックはしめたとばかりに僕に襲いかかろうとした。

しかし、ミミックは口を開くことが出来ずその場で跳ねるだけだった。

サンワ兄さん直伝、危ないものには蓋をしろ(鍵バージョ)

サンワ兄さんに教えてもらった宝箱に鍵を付ける技。

効果はご覧のとおりミミックを戦闘不能にする。

僕はゆっくりと刀を抜き、上段からミミックに向かって刀を振り下ろした。

ミミックは静かに塵となって消えた。

残ったのは僕が取り付けた鍵だけだ。

鍵を回収し鞄に入れながら、この技を教えてもらった時の事を思い出す。

教えてもらった時はこんな技使えるのかな?と疑問だったが案外使えたよ、サンワ兄さん。

やはり、経験がものを言うって言葉は本当だなぁ。

それから僕はさらに奥へと向かった。

途中で現れるのはゴブリンばかりでいやになったが難なく進む事ができた。

そして、目的の場所に着く。

少し広いその空間の真ん中に祭壇があり、目的のオーブが乗っていた。

オーブは真っ黒に染まり、離れてても分かるくらい禍々しい気を発している。

僕はすかさずオーブとの間合いを積める。

そして、七星天刀で一刀両断するつもりだったが、受け止められた?

刃がオーブに当たる前にオーブから手が現れて刃を掴んだのだ。

僕は刀を引きながら飛び下がる。

やはり、間に合わないか。

オーブから得ないの知れない禍々しいモノが出てくる。

手、腕、頭、肩、体と這い出てくるそれは見ているだけで鳥肌が立つ。

そして、オーブの前にその運命の相手が現れた。

初めは真っ黒だった全体は徐々に色が付き初め、浅黒い体に黒いラフな格好をした青年に変わっていった。

これが破壊神か?

破壊神は首をポキポキ鳴らして周りを見る。

「狭いな」

そう言った後、破壊神は腕を振り上げる。

その瞬間、僕は嫌な予感がした。

「メタル」僕はメタルに声をかけとっさに防御をする。

メタルは広がり大きくなると僕に纏わりつき鎧と変化する。

メタル、正式名称アーマーメタルスライム。

対象者に自ら纏わりつき鎧と変化し共存するスライム。

僕が防御した瞬間、破壊神は振り上げた腕を横に振り下ろす。

すごい爆音と衝撃と共に僕の目の前は砂煙で見えなくなる。

な、なんとか耐えれた。

風が吹くはずのない洞窟内に風が吹く。

風で砂煙がはれ、周りが見えるようになってきた。

そこは洞窟内ではなくただ広々とした荒野に変わっていた。

「これでいい、よく見える」

吹き飛ばしたのか洞窟を。

「ほう、さっきので吹き飛ばなかったか?」

破壊神は初めて僕を見た。

「ナナヤ~」

背後から懐かしい声が聞こえる。

後ろを見ると、コルクとその前を走ってくるイチル姉さん。

「大丈夫?」

僕を気遣うように座るイチル姉さん。

僕とイチル姉さんの前に剣を構えて立つコルク。

「だ、大丈夫。

でも、何で姉さんが?」

「心配だから急いで戻ってきたのよ」

「そっか」

イチル姉さんの笑顔を見ながら僕は立ち上がる。

「思ってた以上の仕上がりになってましたね」

コルクは破壊神を見ながら僕達に言った。

「ええ、予想以上でしたね」

イチル姉さんも杖を構える。

「ほう、まだ仲間がいたのか」

そんな僕達を見て笑う破壊神。

「少しは楽しめるのか?」

1歩前に出る破壊神。

くるか?

