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青春っぽい感じ~1枚目の栞~

作者: 大和

利用規約


過度でなければアドリブ入れても大丈夫です。

演じる側と聴く側が楽しんでもらえたらそれが一番なので!

【あらすじ】


青春っぽい感じの1頁前~2頁の間


空と蘭花の馴れ初めシナリオとなってまいます。

内容的には単体でも機能するようにはなっていますが

本編の1~3を読んでからでも面白いかもしれません。



蒼井(あおい) (そら)

蘭花の彼氏だが今作はその馴れ初めの話

1年の時、あるきっかけで元々気になっていた

森山 蘭花との縁が出来るが、

距離を縮めようとするところで、蘭花の友達の

五十嵐 咲から怪訝に扱われ

その際に自分の噂の事を耳にする


森山(もりやま) 蘭花(らんか)

今作のヒロイン

母親の再婚がきっかけで家に帰りづらくなった少女

以前からの友達の咲に甘え、

極力家に帰らないで済むように過ごす

空と出会い、咲と3人で僅かながらに

満たされた時を過ごしていたが…

※Nは現在の蘭花のナレーション

Mは当時の蘭花のマインドです


五十嵐(いがらし) (さき)

蘭花とは今の学校以前からの友達

見た目はギャルだが成績は優秀

蘭花の家庭事情は知らないものの

何かしらの事は雰囲気で察しており

蘭花に近づいてきた空を、最初は警戒していたが…

自分のやりたい事を真っすぐ見つめ進む女の子


・おどおどするカフェ店員M

本編2頁目に登場する店員の女の子

咲役が担当




配役 ♂1:♀2




蒼井 空♂

森山 蘭花♀

五十嵐 咲・店員♀





本編





〈現在〉


蘭花「でね~、後輩の楓くんの恋路を応援してたんだけど

   あの子も大分(こじ)れてたんだよね~

   でも、こうやってみたら~って事を実践したら

   無事にカップル成立したってわけなの」


空「お~!さすが蘭花だな

  じゃあさ、今度皆で集まって

  トリプルデートとかしても良いかもしれないな」


蘭花「あ~、いいねいいね!

   遊園地、キャンプ、水族館や食べ歩きもいいなぁ~」


空「これから夏が来るし

  色々楽しい事が目白押しだぜ!」


蘭花「うんうん!楽しみだなぁ~」


空「ってか、後輩の相談事とかちゃんと見てるんだな

  蘭花もいよいよ、

  しっかり者のお姉さんになってきたな」


蘭花「…………」


空「ん?どうした?ボケーっとして」


蘭花「ん?んーん!

   そっか…お姉さんになれてたのか~…」


空「ん?」


蘭花「空くんは気にしないで良いの!

   って、あれ?ココって…」


空「ん?あ~、何となく歩いてたけど

  やっぱ、ここに来ると懐かしく感じるよな」


蘭花「あの時は空くん何してるの?!って

   恥ずかしいし、ホントびっくりしたんだからね?」


空「あはは、なんか色々考えて焦ってたら

  そうなっちゃったんだからしょうがないさ」


蘭花「今となっては良い思い出だけどね~」


空「あの時はなんか必死だったっていうか

  今しかない!って感じだったからなぁ~」


蘭花「それがキッカケでこうして付き合えてるんだし

   結果オーライなんだけど…

   あ~!やっぱり思い出すと恥ずかしい~~~~!!」


空「あはは、あの頃に比べると蘭花も大分変ったよな

  今は元気で明るい可愛い女の子だけど、当時は~」


蘭花「あ~あ~!!もういいじゃない!

   忘れよ~よ~!!!」



蘭花N『1年の最後の頃にママが再婚した

    それがキッカケで私は家に居る時間を

    減らして、2年になってからは

    夜な夜な色々な人と遊び歩き

    メンタルが弱っていた時期だった…

    これは、1年の最後からの話』






〈高校1年の3学期・学校の廊下にて〉


蘭花M『新しい義父さんと私は上手く接せられていない

    ママとも、元々仲が良かったのに

    再婚してからはなんか知らない家って感じがして

    家に居づらくて外で過ごしてばかりだから

    あまり話せてない…』



蘭花「あ~あ…、今日は誰も家に居ないから久々に

   家に居られると思ってたのに、

   なんで忘れ物なんかしちゃうかな…

   もうほとんど生徒も帰っちゃってるし…

   暗くなってきたからさっさと回収して

   帰ろっと…

   ……あれ?

