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神成学園オカルト部~後ろの正面だぁれ~  作者: 柴 六絽


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1-1

4月某日。


『入学して早々に部活勧誘会があるなんて、面倒だね。日野山さんはもう入る部活決めた?』


『え!あ、うん!決めてある』


前を歩く女の子達、同じ中学の子じゃないから面識も無く話し掛けられるなんて思ってもみなかった。そのせいか、上擦った声で返事を返してちょっと笑われてしまう。へへっと照れ臭くおちゃらけている間に学年集会をする体育館に着いてしまった。先生の綺麗に並べ!整列!と言う苛立ちにも似た大声を聞きながら私も列の中に入る。

校長先生の長いお話を聞いた後で先輩達が体育館に入ってくる。一部、きゃー!!と言う盛大な黄色い声が聞こえた気がしたけど、私には関係ないと下を向く。

既に入りたい部活も決まっており、入学式を迎える前に職員室へと赴き入りたい部活を記入して提出済みだったりする。余りの早さのせいか担当した先生は若干驚いていた気もした。

勧誘説明会を聞くまでも無く、早く部活に行きたい気持ちを抱えたままその時を待つ。


司会進行の先生が次は文化部の紹介で…と続ける。暫くするとまた盛大な悲鳴が聞こえ不意に顔を上げると、そこにはモデル顔負けの生徒が一人壇上に立っていた。その生徒に対して女子生徒は黄色い声を上げ、男子生徒は批難や嫉妬するどころか羨望の眼差しを向けていた。中には微かに頬を染め新しい扉を開き掛けている人間も居たようにも見えた。見えただけと信じたい。

端整な顔立ちの男子生徒の第一声を聞いて目を瞬かせた。


『オカルト部部長の間宮蓮司です。オカルトに関する話をしたり、体験をしたりと想像通りの部活内容となっています』


あー…終わった。

私の内心は酷く沈んだ。平穏な部活ライフと思っていたものが崩れた瞬間だった。私が先生に提出した入部届は<オカルト部>

まさに今説明されている部活だ。本来は説明を聞きながら心が躍るのかも知れない。だけど、目の前で説明をしている部長があまりに異質で人が群がる部活になるだろうなと暗に想像出来てしまった。


『副部長の武石美郷です、質疑応答は私が務めます。何か部活動に関して質問がある方は居ますか?』


部活動の説明を終えた部長が一歩下がり、副部長だと言う笑顔の女子生徒が声を掛けるが先程までの騒がしさもなくシーンと静まり返る体育館。

見ていてあからさま過ぎてちょっと可笑しくなってしまった。他の部活は部長がそのまま質疑応答に応えていたが、もしかしたら今までの反応から質疑応答にならないと判断しての副部長とバトンタッチなのかも知れない。


『無いようですので以上で終わります』


体育館を一周見回してから軽く会釈をして部長と共に後ろへと下がっていった。

周りの女子生徒は、もっと見たいと背伸びをしたり列の横にズレて少しでも顔を見ようと懸命にしていたが、私は毎日見ることになるんだろうなとそんな女子生徒を横目に視線を逸らした。


全ての部活動の説明が終わり説明会はお開きとなった。その際も先輩方が帰って行く体育館の出口側では大きな歓声が響く。

こんな中で私は毎日平穏に部活が出来るんだろうかと肩を竦めた。

体育館から教室に戻る最中にまた先程の女子生徒に話し掛けられた。


『さっきの先輩格好よかったよね!!私もオカルト部に入ろうかなって思って、体験入部してみようかな。日野山さんはどの部活か決めてあるんだよね?』


『ん?あ、うん!そう』


先程と同じような返事になってしまったが、質問してきた女子生徒は既に別の友達に話し掛けている様子だった。私の前を行く生徒達は、浮き足だって体験入部するならオカルト部だよねー!と嬉々として語り合っていた。

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