身構える僕達。

「ちょっと待った~」

そんな僕達の間に空から人が降ってきた。

「サンワ式冒険術落とし穴」

空から降ってきたその人物は地面に手をつく。

ドン

巨大な音と共に破壊神は足元の陥没した穴に落ちる。

「ヨツバ」

空に向かって叫ぶサンワ兄さん。

「オッケーいけ、ドラン」

その声に答え、空中から巨大な竜に乗ったヨツバ姉さんが現れる。

「ドラゴンブレス」

その声に合わせて竜が落とし穴に向かって光線のようなブレスを撃ち込んだ。

「よ、ナナヤ。

元気してたか?」

「ナナヤ~会いたかったぞ~」

いつの間にか僕達のところに合流するサンワ兄さんとヨツバ姉さん。

竜は空に待機してるみたいだ。

「兄さん達も来たの?」

「まぁな」

そう言って手に持つ手紙を見せるサンワ兄さん。

「それって」

送り主を見るとイチル姉さんだ。

「届いてよかった」

イチル姉さんは2人に笑いかけた。

「私達の可愛い弟の為だもん」

そう言いながらヨツバ姉さんは笑う。

「しかし、無傷か」

サンワ兄さんの言葉で前を見ると穴からひと飛びで出てくる破壊神。

「一応、底は岩の杭を敷き詰めた状態で作ったんだけどなぁ」

「一応、効いてはいるみたいですが直ぐに復元してますね」

コルクは破壊神を見て答える。

「ふん、鬱陶しいな。

消えるか?」

破壊神は僕達の方を見ながら右手を出す。

その右手の上に真っ黒な珠が現れる。

「ヤバいですね、あれは」

コルクの言葉にみんな身構える。

「おい、僕の姉弟達に何してるんだ」

破壊神の背後から声をかける人物。

そして、その人物は声に振り返る破壊神の横を通り抜け僕達の方に歩いてくる。

「久しぶりだな、みんな」

僕達に笑顔で合流するイツズ兄さん。

破壊神は黒い珠を手に浮かべながらこちらを睨む。

イツズ兄さんに無視られて怒ってるのか?