   なんで教室の電気ついてるんだろ?

   ???

   最後の人が消し忘れたのかな

   でもなんか誰か居る気が…

   ねぇ、誰かいるの?」<教室の扉を開ける>


空「うわっ!」<扉が開いてびっくりする>


蘭花「っ?!」


空「もう誰も居ないと思ってたから

  扉開いててビックリしたわ~…」


蘭花「あ…うん、ごめんね

   えっと…同じクラスの…蒼井…くん?」


空「あ、あ~、森山さんか!

  こんな時間まで残ってたの?」


蘭花「ううん、忘れ物しちゃったから

   取りに戻ってきたんだよ

   蒼井くんは部活で?」


空「まぁ部活っちゃ部活だけど

  運動部のやつに助っ人頼まれて

  なんだかんだしてたら

  こんな時間になっちゃったんだよね」


蘭花「そ、そうなんだね…。着替えてる所

   邪魔しちゃってごめんね」


空「別にいいよ、もう終わったし

  森山さんって電車だっけ?

  もう遅いから、何だったら駅まで一緒に帰る?」


蘭花「あ~…。私はこの後まだ用事あるから…

   ごめんね」


空「そっか、それじゃあまた明日ね

  気を付けて帰るんだよ~」


蘭花「う、うん

   また、ね…」


空「ほーい」


蘭花M『蒼井くんってアノ噂の…だよね…』



蘭花N『この時、まだ空くんと私は接点が

    同じクラスって位しかなくて

    しかも女好きって悪い噂まで流れているから

    当時の私はちょっと怖がってたりしたんだよね

    次の日に前の学校から友達の咲に話したら…』



咲「え?蒼井と教室でばったり会ったの?

  大丈夫だった蘭

  変な事とかされなかった?」


蘭花「う、うん。

   特に何もなかったよ?

   その後は別々に帰ったよ」


咲「ほっ…。マジアイツは女だったら

  なんでも良いって話聞くし

  蘭なんてメチャかわなんだから気ぃつけなよ?」


蘭花「でも、ちょっと話した位だけど

   そんな風には見えなかったかな…」


咲「あ~、蘭はまだそういうのわからないんだね~

  よしよし、はぁ~あ…

  あ~しはマジ心配だよ~」


蘭花「私そんな子供じゃないよ~…」


咲「あはは、ごめんて~

  ん?はいはーい!どったの?

  あ~、何々~?彼ピの話~?

  いいよいいよ~聞く聞く~

  蘭、ちょっちまってて~」


蘭花「あ、うん」


咲「はーい、どったの~?

  うんうん、あ~なるほどね~

  男子って重そうな話題になると

  めんどくさがる事あるよね~

  こっちは真剣に聞いてんだ!って~のにさ~

  そぉそぉ!メッチャわかるわ~!

  あ!そ~だ!今度みんなでどっかに集まって

  愚痴パーチィーしよ~よ!

  日頃の溜まったもん、ぜーんぶ出し切っちゃお?」


蘭花M『なんかこういうのって、憧れるなぁ…』


咲「あはは、良いって良いって!

  じゃあさっきの話、考えておいて

  うん!またいつでもおいで~」


蘭花「ぁ、終わったの?」


咲「うん、あ~しってなんか、悩みとか色々と

  相談されることなんか多いんだよね~」


蘭花「信頼されてるんだよ」


咲「まぁこ~いうの嫌いじゃないし

  進学する前からよくあったしね~」


蘭花「私はそういうのないからなぁ…」


咲「蘭もそのうち後輩から相談受けることあるかもよ~?」


蘭花「え…いやそういう経験少ないから無いって」


咲「別に恋愛じゃなくてもいいって

  頼ってもらって自分が力になれそうな事だったら

  一緒に悩んであげたりするだけでも

  相手は助かったりするもんなんだしさ~」


蘭花「ま、まぁ…そういう機会があれば、ね?」


咲「蘭ならきっと良いお姉さんポジになるっしょ!

