第四話:特別な休日の日常風景
後半バトルシーンが入ってます。
いよいよ間近に迫った黄金週間。後数日で突入だ。
「ハァ」
しかし何もイベントがない淋しい俺。そこ、かわいそうとか言うな。結構ナイーブなんだぞ。
「お〜い。裁木〜。瑠香ちゃんのコンサート手に入れたんだけど一緒に行かないか〜」
瑠香とは最近流行ってきたアイドルで歌も踊りも演技も一級な奴。作詞も自分でしており、その歌詞もハンパなくいいのだ。俺はデビュー当初から大ファン。
「行くぜ!当然だろ!!」俺達は盛り上がり話を進める。とりあえず一日は潰れた。さすが渋谷だ。こういうときしか役に立たない。これ、褒めてます。
「ねぇ、龍牙。GWの最初の日さ、暇?」
栞が聞いてきた。
「うーん。四日以外は暇だな」
今のうーんは見栄だ。いや、ここで
「ハッハッハッ!予定?そんなものがこの物語の設定上彼女なし、男友達数人しかいないこの俺にある訳無いだろう!」
なんて悲しいこと言えるほどマイ・ハートは強くない訳で。予定がある忙しい人間を演じながら
「何か用か?」
「その・・・今度新しく開いた遊園地があって・・・い、一緒に行かない?」
どもりながら言う栞。フム
「問題ないな」
「遊園地ですか?私も行きたいです」
楓が聞き付けたらしく言ってきた。
「おぉ行こうぜ」
軽く答えると後ろから黒いオーラを感じる。
「栞?」
「どうしたんですか?栞さん。何か御不満でも?」
こちらも黒髪が浮いて見えるほど強いオーラが発生している。何やら不穏だ。つーか何か精神世界に突入してるらしい。なにせ、
「もうその攻撃は見飽きたわ!」
とか
「甘いですわね。黒糖にチョコレートコーティングしてハバネロと食べる程甘いですわ!」
とか呟いているし。かなりバトっている。というか楓。それ辛いと思う。ハバネロなめんなよ。
「何だ?遊園地?俺もいいかー」
「問題ないんじゃね?」
そう言うと二人が御帰還。示し合わせたかのように渋谷をボコる。
「ちょっと待っ、ゴフゥ!俺がな、ガハッ!ギフゥ!ゲバッ!」
見るにも無惨な姿に。原型留めてないし
―GW初日
新しくオープンした遊園地
「You園地」なるネーミングセンスを疑い、由来を聞きたくなる名の場所に俺ら四人がいる。
「混んでんな〜。最初どこ行くか?」「そうね。まだジェットコースターは並んでいるから今空いているのはヒーローショーくらいね」
「おいおい。神崎、俺達高二だぞ。いくら暇とはいえ・・・」
「行こう!オレンジ並の全力で!」
「「「えっ・・・」」」
三人の台詞がユニゾンするが無視。
「何だ登場するのは!?バイク乗りか?五色+αか?光の巨人か?」
栞の肩を揺らしながら問う。
「裁木、何の冗談だ?つまらないぞ」
「言え!!」
解き放て!魔眼!!キュウゥゥゥン
「地方のヒーロー。通称息吹マンだ」
「よしっ。行くか。ったくムダなことでギ〇ス使わせやがって」
「待って!?本当に見に行くの?というかギア〇使ったわよね!」
さぁ、ヒーローショーを見に行くとしますか♪
「流すな!」
「ちっ、今見たことは忘れろ!」
キュウゥゥゥン・・・
息吹マンとはそのダサいネーミングと地方ヒーローにもかかわらず、デザイン、スーツを特撮関係で有名なところが作り、シナリオを最近頭角を表してきたシナリオレーターがやっているためか某笑い動画サイトに大量投稿されている。全国にファンがいるのだ。
「まだかなまだかな♪」
「龍牙・・・キャラ崩壊しているわよ」
それはムリも無い。俺は不良時代のヒーローオタクによって改造人間ヒーローマニア(オタクではない)にされたのだ!
