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転移無双  作者: 天野 空
第十二章 鍛冶屋と指輪と精霊姫
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鍛冶屋と姫と精霊姫

自分専用の剣を作るべく旅する剣聖クロスト。

旅の途中に聞いた魔石を求めて彼はフリャワへとたどり着くのであった。

俺はいくらかのお金を持ってこの国フリャワに着いた。

自分専用の剣を作る材料を求めてもう10年も旅をしている。

12歳の時、俺が住んでいた国で最高の剣士の称号剣聖をもらってから、その称号に相応しい剣を探したが見つからず、とうとう自分で作ろうと鍛冶屋になったのが5年前。

道中色々な物を頼まれて作ったり、剣を作ったりしたせいで剣聖の時より有名になってしまった。

今回この国に来たのは、この国でしか手に入らないと

言われる精霊が守る魔石が目的だ。

その魔石が採れる洞窟に入るにはまずこの国の王に許可をもらわないといけない。

という訳で俺は城下町を歩きながら城へと向かっている。

ドン

「きゃ」

城に向かう途中、路地から誰かが飛び出てきた。

避ける間もなくぶつかる。

そのまま倒れそうになる誰かを俺は片手で支えた。

「あ、ありがとう」

フードが外れ、美人が顔を出す。

銀髪が光に反射してまるで精霊のようだ。

「おい、待て」

路地から美女を追いかけるように出てくる3人の男。

腰には剣をさしていた。

剣の装飾から野盗とは思えないが?

逃げてきた美女が俺に隠れるように後ろにつく。

ま、美女が隠れるんだったら助けてやらないといけないか。

「おい、おまえ、その女性をこちらに渡せ」

まるっきり野盗のセリフだな。

美女をチラッと見るとこちらを見て首を振っていた。

「嫌がっているが?」

男達はお互いに頷きあった後剣を抜く。

問答無用か。

俺も腰の剣を抜いた。

柄から刀身まで真っ黒なこの剣は最近ある商人から安く手に入れた【黒剣 時渡り】

何やら持っていると喋りかけてくるやら呪われてるやらでかなり安く手に入ったが、さて使い勝手はどうかな。

美女をもう少し下がらして前に出る。

それを見て男が1人剣を振りかぶり迫ってくる。

振り下ろされるその剣を見切って紙一重で避ける。

そして、すれ違い様に剣で薙ぐ。

倒れる男。

残り2人も勢い良く剣を構え突進してくるが、動きが単調すぎる。

風にふかれた柳のように動き攻撃を避け、剣で薙ぐ。

『柳返し』と呼ばれる師匠から学んだカウンター技だ。

「死んでしまったんですか?」

3人の男が倒れた事で美女が近づいてきて恐る恐る聞いてくる。

「いや、この剣は実は刃がついてなくてね。

手加減した打撃を与えたから気を失っているだけさ」

美女をもう1度見る。

やはり、間違いないか。

「お忍びで城から出てきたのかい?」

「え?」

俺の言葉に驚く美女。

「この国に来る途中に聞いた話でね、この国の王族は目の中に綺麗な蝶の模様がある。

君の瞳にも蝶の模様が見えたからな」

「あ」

美女は罰の悪そうに俯いた。

「護衛の人達だろ?」

男達を目で見て聞く。

美女はゆっくりと頷いた。

たぶん、まだ遊び足りなかったのかな?