  知らないけど!」


蘭花「何よそれ~!」


咲「あはは!」


空「あの、森山さん」


蘭花「あ…、蒼井君…

   どうしたの?」


空「いや、この間結構遅かったから大丈夫だったかなって」


蘭花「う、うん何もなかったよ

   ありがと…」


空「そっかそっか、次は忘れものしないように気を…」


咲「あのさ~」


空「?!えっと…五十嵐さんだっけ?」


咲「蘭と話してる所だったのに何いきなり入ってきてんの?」


空「あ~、そうだったのかごめん

  気付かなかったわ…」


咲「つか、もう用終わったんっしょ?」


空「お、おう

  まぁ次は気を付けてね、森山さん」


蘭花「う、うん」



咲「あ~マジ気分萎えるわ~

  きっとアイツ今みたいに女の子に近づいて

  手~出してんじゃないの?」


蘭花「そう…なのかな?」


咲「そうっしょ、アイツが蘭見る目が

  獲物を狙ってる目だったし」


蘭花「それどんな目よ」


咲「え~?こんな目?」


蘭花「何その目~全然違うじゃん~」


咲「あはは、結構いけてると思ったんだけどな~」


蘭花「もう~」


蘭花N『咲は私が家に帰りたがらない事も

    深くは聞いてこないし、いつも私を笑わせてくる

    クラスでも人気のムードメーカー的なポジションで

    友達作りが得意じゃない私には憧れの友達なんだよ

    そんな友達がふざけながらも気をつけろって言うから

    私も余計警戒しちゃったよね

    その日の帰り』


<靴箱前>

空「あ~…部活疲れた~…

  なんで演劇部なのに運動部みたいな筋トレやるんだよ…

  まぁ鍛えられていいけど…」


咲「なぁ蒼井~」


空「ん?五十嵐さん?

  何か用??」


咲「アンタは気にしてないんかもだけどさ~

  蘭にあんま近づかないで欲しいんだよね~」


空「は?いきなり何…」


咲「適当な口実見つけて

  言い寄ろうとしてんのを止めろっつってんの」


空「いや…別にそんなつもりは…

  ただ可愛い子だから心配しただけで…」


咲「それが余計なお世話だっつーの

  蒼井みたいなのに絡まれたら

  蘭が怯えちまうから」


空「俺みたいって俺は何も…」


咲「蒼井の女関係がやばいって

  噂かなり回ってるから」


空「っ!…噂ってなんだよ」


咲「あーはいはい

  そういう知らないアピとか良いから

  まぁ、忠告はしたかんね

  あの子になんかあったら

  あ~し、アンタの事許さないから

  んじゃね」


空「……」


<咲が校門の方で蘭花と合流>


蘭花「咲、蒼井くんと何話してたの?」


咲「んーん、ちょっち授業の事をね~」


蘭花「ふーんそっか~

   今日はどこか行く?」


咲「そ~だな~、マック行ったり

  ゲーセンでプリ撮ったりする~?」


蘭花「いいね~行こ行こ~」


咲「そういやこの前さ~…」



蘭花N『他愛もない話をしながら

    どこかで時間を潰して咲の家に行く

    この頃は、いつもこうやって

    時間を埋めていたんだよ

    咲が居なかったら私はどうしてたのかな?

    まぁ、この後マックを食べようとお店に行ったら

    数人の男の人にナンパしつこくされたんだ』


<帰り道>


空M『言い寄ろうと、か…

   別にアイツに関係ねぇじゃんよ…

   ってか噂ってなんだよ…

   すげぇモヤモヤするな~…』


空「ん?あれって

  五十嵐さんと森山さん?」


咲「いやいや!あ~し等別に

  そういうの求めてないんで~

  ナンパとか別を当たってほしいな~みたいな?」


蘭花「ぁ…ぅ…」


咲「ちょっ、その子に何してんだよ

  止めてって…」


空「何やってんだよ、あんた達」


咲「え?蒼井?」


空「よっ!中々来ないから迎えに来たぞ~

  もう皆現地で待ってるから行こうぜ?

  あ~、って事で用事あるんで

  ほら、行こうぜ」


咲「あ、うん…

  蘭、行こ?」


蘭花「うん……」


空「………………」


咲「………………」


空「悪かったな…」


咲「ん?なにが?」


空「いや、さっき言われたのに

  こうなっちゃってさ…」


咲「いや、しょーじきマジ助かった的な感じだからさ

  別に今回のは気にしてないってか

  素直にありがと」


空「なら良かった、ある程度離れたら俺は帰るからさ」


咲「うん

  蘭も怖い目合わせてごめんね

  …?

