完結までのあらすじ(※ネタバレ注意)
※「iPhoneゲーム『潜入ゲーム』×『小説家になろう』ライトノベルコンテスト」の応募要項に則し、「完結までのあらすじ」を掲載しています。物語のネタバレとなっておりますのでご注意ください。
ここに依頼をすると「記憶」に関することなら何でもしてくれる――そんな都市伝説じみた組織「夢倶楽部」別名「記憶にまつわる何でも屋さん」。そこに所属する柊と栞の元に、神無月ネネという少女から「記憶を取り戻させてほしい」という依頼が舞い込んだ。
特殊な技術によって開発されたヘッドフォンを使用し、ネネの「夢の中=記憶の世界」へ潜入した柊と栞がそこで目にしたのは「なにもない」記憶の世界と、存在するはずのない「ふたりのネネ」の姿であった。ネネ達は当初の依頼内容を否定し「自分を柊と栞の記憶の世界へ連れて行くこと」を要求する。
夢倶楽部メンバー全員での会議の結果、謎に包まれたネネの招待や彼女の依頼目的を明らかにすべく、リスクがあることは承知の上でネネの要求を聞き入れることになる。順番にネネを自分の世界へ招くことになった柊と栞は、その過程で自分の「封じ込めていた記憶」に触れ自分自身の内面と向き合わざるを得ない状況に直面する。柊と栞が夢倶楽部に所属した理由、忘れ去りたい過去の記憶、そして今抱いている感情。
柊と栞の記憶の世界をネネに見せたことで依頼は達成されたかのように思えたが、最後に再び訪れたネネの世界に柊と栞は閉じ込められてしまう。そこでネネは「自分の記憶を保つことのできない体質」の少女であったことが明らかになる。ネネの記憶の世界が白紙なのは、彼女が記憶を持っていないことが理由だった。人間であれば誰もが記憶の世界に持っていると言われている「アトラクタの箱=重要な記憶をしまっておく入れ物」すらもネネは持っていない。ネネは柊と栞の「記憶」を糧に自分の記憶の世界を存続させようとするが、他人の記憶が上手く馴染むことはなく、結果ネネの記憶の世界は消滅してしまう。
現実世界に帰還した柊と栞は、後日現実世界でのネネと対面する。何も憶えていない無垢な少女となっていたネネに柊は自分たちとの繋がりを思い起こさせるような「カケラ」を手渡し、彼女がこの先少しでも記憶を取り戻せるようになることを願うのだった。