「ぅく」

男達が目を覚ましそうだ、見つかったら厄介な事になるな。

「それじゃ、あまり無茶はしないようにな」

俺は美女にそう言ってその場を後にした。

その後、俺は今日泊まる宿を探す。

炉銀は底をついたが、なんとか1泊は出来そうな宿を見つけた。

宿で食事をした後、部屋に戻る。

さてと、俺は腰から【黒剣 時渡り】を外し鞘から抜いた。

やはり刃がない。

買った商人が言うには「切れる時には切れる」そうだ。

今日使った感じ何の素材で出来ているのか分からないが、かなり軽かった。

それでいて強度もある。

これで刃が付いていたなら俺の専用の武器として使っていけたのだが。

ま、不幸の呪われた剣と言われて買ったが、この剣を買ってから何か縁にも恵まれてるような気がするしな。

剣の手入れをした後、俺は雑務を終わらし布団に入った。

明日は城に行って王に許可をもらわないといけないな。


次の日の朝、俺は身支度をした後城に向かった。

門番に名前と鍛冶屋の証明を見せるとしばらくまたされた後、直に王に会う事になり、謁見の間に通された。

「良く来たな、鍛冶屋クロスト。

そうかしこまらなくても良い。

頭を上げよ」

王に言われて俺は頭を上げ立ち上がる。

優しそうな顔の王だ。

そこまで歳はとっていないのだろう、がっしりとした体に似合うスッキリとした顔をしていた。

「それで、今回はどういった用件で我が国の魔石を欲する?」

「はい、私は自分専用の剣を作る為に様々な国を旅してきました。

その途中この国にある魔石の話を聞き、ぜひその魔石で剣を作らせていだだけないかと思い、こうして謁見の機会をいただきました」

「なるほど、剣聖の称号も持っておったな。

よし、分かった、許可しよう」

「ありがとうございます」

俺は頭を下げる。

「ただ、1つ条件を出しても良いか?」

王がすまなそうに言ってくる。

そんな風に言ってこなくてもこちらとしてはもちろん条件は付いてくるだろうと予想していた。

「はい、私で出来ることなら何なりと」

その言葉を聞いて王が隣に立つ騎士に声をかける。

すると1人の女性が王の横へと歩いてきた。

薄い赤色のドレスがとても良く似合う美女だ。

もしかしてこの美女は。

「我が娘、ローズという」

王の紹介の後、優雅に挨拶をするローズ。

やっぱり、あの時の美女だ。

さすがにあの時はお忍びで出てきてたみたいだし、声をかけたらヤバイだろう。

俺は姫に会釈をする。

「それで条件というのは、このローズの事だ。

近々このローズが隣国の王子と結婚する事になっている。

それでクロストには結婚指輪を作って欲しい。

代々王族の結婚にはその魔石で指輪を作り結婚指輪にする習わしなのだ」

なるほどね、結婚するのか姫様は。

姫の方を見ると、少し俯いていた。

こんな美女と結婚出きるなんてな羨ましい限りだ。

「分かりました、お引き受けします」

「おお、それはありがたい。

支度金は用意しよう。

後、何か必要な物があれば遠慮なく言ってくれ。

良かったなローズ」

嬉しそうに姫に声をかける王。

姫は小さな声で「はい」と答えていた。

その後、謁見の間から出た俺は魔石のある洞窟へ入る許可書と、魔石を守っている精霊王への紹介状、支度金を受け取り、早速目的の洞窟へと向かった。


洞窟は町からそう離れていない森の中にある。

王からもらった地図を頼りに森を進んでいると「きゃー」と言う声が前方から聞こえてきた。

俺は急ぎ声がした方に走る。

草むらを掻き分けていくと声がしたところで視界が開け、その先には1人の精霊とそれを取り囲むモンスターが数匹いた。

精霊は俺の姿を見ると急いで背後に隠れる。

身長は50㎝くらいか。

しかし、隠れた後、震えながら肩にしがみつくので柔らかいものが肩に当たっている。

モンスターは標的を変えてこちらを睨む。

仕方ないか。

俺は精霊に後ろに大丈夫と伝え、後ろに隠れるように伝えた。

精霊は涙目で後ろの岩に隠れる。

さてと、この前も同じような事があったが。

俺は剣を抜く。

すると不思議な事にその剣には刃が付いていた。

なるほど、こういう事か。

剣を水平に構え、俺はモンスターの方にダッシュした。

『水平一線』

複数の相手に使う技。

すれ違い様にその名の通り横に薙いで通りすぎる技だ。

一瞬でそれをするので見ている方には敵をただ通りすぎただけにも見えるらしい。

剣をゆっくりと鞘に戻す。

モンスターは塵と化し消え去った。

「あ、ありがとうございます」

岩影から精霊が出てくる。

「いや、無事で良かったよ」

「あ、あのう、何かお礼をしたいのですが」

もじもじしながら精霊が言ってきた。

「それじゃ、魔石のある洞窟に案内してもらえないかな?

この通り、許可書はあるんだ」

精霊に王からもらった許可書を見せる。

「あ、魔石に用事がある方だったんですね。

はい、喜んで案内しますよ」

嬉しそうにニコニコ笑顔の精霊に連れられて、俺は魔石の眠る洞窟に向かった。

洞窟に入る前に大きな木に連れられてきた。

何やらここが魔石を守る精霊が住む国の入り口らしい。

精霊が木に手を当てると木に扉が現れた。

俺は精霊に続いてその扉をくぐる。

眩い光の後、ゆっくりと目を開けるとそこは町だった。

精霊サイズなのか少し小さい町だったが、中には大きな建物もある。

精霊に連れられて町の長である精霊王に謁見する。

「良く来たな旅のお方。

歓迎するよ。

それと、このじゃじゃ馬娘の危ないところを助けてもらって感謝する」

精霊王の横でお礼を言ってくる先程の精霊、名前はマリーというらしい。

俺は精霊王に王からの手紙を見せる。

「分かった、魔石の使用を許可しよう。

ただし、魔石はこの国の中でしか加工が出来ない特殊な石だ。

ここに来る途中に大きな建物があっただろう。

そこで代々鍛冶屋が指輪を作っている。

そこを使うといい」

「ありがとうございます」

「いやいや、しかし、あの赤ん坊がもう子を持つ親とはな」

「王の赤ん坊の時を知っているんですか?」

「もちろん、我ら精霊と人間では生きる年月が違う。

私は今の王の先先代から知っているよ」

「そうだったんですね」

「ま、クロストが助けてくれたマリーはまだ生まれて20年程しかたっていないからな、まだまだ色々な物に興味があるのだろう、よく抜け出すのだよ」

精霊王の話だとマリーは最近生まれた末っ子らしい。

俺は精霊王にお礼を言った後、案内役の精霊と共に洞窟へと入っていった。

精霊の案内でなかなかのサイズの魔石をゲットする。

それを持って精霊の町に。

精霊王から許しを得た工房で早速、指輪の製作に取りかかった。

工房には代々の指輪の設計図もあり、それを参考にしながらあの姫様に似合う指輪を考えて設計図を書いた。

作業中、たまにマリーが覗きに来て、差し入れや談笑をして帰っていった。

王からも使いの者が様子を見に来て、追加物資や足りない物を聞いて戻っていく。

そういった日々を1週間程過ごした。

その夜、とうとう指輪が完成する。

精霊王に報告し指輪を見せる。

精霊王はとても気に入ったみたいで、祝福の魔法を指輪にかけてくれた。

王からの使者にその事を伝え指輪を渡す。

後日、王からの感謝の手紙に剣作りの支援を行う約束が書かれていた。

そして、俺は自分専用の武器を作る為に魔石を加工し始めた。

始まりました。

新しい章に突入です。

今回も読んでくれる皆さんが楽しめるように、そして自分が楽しく書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

更新不定期ですが、なるべく早く更新しようと思います。

では、次回もお楽しみに

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