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悪魔姫は世界征服より昼寝がしたい!  作者: みずほたる
古の悪魔姫は仕事量が多い
30/42

魅惑の女王、カットされる

「お主がティンカーベル国と貿易を担当している商人じゃな。代金を受け取らず商品を渡して帰って来たという愚か者め」


「はい。この度の件。誠に申し訳ございませんでした。俺の命一つで許して下さい!」


「さて、処遇は最後に決めるとして、その身に纏っている白装束は何のつもりじゃ?」


「死を覚悟した時、これを着よと書物に書いてありましたので」


漫画の影響か。


「まぁ良い。何故代金を受け取らなかった?」


「ミナエモン領は裕福ゆえツケで構わないだろうと突然言い出しまして、悪魔姫を敵に回すつもりか? 国が簡単に滅ぶぞと反論したのですが、生まれたばかりでそんな奴わからんと言われ、女王の目を見たら何も言えず退席してしまいました」


「ふむ」


おそらくティンカーベルの女王とは私と同様に死んで最近この世界に来た日本人だろう。漫画家や西村を見て可能性は高い。


「おそらく女王はサキュバスでしょう。でも人間が支配していたはず。サキュバス特有のスキル、魅了で国を乗っ取ったのでしょう」


「なるほどよのぅ。ならば妾が出向いて代金を徴収しなければならぬな。オカリナ行くぞ。ティンカーベルへ! あとお前は妾が不在の間、城の修復を手伝っておけ」


「深い御慈悲に感謝いたします!」



ティンカーベル国。ナチュラル王国まで馬車で三日。さらに北に五日いったところにあるのだが、私とオカリナとフラット王女のみなので飛んでいくことにした。なおフラットは飛ぶことができないのでオカリナが彼女の背中を掴んでいる。


「私、仮にも王女なのにこの扱い雑過ぎない!? せめておんぶでしょ!」


「背中には大切な鎌がある」


「私、鎌以下なの!?」


「うるさい。途中でナチュラル王国に捨てていってやる。馬車代がういて良かっただろう。たまには里帰りをさせて下さる姫様に感謝こそすれ、文句を言われる筋合いはない」


「オカリナよ。ナチュラル王国が見えたぞ」


「ハッ。フラットよ。たまの休暇楽しんでこい。帰りにまた寄るぞ」


そういうとオカリナは彼女を城に向けてフラットをぶん投げた。


「だから私の扱い雑ぅ!」


またたくまに見えなくなるフラット。


「死なないかの?」


「フラットはこの数ヶ月間、彼女なりに働いて来ました。メンタルはかなり鍛えられているはずです」


「この場合、メンタルは関係ない気がするがのぅ」


なんか城の方からものすごい衝突音がした。


「姫様。彼女はギャグキャラです。次の回には何もなかったかのように再登場するでしょう」


「何その知識」


「漫画ではそう書いてありました」


「あっ、そう」



――ティンカーベル国到着。


砂漠と花畑が混ざったような不思議な土地だった。街並みは華やかなのだが。男はどう見てもごろつき、女は仮面で顔の半分を隠しているが、ほぼ下着で外で勧誘している。


「まるで国全体が歓楽街じゃな。いかがわしい店と酒屋しかないではないか」


「そうですね。この回はゴールデンタイムでアニメ化はできません。PTAを敵に回すことになります」


「そんなことを言っている作品がゴールデンタイムに放送されることはありえないから安心して」


「あぁ。私をフィギュア化してくれるスポンサーは諦めた方が良いんですね」


「お主はさっきから何を言ってるんじゃ。それにしても何となく察してきたわ。水商売の国。それがここなんじゃってオカリナ?」


さっきまで隣にいたはずなのに消えていたのだが、すぐに戻って来た。


「申し訳ございません。卑猥な勧誘を受けましたので抹殺して来ました」


「そんなゴスロリドレスを着てくるからじゃ。そういうのが好きな輩は多いぞ。ま、妾も気をつけなければいかんのぅ。プリンセスドレスはもとより、このチャーミングな妾をほっとく馬鹿はおらんじゃろうしな」


だがその後、ナンパをされるのはオカリナだけだった。その都度抹殺されているのだが。


「気に食わぬ。妾が何故声をかけられぬのじゃ」


「ちんちくりんだからじゃないですかね。あー、でも幼女好きっていると思うんですよね」


「え? 妾ってそういう感じで見られてたの?」


自分で自分を18歳と認識していたが、どうやら私はもっと若く見られていたらしい。


「まぁ姫様。五歳児ですから、さすがに犯罪ですね。ははは」


想像より子供に見られていたことがわかった。それよりもどんな五歳児だよ。


ティンカーベル場内。


「邪魔だ。消えろ」


侵入者を排除しようと、ごろつき兵が襲ってくるが、こいつらみんな酒臭いし、私やオカリナの相手になるわけがない。一瞬でそいつらを切り刻んでは魔法出力で灰にする。


「姫様。雑魚戦などページ数の邪魔です。カットしましょう」


「え? 今回ボス戦あるの?」


「姫様。妄想して下さい。女王はサキュバスです。きっとナイスボディ。話し方は妖魔っていうのがテンプレです」


「テンプレって漫画のでしょ。化粧品代請求して終わりかと思ってたわ。んじゃ、戦闘が面倒だから絶望のオーラ。出力最大で放出するわ」 


私は身体から闇の波動をはなつ。


ごろつき兵はあまりにも恐ろしい気配に泡を吹いて気絶している。


私たちはそんな彼らを無視して女王の間に進む。


「ティンカーベルの女王とやら、失礼するぞ」


中に入ると、


「絶望のオーラで気絶してるな」


「ハイ。ボス戦が終わりました。姫様、見事な勝利です。


「勝った気がせんのぅ」


「ページの都合です。仕方ありません」


「いや。そこまでするかと思っただけじゃ」


私はつい天井を見上げてしまった。


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