「そうそう、そんな物騒なモノを僕達に向けるなよ」

カチン

腰に差していた剣を鞘に納めるイツズ兄さん。

「な、に?」

その音と共に黒い珠を持つ破壊神の腕が地面に落ちる。

そして、大爆発。

「へぇ、すごい威力だな」

それを見ながらイツズ兄さんは驚くふりをしていた。

イツズ兄さんの音鳴りという技だ。

「イツズ兄さんも手紙を?」

「ん?いや、たまたま帰ってきたらすごい衝撃があったから見に来ただけだよ。

まさか、今日が運命の日だとは思ってなかった」

「おいおい、今日は姉弟が揃う日だったのか?」

その声に振り向けば大太刀を肩に担いだフタミ兄さん。

その横にバスケットを持ったムツキ姉さんが歩いてくる。

「兄さん達も来たの?」

「だって、さっきの衝撃でフル装備したお母さん達がここに来るって言うからフタミ兄さんと説得して私達が来たの」

「ええ、母さん達が?」

「さすがにフル装備のかあ様達が来たら偉い事になるからな」

「確かにそうですね、あなた方のお母様達の強さは半端ないですから」

コルクが笑う。

「そこまで笑う事かコルク」

フタミ兄さんもつられて笑う。

「それでどうします、お嬢様、お坊ちゃん」

コルクの言葉で僕達は破壊神を見る。

何食わぬ顔をし、こちらを睨む破壊神。

落とされた手も戻っていた。

「補助は私が掛けます。

本気でやったとしてもこちらの勝てる確率はかなり低いですが、諦めないで」

イチル姉さんの言葉の後、バフがかけられる。

「じゃ、久しぶりにやろうか」

フタミ兄さんは大太刀を抜く。

サンワ兄さん、空から下りてきた竜に飛び乗るヨツバ姉さん。

イツズ兄さんも剣に手をかける。

さぁ、最終決戦だ。


大太刀で斬りかかるフタミ兄さん。

紙一重で避け、破壊神は黒い珠をフタミ兄さんの顔面に叩きつけようとする。

それをサンワ兄さんがワイヤーを破壊神の腕に巻き付けずらす。

飛び下がったフタミ兄さんの後にヨツバ姉さんの竜がドラゴンブレスを撃ち込む。

そこに僕とイツズ兄さんが間合いを積める。

そして、2人で多段斬りを撃ち込んだ。

バラバラになる破壊神。

しかし、瞬きすればその姿は元に戻っていた。

腕を振る衝撃で吹き飛ばされる僕とイツズ兄さん。

かろうじて背後に跳んだ事でダメージは最小限だ。

「不死身か?」

「一応、力の総量は減ってますね」

フタミ兄さんの言葉にコルクが答える。

「後、5000回程死ぬくらいのダメージを与えれば消滅する感じですね」

「多いなぁ」

コルクの言葉に嘆くヨツバ姉さん。

僕は腰にある七星天刀を握りしめる。

「隙を作ってもらっていい?」

兄さん姉さんに頼む。

そんな僕を見て兄さん姉さんは頷いた。

やれる、やれないは聞かれない。

僕を信じてくれたのだと思う。

僕はイチル姉さんを見る。

イチル姉さんは僕が何をしようか分かったのだろう。

一瞬悲しい顔をしたが直ぐに笑顔を向けてくれた。

「いくぞ」

フタミ兄さんの声に合わせ僕達は今一度破壊神に突撃した。

破壊神から放たれる黒い珠はイチル姉さんの魔法で相殺される。

間合いを積めたフタミ兄さんが、胴を薙ぎる。

上下に分かれる破壊神。

しかし、半身になろうとも破壊神は攻撃を止めず、フタミ兄さんは衝撃波で吹き飛ばされる。

いつの間にか背後に回っているイツズ兄さんが下半身を一瞬でバラバラにする。

サンワ兄さんの多数のワイヤーとヨツバ姉さんが操るアラクネの放つ魔糸でグルグルされる上半身。

「いけるか?」

フタミ兄さんが僕に聞いてくる。

その間にも下半身が復活しようとしているが、イツズ兄さんがその下半身を斬り続けている。

手に持つ七星天刀が熱を持つ。

いけるか。

僕は黙って破壊神との間合いを積める。

(ごめんなさい、お父様によろしく伝えておいてください)

そうイチル姉さんからのテレパシーを聞いて、僕は7つの色に光る七星天刀を破壊神に突き刺した。



「まさか、もう一度ここに来るとはな」

そこは1度来たことのある巨大な神殿の中だった。

目の前にはイチル姉さんの元父さんの神が座っていた。

運命の日の前日にイチル姉さんからもらった手紙の最後の部分に書かれていた七星天刀の最終技。

全ての属性を解放した時、属性が対消滅を繰り返し使用者と対象者を元に戻すとの事だった。

この場合、破壊神はこの場所にいるイチル姉さんの元弟の破壊神の中に。

そして、僕はあの世界に生まれる前に戻った。

ゴゥン

大きな音と共に背後の扉が開く。

そして、1人の青年が部屋に入ってきた。

その姿は見た事がある。

「今回は本当に迷惑をかけました」

色白で揺ったりとした服を着たその青年は僕に頭を下げた。

「いえ、楽しかったですよ、あの世界も」

僕はそう破壊神に言った。

短い間だったが確かにあの人達との生活は楽しかった。

「さて、ナナヤよ。

そなたは私の願いを叶えてくれた。

今度はこちらの番だ。

どんな願いでも言ってみるがよい」

優しい聞いてくる神に僕は自分の願いを伝えた。

破壊神を倒したイチル達はその場に座り込んでいた。

破壊神と共に消滅したナナヤ。

イチルはナナヤがその技を使う可能性も考えていた。

そして、こちらに戻ってこれる方法も知っていた。

ただ、こちらに戻るかどうかはナナヤが決める事。

彼がこちらに戻るか、元の世界に帰るかはイチルでも分からなかった。

「かあ様に言わないとな」

ゆっくりと立ち上がるフタミ。

他の姉弟もゆっくりと立ち上がった。

結局、ナナヤを助けられなかった姉弟達は意気消沈していた。

「どこ行くんだよ、姉さん、兄さん達」

その声に振り向くイチル達。

「あ、ナナヤ~」

背後ににこやかに笑いながら立つナナヤにムツキは駆け出した。

「ナナヤ~」

その後をヨツバも追う。

ナナヤに抱きつく2人の姉。

その光景を笑いながら見ていたサンワとイツズもナナヤの元に向かった。

「姉御はここまで分かってたのか?」

兄、姉にもみくちゃにされているナナヤを見ながら隣に立つイチルに聞くフタミ。

「いえ、ナナヤがこっちの世界に戻るか元の世界に戻るかは私にも分かりませんでした。

でも、ここに帰ってきてくれたという事はナナヤは私達を選んでくれたんだと思います」

「そっか、ならこれからも可愛がってやらないとな」

「ええ、最高の弟ですから」

そして、2人もナナヤの方に向かった。

「これで私もお役御免ですね」

そんな姉弟達を見てコルクは笑う。

そして、コルクは光に包まれ消えた。

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