一方その頃精霊の国では(マリー編)
無事に魔石を取りに行き、指輪作りを始めたクロスト。
一方その頃マリーは1人彼の事で頭がいっぱいだった。
「はぁ~」
部屋で1人ため息が出る。
さっきまで彼と一緒にいた。
一緒にいたと言うか、お父様の元に案内しただけだけど。
私を助けてくれた彼は私が生まれて初めて出会った人間だった。
基本私達精霊はこの国から出ない。
私はそれが嫌でちょくちょく外に出ていた。
今日も軽い気持ちで外に出たらいきなりモンスターと出会ってしまってビックリしたせいで魔法を使って撃退するのを忘れてしまってた。
そんな私のピンチを彼が救ってくれた。
すごくカッコよかった。
姉さまや兄さまから人間の話を聞いていたけれど、その中でも彼はダントツだ。
今は何やら人間の姫さまの為に結婚指輪を作っているらしい。
その後は自分の為に剣を作るらしいけど。
私はそっと部屋を抜け出し、彼がいる工房へ。
窓から中を覗くと彼が一生懸命描き物をしていた。
真剣な横顔もすごく素敵だぁ。
はぁ、中に入りたいけど邪魔にならないかなぁ?
どうしたら良いかなぁ。
「マリー?」
「え?」
突然声をかけられ驚き声の方を見た。
そこには13番目の姉ミリー姉さまだった。
「こんなところで悶えて何してるの?」
「もう、悶えてません」
「そう?」
私の姉妹の中でもダントツにエッチなミリー姉さまにかかれば何してても悶えてるに見えるみたい。
「だって、う~ん、うぁ、ううなんて言ってたから路上で発情してるのかと思った」
「そんな色っぽい声も出してないし、そんな事は言って、たのかなぁ?」
私より身長も高くスタイル抜群なミリー姉さまが言うとかなりすごい。
周りの精霊達が立ち止まって見てるものって。
「ミリー姉さま、注目集めてしまってるよ~」
私は急いでミリー姉さまを連れて城に戻った。
「はぁ、もうミリー姉さまは何でいつもそうなんですか?」
お城の食堂でホットハチミツ酒を頼み席につく。
「お、どうした、二人揃って」
そこに1人の騎士が声をかけてくる。
「あ、ジング兄さま」
「ん?あ、ジングお帰り」
「ん、ああ、ただいま。っていうか出掛けるって俺ミリー姉さんに言ったっけ?」
この騎士は私の10番目の兄さん。
よく、狩りに出たり森で悪さをするモンスターを討伐に出てる。
「だって、袖に血がついてる」
ミリー姉さまに言われジング兄さまが袖を見る。
「ほんとだ、狩った時についたのか?」
「今日は何狩ったの?」
「ああ、ピッグボアだよ。
今日来た鍛冶屋の差し入れにね、ルイ姉さんに頼まれたんだよ」
「え?そうなんですか?」
ルイ姉さんは料理上手な2番目の姉さま。
これは私も手伝って上手くいけばそれを運んで彼に会えるかも。
「どうした?マリーは」
「ああ、発情してるみたい」
「してません」
その後、私はミリー姉さまと別れジング兄さまとルイ姉さまの元に向かった。
「あら、いらっしゃい、マリー。
ありがとうねジング」
「構わないよ、暇な時間あったから」
ジング兄さまの返事に微笑むルイ姉さま。
さすが大人びた笑い方。
見習わないと。
「どうしたの?マリー私の顔に何かついてる?」
「いえいえ」
慌てて手を振り否定する。
「そう、なら良いんだけど」
「俺はここで戻るよ」
「はい、本当に助かりました」
「また、何か合ったら言ってくれ」
そう言ってジング兄さまは自室の方に歩いていった。
「それで、マリーはどうしたの?」
「えっと、手伝いが出来たらなって」
「ええ、手伝ってくれるの?
いつも料理なんて嫌だって言ってたのに」
う、確かにそうだけど。
「ちょっと気が向いて、手伝いしようかなって思って」
「へぇ、そっかぁ」
何やら感ずいたご様子。
「発情してるみたいだな」
「してませんってミリー姉さまなんでここに?」
入り口に何か入っている瓶を持ってミリー姉さまが立っていた。
「あ、やっぱり、恋してるんだぁ」
「な、違います」
マリー姉さまもその笑顔止めて。
「私はルイ姉さまに頼まれたハチミツを持ってきたんだ」
「ありがとう、ミリー」
あ、それで食堂で私がハチミツ酒を飲んでる時に何か待ってる感じだったのかぁ。
「それじゃ、ルイ姉さま、私は帰る」
「ええ、ありがとうね」
そして、残される私とルイ姉さま。
「さ、動機はどうあれ、マリーが料理に興味を持ってくれたのは嬉しいわ、一緒に作りましょ」
「よろしくお願いします」
私はルイ姉さまからエプロンを貸してもらい料理を手伝った。
「完成ね」
ピッグボアのハチミツ煮込み。
ハチミツを使う事でかなり肉が柔らかく甘味と少し入れたレモンで酸味が効きかなりの味わい。
私も好きなルイ姉さまの得意料理。
「じゃ、マリーこれを鍛冶屋さんに届けてくれる?」
「え?あ、はい、もちろんです」
やった、会う口実ができた。
ん?なんで嬉しそうにこっち見てるの、ルイ姉さま?
ま、ルイ姉さまの視線はおいといて冷めないうちに持っていかないと。
私はルイ姉さまにお礼を言って彼のいる工房に急いだ。
玄関まで来たけど今大丈夫かな?
少し玄関でうろうろしたけど、冷める前に届けないと。
トントン
ノックしてみる。
「はい」
返事は思ったより早かった。
ヤバい心臓がドキドキしてきた。
ガチャ
中から彼が出てきた。
「あ、さっきはどうも」
覚えててくれた。
「あ、あのう、これ差し入れです」
私は料理を手渡す。
「ありがとう、ちょうどお腹空いてたんだ」
「そう?よかった」
タイミングバッチリ。
それに喜んでくれてる、嬉しい。
「よかったら、一緒に食べるかい?」
「え?いいの?」
「1人で食べるには量も多いからね」
「じゃ、ぜひ」
やったぁ、これはめちゃくちゃ距離縮まったんじゃない?
それから私は彼と一緒に料理を食べた。
ま、ほとんど彼を見てて食べてないんだけど。
でも、同じ時間を過ごすのがこんなに楽しいなんて。
帰る時にこれからちょくちょく覗きに来てもいいと言われたし、すごく進歩した。
ありがとう、兄さま姉さま達。
そして、私は彼の工房に通う日が始まった。
なかなか書くのが難しい恋愛事情。
上手くいくのか恋物語。
では、次回をお楽しみに