  蘭?」


蘭花「ごめん…なんか、ちょっと気分が……」


咲「ちょっ!蘭?!」


空「え?森山さん?!

  大丈夫?!どうする?病院とか行くか?!」


蘭花「ううん…大丈夫、ちょっとクラクラするだけだから

   少し休めばよくなると思うし」


咲「って言ってもこんな道の真ん中で休める所なんて…」


空「あの…さ…」


咲「なに?」


空「うちこの近くなんだけど、一応休めるかな…と」


咲「いや、それは…」


蘭花「うぅ……」


咲「あ…ん~……」


空「どうする?マジで辛そうだけど…」


咲「あ~~!!わかったよ!

  案内して」


空「お、おう!五十嵐だけだと

  連れていくの大変だろうし、おぶるから

  森山さん嫌かもだけど、ごめんね」


咲「変なとこ触ったら殺すかんな」


空「具合悪い人にそんな事するかよ

  アホ言ってないで行くぞ」




蘭花N『今じゃ考えられないかもだけど

    当時は男の人があまり

    得意じゃなかったんだよね

    まさか具合悪くなるとは思ってなかったけど

    気が付いたら空くんの家で寝てたんだ』




<蘭花をベッドに寝かせる>

空「一先ずこれで安心だな

  森山さん、何か欲しいものある?」


蘭花「ぅ~……」


咲「とりあえず安静にさせとこ?」


空「そうだな」


咲「……」


空「……」


咲「ありがと」


空「ん?いや気にすんなって

  こういう時はしゃーないだろ?」


咲「うん…」


空「どうしたんだよ」


咲「いや、あんなこと言った後にだったから

  こうやって頼ってるのが、なんか情けないなって、さ…」


空「良いよ別に、困った時はお互い様だろ?」


咲「うん、ありがと…

  ぁ~…ってか、蒼井の家って金持ちなのな

  入口の門もマジデカかったし、

  つーかココ何?家の敷地の中に

  もう一戸家があるとか意味不なんですけど~」


空「金持ちなのは親が、な?

  ここは離れで俺の部屋ってか

  家として使わせてもらってる感じだよ」


咲「マジヤバなんですけど…

  チョーうらやまだわ…」


空「全部自分でやらないとだから大変だぞ?」


咲「ほぇ~…」


空「あの、さ…」


咲「ん?どったの?」


空「俺の噂の話聞いてもいいか?」


咲「あ~、え?マジ知らないの?

  別に話すのはいいけどさ~

  マジで良い話じゃないよ?」


空「それはあの反応見てたら何となく察してる

  でも、どんな噂なのかは知っておきたいっていうか…」


咲「ふ~ん、じゃあ話すけど

  ほら、アンタが前に付き合ってた子居たじゃん?

  その子が話してた事なんだけどさ

  蒼井は付き合う前は優しかったのに付き合った後は

  ヤる事ばっかりで、たまたま家に行ったら別の女と寝てたとか

  ほとんどデートに行かないでいつも家ばっかりで

  デート代も全部その子に出させて、

  自分からは出したこと無いとか

  とりま、こんな感じの噂が流れてたかな~」


空「はぁ……なるほどな…

  そんな事になってたのか…」


咲「だからアンタが蘭と絡みがあった~って聞いた時

  マジヤバ、アイツ蘭にもかよ!って思ったよね~」


空「それは…まぁ、そう思うだろうな」


咲「ぶっちゃけなんだけどさ、ホントはどんなだったん?」


空「ホントは?」


咲「いやさ、あんま絡んだ事無いからわからないけど

  今日の事も、蘭との教室での話もだけど

  噂に聞くような奴に見えないんだよね~

  ま、あ~しの勘だけど」


空「勘かよ…

  まぁさ、あの子とは普通に付き合ってたつもりだよ

  デートも割り勘だったし、

  もちろん家にも連れてきた事はあったけど

  俺結構バイト入れてるから大体は放課後デートで

  どこかでお茶したりする事が多かったかな?