不良時代の友人がそんなんでいいのかという気もするがはまってしまったものは仕方が無い。
「息吹マーン!」
子供達の声。ベタだなぁ。だがそれがいい。つーか司会のお姉さん、タイプです。その笑顔プリーズ。
登場した息吹マンが次々と敵を倒す。だがイレギュラーが発生。ラストの怪人役が何故かぶん殴り始めた。ちなみに分からないであろう人達にいうがショーで行う戦闘シーンはスーツの中の人がうまくない限り子供が見ても分かるくらい攻撃が当たらないのだ。言っておくがオタクではない。あくまでマニアだ。
「おい!シャレになんねーぞ!!やめろバカ!!」
「バカ?お前も俺を馬鹿にするんだな?邪魔するなよ。ガキの夢を壊すなんて最高じゃないか」
決定。コイツは頭がおかしいです。
「ヒーローなんていないってことを証明してやるよ!!」
・・・・・・今何て言ったコイツ?ヒーローなんていないって?
「楓、サイフとケータイ持っててくれ」
「いいですがどうしたのですか?」
「アイツを倒してくる」
「はぁ?何言ってるのよ?アイツだけでも頭おかしいのにあんたまで変になったの?」
『それは私が答えよう』
「天の声!?」
「メタに頼るまで堕ちましたか・・・」
「いや今回見てもパクリのオンパレードだからとっくの昔に救えなくなっているわよ」
『・・・そのことは置いといて俺話していいですか?』
「あっ、素に戻った」
『・・・戻しますよ?それは、今からバトルに突入させようとしているんだけど若干マジメにやらせたいからさ、コメディからどう繋げばいいか分からないんだよ。まあ、ぶっちゃけるとそこまでに至る細々とした描写が俺にできないからなんだけどね!』
「ふふふ、今までの文章力の無さを全部片付けようとしているのですね。このダメ作者」
『・・・・・・おかしいな。この世界では俺が絶対神なはず・・・いいや、元に戻そう!』
対峙する俺と着ぐるみ脱いだアホそうな奴。メンドイから以下A
「俺を倒す?ふざけるな!俺の二つ名知らないとはいわせないぞ。ヤク中の出歯亀を!!」
「いや、知らないし、それこそバカにされているぞ、お前。辞書引こうな」
と一気に突っ込んで来る。何か言えよ。哀しくなるだろう。
俺はAの拳を受け止める。が、
「ぐはっ!」
スピードはともかく重さがハンパない。俺は一撃必殺の姿勢から長期戦へと構えを替える。長期戦での戦い方は『攻撃は最大の防御』というように軽く、隙の無い攻撃を相手に与え、できる限りそれを避けさせる。それが俺流だ。だが相手も十分把握しているらしく重めのパンチでこちらに隙を与えない。俺はしばらく様子を
『ガンバレー!!お兄ちゃーん!!』
ゴメン。ヒーローみたいに応援されたらすぐに勝負つけなきゃいけない気がしてきました。
「なぁ、お前こそ俺の二つ名知らないとはいわせないぞ」
「アァ!?」
俺は気が進まないものの大抵の不良なら知っている名を言う。
「『龍の牙』」
相手が一瞬硬直する。待っていた隙の到来。俺は一先ず右のストレートを叩き込む。
「グッ」
「形勢逆転だ」
俺は距離が放れたAをまずは膝蹴りで攻撃。防がれたがそれは予測済みだ。そのまま空いている左足を振り上げる。無論右足がついてからだから隙はできるが蹴り技を得意としていた俺の打撃なら一回のガード後更にガードに移れるはずが無い。ついでに言っておくと人間は蹴りのほうが強い。なら何故あまり喧嘩で使われることが少ないか、それは純粋に武器を使ったほうが強いというのもある。が、何より体勢が不安定になるということだろう。だから俺は隙を作ったら蹴りに集中することなくあくまで「基本」蹴りのスタイルで戦う。
蹴りはガードに使っていた腕に当たる。怯んだAにそのままアッパーを叩き込む。無論反撃は許さない。一気に足払い。Aの身体能力を考えて倒れることは無いだろうから、そのまま思い切り蹴って完全に体勢を崩す。
「チェックメイト」
カッコつけて踵落とし。
「『龍の牙ゥゥゥ!』
何かザコキャラみたく気絶。
「よし。帰るか」
そう言って微笑を浮かべ振り返ると栞、楓を含む老若女がなぜか気絶したという。
無論あの恥ずかしい二つ名が世間的に広まったのは言うまでもない。
次回新キャラ登場です!!




