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転移無双  作者: 天野 空
第十三章 四男三女の転生記
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鍛冶転生

戦国の時代、様々な国から求められた刀があった。

その刀は独眼の刀鍛冶が1人で打った刀。

しかし、刀鍛冶はどれだけ優れた刀を打とうが満足いっていなかった。

自ら望む刀を打つ為、刀鍛冶は今日も槌をふるう。

「親方様」

「なんだ、騒々しい」

ワシは今、工房で刀を打っていた。

ワシの生涯三千本目になるその刀は果たしてワシの望む一振りになるのか?

「は、作業中に申し訳ございません。

隣の国の城主様が直々にお越しになられまして」

「はぁ、またか」

ワシは作りかけの刀を1度火に入れる。

厄介な奴が来たからな、直ぐには作業には戻れんな。

「分かった直ぐに行くから待たせておれ」

「は、承知しました」

工房に勢いよく入ってきた弟子は同じような勢いで出ていった。

隣の国の城主は悪い奴ではないのだが、いかんせん刀にかなりの執着がある。

ワシが打つ刀を欲しがってよくこうやって来るからな。

それも手に入るまで居続ける厄介者だ。

ワシは作業着を脱ぎ、客間に向かった。

「また来たのか」

「そ、それはないだろう」

部屋に入るなり待っていた城主に言うと情けない声で城主が唸る。

「で、今回はなんだ」

ワシは座布団に座り城主に聞く。

「これだ」

城主は腰につけていた刀を腰から抜き前に出す。

確かそれはワシが譲った刀。

「これの双子刀を譲ってほしい」

ああ、確かに双子刀だったな。

双子刀。

1つの鉱石を2つに分けてそれぞれ一本ずつ刀を作った物だ。

手に入れた鉱石はかなり珍しい物でワシが長年夢見た刀になるか?と打ってはみたものの出来たのはワシが望む物ではなく普通に最高の刀だった。

「頼むこのとおり」

頭を下げる城主。

ま、この刀を見せたワシも悪かったな。

それに双子刀も一緒の方が良いだろう。

「おい、片割れをもってこい」

外に控える弟子に伝える。

「は」

外で声がして勢い良く走る音。

だから、走るな。


「お持ちしました」

外から声がする。

「入れ」

弟子が片割れの刀を持って入ってくる。

静かにワシの横に置いて弟子は出ていった。

「ほれ、これが片割れだ」

ワシは城主の前に刀を置く。

「おお、ありがたい」

泣く城主。

「しかし、分かっているな?」

ワシの言葉に真剣な顔つきに変わる城主。

ワシと城主は庭に出る。

そこにはたくさんの岩石がある。

「これで良いだろう」

ワシは1つの岩石を指差し、城主に頷く。

城主は岩石の前に立ち刀を抜いた。

ワシが刀を譲る相手は、その刀でワシが決めた岩石を斬る事の出きる者だ。

下手に使えば刀は折れる。

ワシの刀をきちんと扱える者にしか譲らない、ワシが決めた試験みたいなものだな。

「は」

うむ、見事。

城主は刀を一閃。

岩石を真っ二つに斬った。

腕は見事だな。

性格には難があるが。

「大事にしろよ」

「分かっておる」

城主は笑顔で帰っていった。

ワシは城主が帰った後、工房に向かう。

さっきまで打っていた刀があるからな。

工房に入り一息つく。

さて、やるか。

「ん、ぐ」

いきなり心臓が締め付けるように痛んだ。

なんじゃ、どうした。

ワシはそのまま何があったのか分からないまま倒れた。





「ここはどこじゃ?」

真っ白な場所にワシは裸で座っていた。

工房はどうなった?

刀は?

「亡くなったのだよ、お主は」

ん?

声がした方に向くとやたらに大きい人間が椅子に座っていた。

そうか死んだのか。

「心臓発作というやつだ。

95歳にしては元気だったな」

「まぁな、それだけが取り柄だからな」

しかし、今見る姿は若い時の姿だな。

「じいさんの格好よりは良いだろう」

「考えていることも分かるのか?」

「死後の世界だからな」

「それで、ワシはなぜこんなところに連れてこられた?

お前は閻魔様か?」

「いや、違うが。

少し提案があってお主をここに連れてきている」

「提案?」

「そうだ、お主やり残した事があるだろう?」

そう言われワシは刀を思い出す。

「ああ、あるな」

「転生をしてみないか?」

「転生?」

「そうだ、生まれ変わりだな。

特別に記憶とスキルを付けてやろう」

「スキルとはなんだ?」

「生まれ持った特別な能力だな。

『合成』と『鍛冶』のスキルを持って生まれ変わりが出きるようにしよう」

「で?

そちらの望みはなんだ?」

こうやって上手い話には必ず裏があるものだ。

直ぐに鵜呑みにはできん。

「そう、警戒するな。

こちらが出す条件は生まれ変わった先で姉になる人物の手助けをしてやってくれ」

「ん?

どういう事だ?」

「深くは聞くな。

ただ、姉弟仲良くしてくれと言う願いだ」

「?

家族を大事にするのは当たり前だろう?」

「本当だな?

絶対だぞ?」

「ええい、五月蝿いな。

ワシは刀に執着はしていたが、家族を蔑ろにした事はない」

「確かに、お主が倒れた後、弟子達や家族がお主の死を心から嘆いているのを見ておるからな」

「そうか、悲しんでいたか」

ふと、みなの顔が浮かぶ。

「では、フタミよ。

生まれ変わり、第2の人生を楽しむが良い。

今度は望む刀が出来れば良いな」

「ああ、ワシもそう思う」

「あと、姉は大事にするんだぞ」

「分かったって」

そして、ワシは光りに包まれた。

さて、もう先が見えてくるような展開となってきます。

威厳を出そうとしていた子煩悩神がどれだけするのか。

題名が出る時に明らかになると思います。

では、次回をお楽しみに

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