  あっちは良い印象無いみたいだけど…

  俺は大事にしてたつもりだったよ」


咲「ふーん、まぁうちら学生なんだし

  それが普通だよね~

  ってか、なんで別れたん?」


空「付き合って2か月した位であっちから別れたいって

  お金あるのにケチな所が嫌だって言われてな」


咲「いや、意味不なんですけど…

  デート割り勘で普通に遊んだりもしてたのに

  ケチってなんそれ」


空「多分だけど、うちの母屋とココの離れを見て

  俺に金があると思ったんだろうな…

  実際親は会社経営しててそれなりに稼いでるし…

  あ~…そういえば前の学校の時にも

  彼女じゃないけど、友達と思ってた奴に

  同じように言われた事があったな」


咲「実際ん所は?

  お小遣いとかメッチャもらってたり?」


空「金を持ってるのは親で小遣いは貰ってないよ

  俺は自分でバイトした金で暮らしてるからさ

  そんなに俺自身は持ってないんだよ

  もちろん家賃とか水道光熱費はかかってないけどさ」


咲「じゃあデート代とか遊び代って」


空「俺が自分で稼いだ金だな

  親に言えば多分出してはくれる、と思う…けど

  俺は自立して自分の事は自分でやっていたいから

  甘えるのは簡単だけど、それじゃ自分のためにならないしな」


咲「なんていうか蒼井ってさ~」


空「ん?」


咲「大人~って感じの考え方してんだね~」


空「なんだそりゃ」


咲「まぁ、噂に関しては何となくわかった

  今度ちゃんと確かめてみるから

  嘘ついてたらマジオコだかんね?

  蘭にちょっかいかけるのも良いけど

  変な事したら…」


空「はっ?!いやいやいや、しないから!

  多分…」


咲「多分ってなんだし~!」


空「いや、ほら…

  まぁ…、気になってはいるから、さ…

  って言っても噂で怖がられてるから

  進展しないだろうけどな」


咲「やっぱり気になってんじゃん~」


空「そりゃあ…

  いや!別にいいだろ!」


咲「ん?いいんじゃない?

  こういうのって

  あ~しが何言っても変わるもんじゃないし

  どっちに転ぶにしろ見守っててあげるよ」


空「おう…

  あ~、ってか腹減ってないか?

  飲み物とか食べもんあまりないから

  ちょっと買ってくるよ」


咲「サンキュー、あのナンパのせいで食べ損ねたから

  実はメッチャ減ってるんだよね~

  あ、お金渡しておくよ」


空「とりあえず今日はいいよ

  森山さんの事頼んだぞ」


咲「任せといて~」


空「んじゃ行ってくるわ~」


<蒼井外出>


咲「まぁ、とりま信じてもいいのかな~」


蘭花「ん……、咲?」


咲「あ、起きた~?気分はどう?

  気持ち悪いとかない?」


蘭花「うん、寝てたら少し良くなってきたかな

   それより、ここってどこなの?」


咲「蒼井ん家だよ

  ナンパに絡まれた後、蘭が気分悪くなっちゃって

  そこに、たまたま蒼井が来てさ~

  蘭を休ませる為にここに来たって感じだね~」


蘭花「え?蒼井くんの家なの?!

   だ、大丈夫なのそれ……」


咲「あ~、あの噂の件は勘違いみたいな?

  色々あって悪い噂が流れた~みたいな感じっぽい

  今度アイツの元カノに聞いてみるけど

  確かに噂とは違う感じだし、噂がデマっぽいかな~」


蘭花「じゃあ…蒼井くんが女の子にだらしないとかそういうのも」


咲「多分ないっぽい

  どうもあの噂って変な感じしてたんだよね~

  今はそんなことより

  横んなってやすんでな~」


蘭花「うん…

   そういえば、蒼井くんは?」


咲「なんか食べるものと飲み物買ってくるって

  ちょうど蘭が起きる直前に出てったよ~」


蘭花「あ、そうなんだ

   なんか蒼井くんにも迷惑かけちゃったな…」


咲「良いんじゃん?

  多分本人は喜んでると思うし」


蘭花「???

   なんで喜ぶの?」


咲「まぁまぁ、気にしなくて良い事だからさ~」


蘭花「???」


蘭花N『色々な情報が入ってくるし

    体はだるいしであまり深く考えられなくてさ

    横になりながら話をして空くんが

    帰って来るのを待ってたんだ』


空「ただいま~」


咲「おっか~」


空「おっ、森山さん起きたんだ

  気分はどう?」


蘭花「うん、おかげ様で大分いいよ

   ありがとうね、蒼井くん」


空「あ、いや全然!!

