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転移無双  作者: 天野 空
第一章 光の剣と女勇者
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魔王と女勇者達

そこは中世に近い、どこかの世界。

勇者ユリスと仲間達は、ようやく魔王と呼ばれるものと対峙していた。

ここまで、過ごしてきた仲間達とユリスは最後の戦いを始める。

果たして、ユリスは魔王を倒すことができるのか?

「おい、起きろ、こんなところで寝てたら死んでしまうぞ」

耳元で大きな声がした。

「かはぁ」

その声で私の意識は覚醒する。

「ご、ごめん、不意をつかれた」

ゆっくりと立ち上がりながら声の主に笑顔を向ける。

「そんな弱々しい笑顔を向けられても、こっちが困る」

声の主、アーランドは苦笑いしながら大盾を構えた。

「ユリスさんこっちに、回復魔法かけますから」

そういって大盾の影から、小柄で可愛らしい女の子が声をかけてきた。

「ありがとう、スー、お願い」

私はスーの回復魔法を受けながら、自分達の倒す相手を見る。

この世界で魔王と呼ばれているそれは、腕が六本ある巨大な大猿だった。

その相手を1人牽制しているクロ。

長年使っているように見えるブロードソード1本で、相手の攻撃を押さえていた。

「もしかして、私が気絶してからずっと押さえてくれてたの?」

「ああ、クロがユリスを助けてやってくれってな、時間を稼ぐからといってずっとああしてくれてる」

「本当に凄いです、途中から仲間になってくれましたけどすごく助かります」

「だね、それじゃ、私もいいところ見せないと」

スーの回復魔法のおかげで、だいぶ力は戻ってきた。

「行くよ、アーランド、スー」

「おう」「わかりました」


『光よ、舞え』

スーの手から光の玉が魔王に向かって飛び出す。

「クロ、目~」

私の声に一瞬こちらを見たクロは、笑顔を向け魔王から飛び退いた。

もちろん、右手で目を隠しながら。

光弾が魔王の顔に当たった瞬間、激しく光る。

「ガァァ~」

視力が奪われた魔王は、自らの周りを豪腕で殴り続ける。

一緒に走り出している、アーランドに向かって目で合図した。

アーランドは無言で頷き、大盾を構える。

『ブロックシールド』

アーランドのスキルが発動する。

ランダムで大地を穿つ豪腕を、そのスキルでことごとく防いでくれた。

(いける)

私は伝説の勇者の遺物、光の剣を握りしめ、魔王との間合いを詰めていった。

「だめだ、避けろ」

「え、くぁ」

突然横からクロが体当たりをしてきた。

その後、私がいた場所を一筋の光線が通りすぎる。

「くそ、まだあんなかくし球があるのか」

アーランドの声が分かるのか、魔王はお腹にできた大きな口で笑ったように見えた。

「ありがとう、クロ」

「いや、なんか嫌な予感がしたから」

「でも、どうしよう、あの光線と六本の腕があったら間合いに入れない」

「よっと」

アーランドは大盾を構えたまま、私達の前に立った。

「目潰しもダメですね、何か胸のところに目みたいなのがありますし」

少しふくれてスーが言った、怒った顔も可愛いなぁ、スーは。

「何、にやにやしてるんですかユリスさん、真面目にしてください」

怒られた。

「ま、ユリスが持つ剣なら、間合いはあまり関係はないんだけどなぁ」

そう言いながら、光の剣を見るクロ。

クロが何か少し考えた後、私の背中を叩く。

「痛いよ」

不満な顔をしてクロを軽く睨む。

「気合い気合い、俺からのギフトだよ」

そう言ってクロは笑った。

「それじゃ、俺がなんとかあいつの攻撃を捌くから、ユリスは後ろから来てくれ」

「アーランドはスーを守って、スーはありったけの補助魔法と撹乱魔法を頼む」

「うん」「わかった」「任せてください」

クロの真剣な顔、何か作戦があるんだ。

今までも、この表情の時に出る作戦で助けられたから。

「ユリス、君にはその剣を持つにふさわしい力があるから、何があってもその剣と仲間と自分の力を信じてな」

クロは真剣な顔を魔王に向けたまま私に言った。

「もちろん、アーランドもスーも、クロも信じてるから」

私も魔王を見ながら言った。

一瞬、こちらを見たクロは笑顔を向けて、魔王に走り出す。

私とクロの体を淡い光が包み込んだ。

スーの補助魔法。

そして、多数の光弾が魔王の向かって放たれた。

魔王は光弾が受けながらも、その腕を振り下ろす。

しかし、クロはそれを全て防いでくれていた。

正直に凄いと、私はクロの後ろを走りながら思った。

もう、魔王は目の前まできている。

私は光の剣を強く握りしめた。

何かいつもと違う、握りしめた光の剣から力を感じる。

そう思った瞬間、目の前で魔王の腹の口が大きく開いた。

(だめだ、間に合わない)

「自分を信じて、その剣を振り抜くんだ」

「え?」

こちらを振り向いたクロは笑顔のままだった。

「ダメ、避けて」

私の声が出ると同時に、クロは光線をその身に浴びていた。

「やれるから、ユリスなら」

「ダメ、クロ死んじゃう」

その背に光線を浴びながら、クロは笑顔を浮かべていた。

「振り抜け~」

クロは私に大きな声で叫びながら、全ての光線を浴び姿をけ

初めてのお話投稿です。

いろいろと読み苦しいところがあると思いますが、よろしくお願いします。

さて、次のお話は後日談的なものです。

お楽しみに

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