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転移無双  作者: 天野 空
第十一章 オセロ
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白騎士と黒騎士

実技試験をクリアしたクロニクル。

次は面接試験を受ける為に城にある試験会場へ向かう。

翌朝、俺は昨日と同じように朝食を済ませ城に向かった。

昨日に比べ冒険者の数はかなり減っていた。

俺は白騎士団の試験会場に向かう。

会場に入ると何人か見知った顔があった。

俺は適当に椅子に座りながら周りを見渡す。

あの冒険者集団もいるな。

「隣いい?」

ん?

声をかけられ隣を見ると、昨日のアサシンがいた。

昨日とは違い今日は少しゆったり目の服装をしていた。

「昨日も言ったけど、相手を確認するのに見るとこそこなわけ?」

そう言いながらアンナが隣に座る。

ま、ゆったり目な服装でも分かるくらいのものをお持ちな訳で。

「あのなぁ、俺は何があっても良いように人の中心部分を見てるんだよ。

その方がいざって時に対処できるだろ?」

「はい、言い訳」

はい、言い訳です。

「ま、いいわ。

見られるの慣れてるし、見られるって事は私に興味持ってるって事でしょ」

まぁ、興味はある。

「ポジティブだな」

「そう思ってないとやってられないわよ。

会う人会う人に見られるんだから」

机に頬杖つきながら答えるアンナを不覚にも可愛いと思ってしまった。

「これで全員揃ったな」

前には昨日の白騎士団副長ガインが立っていた。

「今日ここに集まっているのは昨日の実技試験を合格したもの達だ。

今から簡単な面接を行った後、もう一度集まってもらう。

その時に白騎士団団長から皆に挨拶があるだろう、

それでは呼ばれたものから、隣の部屋に来るように。

以上だ」

それから1人ずつ名前が呼ばれ部屋を出ていった。

さて、ここで1つこの城の騎士団について。

この城には俺が試験を受けた白騎士団の他にもう1つ黒騎士団がある。

噂では、騎士団同士はあまり良好ではなく、よく競い合いをしているとの事だ。

白騎士団は結束を重んじ、黒騎士団は個人を重んじる。

なので、根本的な強さの定義が違うようでよくいざこざが起きているようだった。

初めの試験の時にオーブで調べたのはその適正だと思われる。

ま、どう見ても個人っていう輩もこっちにいるんだけどね。

「クロニクル」

お、名前呼ばれた。

「いってらっしゃい。

無事に入れたらよろしくね」

アンナが隣で手も振る。

「ああ」

俺はそう言ってから部屋を後にした。

試験が行われている部屋に入る。

中には副長とあと何人かの試験官が座っていた。

俺も試験官達の前にある椅子に座る。

「クロニクルだな」

副長が聞いてくる。

「そうだ」

「実技試験で手にいれた武器はなんだ?」

俺は手にいれた剣を見せる。

「剣か、お前はその武器を使いこなせるか?

これから白騎士団での武器はその武器を使ってもらう事になる」

「剣も使える。

なんで、後ろにいるアサシンにいちいち攻撃させなくてもいいぞ」

俺は振り返らず副長に伝えた。

「なるほどな、いいだろう合格だ」

俺は席を立ち後ろの扉に向かう。

扉の横に立つアサシン。

かなりの手練れだろう、完全に気配は消しているが、ほんの少し殺気が出ている。

俺はそのまま、扉を出た。

出ると試験官が待っており別の部屋に案内された。

その部屋にはあのリーダー格とミノタウロスに動じなかったやつら、あと何人かが待っていた。

「やぁ、君も合格したんだね」

リーダー格の人物が声をかけてくる。

「自己紹介がまだだった、私はケインだ。

よろしく」

「俺はクロニクルだ」

「これからは白騎士団の仲間だな」

ケインはにこやかに笑う。

ガチャ、後ろで扉が開く音がして1人の女性が入ってきた。

アンナだ。

ま、予想通りだな。

「これで全員だ。

それでは、初めに副長の話があった部屋に集まってくれ」

試験官に言われ部屋にいた全員が移動する。

「ま、大丈夫だと思ったけど、アサシンはどうしたの?」

隣に来たアンナが聞いてくる。

「別にやられる前にやらなくて言いと言った」

「そうだよね、私の気配が分かるくらいだしいるのは分かったよね」

「無理に殺気を出してただろう」

「ええ、あのくらいのアサシンなら殺気なんて出さずに殺れるからね」

「ちなみに俺はアンナの事が分かったのは微かな空気の流れだ分かったがな」

「何の空気の流れかわ聞かないでおくわ、なんとなく察しがつくから」

「そうか?」

そんな話をしながら部屋に戻り席に座った。

なぜか隣に座るアンナ。

しばらくすると副長が現れ、その後に完全装備の騎士と1人の子どもが入ってきた。

フルフェイスの兜を被っていて顔は分からないが、金色の長い髪が兜から出ていた。

上から下まで白銀の鎧だ。

たぶんこれが団長か?

