第1話 元勇者さんがコスプレ少女を拾ったようです
時は現代
魔法なんていうのはアニメや漫画の中だけ世界、錬金術とかそういうのは発展しなくて科学が発展した世界
よくある普通の世界にいたはずの俺はある日11歳の頃に学校の帰り道で巨乳の魔法少女に連れ去られた
どこに連れ去られたかって?
科学じゃなくて魔法が発展したファンタジーの世界にだ
その世界はある危機に瀕していて、それを退けるために俺を誘拐して来たらしい
当時の俺は自分が勇者と言われ舞い上がっていた
魔法の事を何も知らずに……………
その世界の魔法はいわゆるなんでもありだった
殴ったり蹴ったりしても魔法
空を飛んだり、水の中で息が出来たりするのも魔法
火風水土雷光闇の全属性を混ぜた、とんでもないビームも魔法
終いには宇宙空間に行ってしまうのも魔法
まあ色々かくかくしかじかあって5年くらい掛けてでその世界を救い、元の世界に帰って来た訳だ
そして元の世界の家に帰って来て愕然とした
俺は小学生5年生の時に、外国のお金持ちのお嬢様の婚約者になりヒモ生活を送っていたが最近になって別れたという訳の分からない状態になっていた
しかも、その時に金をいっぱいもらっていたから生活は平気という設定らしい
あの巨乳が魔法で家族や知り合いを洗脳したようだ
おかげで家族とは疎遠になり
孤独な1人暮らしをしている
俺は魔法少女が大嫌いだ
俺の人生を滅茶苦茶にしたからだ
この世界に帰ってきて2年が経ち俺は今18歳だ、1人暮らしにも慣れ平和に暮らしていた
えっ2年間何をしていたかって?
俺みたいに異世界に連れ去られた奴らの事が書いてある本って奴を読んだりアニメとかを見ていたよ
最近の奴らって凄いのな
俺とあんまり年は変わらないのに世界を救った後に最終的にその世界の神様的存在とか倒しちゃうんだぜ
マジ強すぎるだろ…………
だけどこの時は思ってもいなかった
また俺の人生がこんなことになるなんて
その日は台風が来ていた
だが俺は台風が来るって時に、家の電球が切れてしまったことに気が付き仕方なく買い出しに行くことにした
「よりによってこんな日にか、まぁLED電球って奴に変えるか……………ん?」
歩いていると、道端に魔法少女のコスプレをした痛い女の子が倒れていた
「おいあんた大丈夫か? これから台風が来るぞ」
「…………………………………」
年は13か14才位だろう整った顔、濡れていて艶やかな髪、まるでアニメの世界から出て来たと言ってしまっても差し支え無いような綺麗で可愛い女の子だった
こんな子が何故ここに倒れているのかという疑問は尽きなかった
仕方がない
俺は痛い魔法少女のコスプレをしている女の子を放置して何も見てなかったかのようにLED電球は買いに行った
だって魔法少女は嫌いだから…………
「LED電球って意外と高いんだな」
俺は金には困っていないんだがあまり使うと家族がうるさい
なんでも「自分で稼いでもない金を使うなんて厚かましい奴だ」だそうだ
「まあ、バレなきゃいいか」
他に食糧をしこたま買い込んで俺は家に帰ることにした
「いよいよ本格的になってきたな」
風でビニール傘が壊れてしまいそうだ
ビニール傘よ 気合いだ お前なら平気だ やれば出来る! 熱くなれよ!!
バサッ!!
心ん中で念じた瞬間にビニール傘は裏帰り風によって骨が複雑骨折して壊れた………………
「流石に寒いな」
台風の日に複雑骨折した傘を差し、濡れながら帰っているとまだコスプレ少女が倒れていた
ずぶ濡れのせいで寒いのか、少し震えている
まあシカトして帰るけど
電球を変えて、少し眠いので寝ることにした
「……………風太……………風太…………………」
「……………………」
「こんな所でどうしたのかなー? お姉さんに話てよー」
夢か………まだ俺が疑うという事を知らなかった時代、俺はよく泣いていた
「おうちに………帰りたい…………ママやパパに会いたい………」
だが泣いていると必ずどこからか巨乳がやって来る
「あらあら風太は甘えん坊だねー それっ!」
そして泣いている俺を抱きしめ留
昔の俺はHカップという凶器に為す術もなく押しつぶされていた
「ん! ヘレナさん! ちょっと!!」
「大丈夫大丈夫よしよし」
「ヘレナさん……………ぐすっ」
俺が泣き疲れ、うとうとと寝そうになると
「風太………ごめんね、私達が弱いばかりに…………」
今度はヘレナが俺に向かって、まるで懺悔のように泣きついてくる
当時の俺はこの人を悲しませたくないと小さいながらに思い、頑張ったものだ
そして今に至る
「はぁ………嫌なもん見た…………」
俺はカッパを着て、台風の中 コスプレ少女を抱き家に運び込んだ
服が濡れていたから俺の服を着せてやった
意外と着痩せとかはまったく全然しないタイプのようだ
新しい…………
「きゃああああ!!」
朝になり7時位にその叫び声型のアラームによって俺は起こされた
どうやら俺の静かな1人暮らしはコスプレ少女を拾ったことによって壊されたしまったようだ