  お礼言われるような事じゃないって

  ってかお腹空いてる?」


蘭花「ちょっとは?」


咲「はーい、あ~しは空いてる~!」


空「そりゃよかった、

  店頭で買うと半額だったから

  ピザ買って来たんだ、皆で食おうぜ

  あ、飲み物も適当に買って来たから好きなの飲んで」


咲「お~!やった~!」


蘭花「ホントにいいの?蒼井くん」


咲「いいのいいの~

  ピザは熱いうちが一番美味しいからね~

  ん~!!うまぁ~」


空「お前が返事するのかよ!

  ってかもう食ってるし…」


咲「え?な~に~?」


空「なんでもねぇよ…」


蘭花「なんか、私が寝てる間に二人とも

   大分仲良くなってない?」


空「いや、特になんも変わってないと思うけど…」


咲「そーそー、ピザはワイワイ食べるものだよ~」


空「お前はピザの話しかしてねぇじゃねぇかよ!」


咲「美味(んまぁ)~」


蘭花「ふっ…あはは」


空「ほら、森山さんも冷めないうちにどうぞ」


蘭花「ありがとうね」


空「う、うん」


蘭花N『その後、咲が空くんの元カノに確認した…というか

   ほとんど喧嘩腰だったみたいだけど…

   噂は作り話でちょっとした

   嫌がらせのつもりだったとの事

   ホント女の子って怖いよね~、あ~いやだいやだ~

   あ~、それから三人で良く遊んだりするようになって

   私達も1年のラスト、学年末考査をうけてたんだ』


<学年末最終日>

咲「おーい空ジロー」


空「俺は天気予報のキャラじゃねぇよ」


蘭花「あのね、学年末終わった記念でカラオケに行くんだけど

   蒼井くんも一緒にどうかなって」


空「お~!良いね!行く行く」


咲「ところで空は赤点とか大丈夫そうなん?」


空「まぁギリギリのアウトよりなセーフじゃね?」


咲「ギリギリのアウトよりのセーフって

  アウトなの?セーフなの?」


空「そういうお前はどうなんだよ

  まぁ何となくわかるけどさ」


蘭花「あ、蒼井くん!それ聞いたらダメ!」


空「え?」


咲「ふふ~ん、よくぞ聞いてくれたね~!

  自己採点だけど今回も1位は確定だね~」


空「は?今回も?

  あ~、下からか~」


咲「何言ってんの?

  そんなん上からに決まってるっしょ~?」


空「……。

  その見た目でそれは詐欺じゃねぇの?」


蘭花「咲って見た目は遊んでて勉強してなそうに見えて

   実は頭メチャメチャいいんだよ」


咲「偏見よくな~い!

  こう見えてメチャガリ勉だかんね、あ~し」


空「納得できねぇ……」


蘭花「まぁまぁ

   ほら、二人とも行こうよ」


咲「よ~し今日はメチャアゲアゲで歌うぞ~!!」


空「ってかさ、俺と一緒に居て二人は大丈夫なのか?」


蘭花「大丈夫ってなにが?」


空「いや、ほら…噂が、さ…」


咲「ん?あ~アレはもう大丈夫っしょ」


蘭花「咲が噂を流してた子に色々問い詰めたらしくて

   嘘だったっていうのが分かったみたいでね

   そのうち噂も消えると思うよ

   でも、アレはかわいそうだよ咲…」


咲「何言ってんのよ

  人を貶める奴のが悪いっしょ

  泣いて許されるのは子供までだかんね」


空「素直にお礼が言いづらいんだけど…

  ま、まぁありがとな」


咲「良いの良いの、この間のピザのお礼みたいな?

  感じだからさ

  そういや、明日休みだし、

  カラオケの後、空ん家でお泊り会する?」


空「あ?!いや…」


咲「ちょうど蘭の家誰も居ないみたいでさ~

  あ~しもちょうど暇してたからいいっしょ?」


空「良いけど…俺も男なんだからもうちょい危機感をもって…」


蘭花「蒼井くんはそういう事しなさそうだから信用してるよ?