「団長からの挨拶だ」

副長はそう言うと前をその完全装備の人物に譲る。

髪は長いがフルフェイスのせいで男か女か分からんな。

その団長がフルフェイスを取り、机に置く。

ほぅ、かなり美人だな。

「へぇ」

隣でアンナも団長を、見ながら小さく声を呟く。

「はじめまして、ようこそ白騎士団へ。

私は白騎士団団長をしているクリアです。

よろしく」

女団長か。

これはちょっと嬉しいかな。

「鼻の下伸びてる」

「な、そんなはずは」

「単純」

アンナに茶化され鼻の下を押さえた自分が情けない。

「団長に手を出すやつは私が許さんぞ」

団長の前に立ち大声を上げる子ども。

「こら、ユリス。

私が話してるから」

団長に抱えられ横にどけられる子ども。

「明日からさっそくダンジョン攻略に入るから詳しくは副長から説明を受けて欲しい。

では、副長後はお願いするよ」

そう言ってユリスを連れて部屋を出るクリア団長。

その後、明日のダンジョン攻略について準備する物や、騎士団からの支給品が配られた。

装備は各自が用意するらしい。

騎士団専用の装備は騎士団内でのランクが上がればもらえるそうだ。

1通りの説明が終わった後、解散となった。

俺は部屋を出て騎士団専用の寮に向かう。

騎士団に入隊出来た者は希望を出せば寮に住めるらしい。

俺はこっちに家もないので寮を希望したというわけだ。

「おい、お前」

寮に向かう途中、見慣れない冒険者達に止められた。

「白騎士団だよな?」

いかにもチンピラ風なその集団は「俺らは黒騎士団だ」と名乗った。

バカなのか?

こんな事してるのバレたら騎士団の評判下がるだろう。

「ここで白騎士団に力を見せつけてうちの騎士団でも箔をつけてやる」

はぁ、さすが個人を重んじる騎士団だな。

自分の力量が分かってないのか?

ま、専用の鎧を着けてないところを見ると俺と一緒で今日合格したやつか。

「へへ、オレらの為にちょっと痛い目見ろや」

ん~個人の割には集団で挑んでくるのか?

相手が各々武器を構えたので、俺も剣を持つ。

「それがあんたの武器か。

せっかくだからそれもいただいてやるよ」

さて、どうしたものか。

ここでやるのは別に構わないが、ギャラリーが案外多いな。

「おら、いくぞ」

男の号令で5人の黒騎士団が襲いかかってきた。

仕方ない、やらずに倒すか。

目標を達成するまであまり目立ちたくないしな。

先頭で襲いかかってくる冒険者の剣を軽く避け、次にくる冒険者のハンマーを左手で受け止める。

その後、槍で突いてきた所を剣で叩き落とす。

間髪いれずに放たれた魔法をハンマーで殴ってきた冒険者を引き寄せ盾にする。

そして、その一連の流れに腰が引けている最後の1人に引き寄せ魔法で呻いている冒険者を蹴りぶつけた。

「く、くそう」

チンピラはふらふらになりながら逃げていった。

「はぁ~」

どこでもいるのかなぁ、ああいうやつ。

「そろそろ出てきたらどうだい?」

俺は剣を納めながら大きな声で言った。

すると右側の茂みから2人の影が。

「手助けは必要なかったみたいだ」

「なかなかやるわね」

白騎士団団長と子どもだ。

「ちょっとなんか腹立つ事考えたでしょう」

「いや、考えてない」

子どもって思ったのがバレたのか?

「こらこら、新人君をいじめちゃダメだよ」

「く、命拾いしたわね」

いや、思っただけで命取られたらたまったもんじゃない。

「ま、新人君が強くてよかったよ。

危うく大事になるところだった」

「確かになぁ」

クリアの言葉に相づちをうつように反対側の茂みから真っ黒の鎧を来た騎士が出てくる。

「すまんね、うちの若いやつらが」

「やっぱりいたな黒騎士団団長クロウ」

こいつが黒騎士団団長か。

こちらも白騎士団団長と同じ装備で色違いの黒。

顔が分からんな。

「もし、私が助けに入ってたら、そっちも入ってただろう?」

「まぁな、新人に団長が相手になったら入らない訳にはいかないだろう」

「そうなるとまた、団同士でもめる事になるね」

心底嫌そうに言うクリア。

「いいんですよ、威張りまくってる黒騎士団なんてやっつければ」

「もう、そんな事言わない」

フルフェイスを着けてても分かる。

困った顔してるんだろうなクリアは。

「それに目撃者がもう1人いるからな」

クロウは近くの木を見上げる。

「確かに」

俺の同意と共に木から降りてくるアンナ。

「はは、さすがにバレてた?」

「分かるよ、気配消してないし」

そう、今回のアンナは気配を消さずただ木の上からこちらを伺っていた。

「危なかったら助けようと思ったんだけど、余裕みたいだったね」

よかったやらなくて。

「さて、この借りはどこかで返すさ」

そう言ってクロウは手を振りながら城の方に戻っていった。

「今回はすまなかったね、こういった事はないようにしないといけないんだけど、このお詫びはいつかするよ」

「別に団長がお詫びをする必要なんてないです。

悪いのは黒騎士団なんですから」

「まぁ、そう言わずに。

それじゃ、またね」

クリアはユリスをなだめながら城の方に戻っていった。

「それじゃ、私達は寮に行きましょうか」

「アンナも寮なのか?」

「そうよ」

そう言いながら腕を組んでくるアンナ。

「おい、止めろ」

「そう言いながら振りほどかないね、クロニクルは」

ま、腕に当たる感触は何ものにも代えがたいものだからな。

「むっつりって言うのよ、それ」

「うるさい」

俺とアンナはそのまま、寮へと向かった。

白と黒の登場です。

さて、主人公クロニクルは黒に変わるのか白のままなのか、お楽しみに。

では、また次回。

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