第7話 元勇者さんはまた異世界に行くようです
ヘレナが行方不明か……………
あの巨乳は俺並みに強いはずなんだがな
まず、あいつがやられるような相手だったら異世界がやばい
俺は急ぎ桜の大樹の所に行く
俺はほんの少しばかり、さきっちょだけ本気を出して世界陸上の100メートル走並みのタイムで3キロほどを走る
桜の大樹は町を一望出来るちょっと町外れのことにある
なぜかは分からんがここだとすんなりと異世界と繋がるからいつもここから行くことにしている
この魔法は俺が最後に創りだした魔法だ
もう俺がネメイアでやることが無くなったから元の世界に帰るために
「顕現せよ 我が12番目に創造せし魔法 次元連結!!」
パリン!!
ガラスが砕けるような音が辺りに響く
何も無いはずの空に、パキリとひびが入る
そしてそこから顔を覗かせているのが、次元の狭間だ
全てを飲み込んでしまいそうな真っ暗な所だ
初めの内は何も感じないから戸惑ったものだ
今ではもうお馴染みだけどな
俺はそこに飛び込む
もちろん魔法は解除したから誰かが迷い込まれるなんてことも無い
俺は少しばかりヘレナの事を思い出していた
俺が寝ている部屋に何かがもぞもぞと這い寄ってくる
当時の俺はまだ怖がりだったから布団を頭に被り目を瞑っていた
しかし確実に何かが俺の寝ているベッドに近付いて来る
俺はその頃、一番信用していたヘレナに助けを求めた
「ヘレナさん………怖いよ…………」
「ダイジョウブ ナニモ コワクナイヨ……」
真っ暗な部屋で助けを求めた相手の声がたとえ耳元で聞こえたとしても、誰だってびっくりして半殺しにしてしまうことはよくあることだろう
「うわぁぁぁぁ!!!!」
「ちょっ、風太 私よ!! やめてもう刺さないで!流石の私もその威力のやつだと感じられないわ!!」
「ヘレナさんが怖いよぉぉぉぉ!!」
「チッ!! まだガキだと思って甘く見てたわ!早く風太の童ピーを奪わなければ!! 風太!!これはあなたの為なのよ!童ピーは早く卒業すればするほど良いものなのよ!!」
「よく分かんないよぉぉぁ!!」
「これって…………まさか、閉じ込められた!?………風太、お願いたす」
「ぐずっ 怖かった…………ヘレナさんはあんな怖い事をする人じゃないからあれは夢なんだ 早く寝なきゃ………」
よく朝、「暗いのはもう嫌、怖いの」と壊れたように呟くヘレナがいたような気がする
「あいつ昔からろくなことしてねぇな!!」
俺が昔のことを思い出していると異世界に着いた