   ダメ、だったかな?」


空「全然!ダメじゃないです!」


咲「んじゃ決定~!」


空「お、おう…」







咲「やっぱ我が家が一番だわ~…」


空「何が我が家だ、ここは俺ん家だからな?

  自分家みたいに(くつろ)ぎやがって…」


蘭花「咲はどこの家でもこんな感じだから

   気にしてもしかたないよ」


空「お前なぁ」


咲「細かい事気にしないの~

  ってかお腹いっぱいになったら眠くなってきたわ~

  空~、布団出して~」


空「あ~…はいはい…

  ってか二人はベッド使っていいんだぞ?

  来客布団は俺が使うし」


蘭花「あ、いや…それはいいや…」


咲「いや~!あ~しってメチャ寝相悪くてさ~

  前に蘭と一緒に寝た時に

  蘭を床に落としたことあんだよね~

  メッチャウケるでしょ、あはは!!」


空「あ~…じゃ、じゃあベッドは森山さん使って

  咲は布団で俺はソファーで寝るからさ」


蘭花「蒼井くんがベッド使っていいよ?

   私がソファー使えばいいからさ…」


空「いやいや、女の子にそんな事させられないから

  つか咲!そこどかねぇと布団敷けないだろ」


咲「はいはーい、ごめんよママ~」


空「誰がママだ!」


咲「あはは、蘭もそう思うよね~?」


蘭花「しっかりしてるよね蒼井くん」


空「…………」


咲「はぁ~…

  あ、そ~だ!こんなの持ってきたんだけど

  やってみない?」


空「ん?」


蘭花「本当のアナタを見つける心理テスト?」


咲「そそ!面白そうだったからさ~」


蘭花「いいよ~、眠いから少しだけだよ?」


咲「はいはーい

  んじゃあコレやってみようか

  次のイラストを見て

  直観的に次のどれに見えるか答えてください

  1.テーブル

  2.硬貨(お金)

  3.クラゲ

  4.お月様


蘭花「ん~…私は3のクラゲかも」


空「俺も3番かな」


咲「あ~しは4番っと!

  じゃあ結果を見てみようっか

  何々~?

  この問題からわかるのはアナタの思ってる

  コンプレックスです」


空「コンプレックス?」


咲「蘭と空が選んだ3番はっと…

  形がクラゲに見えた人は、

  自分の体形にコンプレックスを持っているかも。

  これは過去も含めて自分の体形が

  他の人より劣っていると感じていた、いる事があるかも

  この選択肢を選んだ人は、悩みを抱えやすい傾向も

  何かうまくいかないことがあると「自分が悪いんだ」

  と思い込んでしまう節が。


蘭「うっ……」


咲「蘭はなんとなくわかるけど、

  空って別に太ってるわけでもないよね?」


空「…………」


咲「ん?どったの?」


空「い、いや

  ほら、次お前のだろ」


咲「え~!気になるじゃん!

  もぉ~…、えっと4番のお月様を選んだあなたは…

  …………」


蘭花「どうしたの?」


咲「形がお月様に見えた人は、

  恋人が出来ない事にコンプレックスを持っているかも…

  あなたから見て、性格のいい人、見た目が気に入る人が見つからず

  悲しい気持ちになってしまうことはないでしょうか…

  あなたは自分が優れていると思っている自信家なので

  相手の悪いところばかり見えてしまって、

  中々進展出来る相手と巡り合えていないのかもしれません……」


空「お前って自信過剰な所あるもんな…」


咲「う、うるさいなぁ!!!

  良いじゃん!あ~しは慎重に相手を探したいだけなんだよ!!」


空「はいはい、そうですね~」


咲「うぅぅぅぅ~!!!

  蘭も黙ってないでなんか言ってよ~!」


蘭花「ん…うん…」<眠そう>


咲「あ~…。こりゃおねむみたいだねぇ~」


空「大分今日ははしゃいだからな

  あ~ほら、ちゃんとベッドで寝なよ?

  風邪ひいちゃうし」


蘭花「うん……」


咲「やっぱママじゃん」


空「うっせ」


咲「ふぁ~あ…あ~しも眠いから電気けして~」


空「ほいほい

  俺はベランダ行くから先に寝てていいぞ」


咲「ふぁ~い…」



空「……

  ふぅ~…」<煙草を吸う>


咲「アンタ、やっぱ不良だったのな」


空「っ?!起きてたのかよ…ビックリした…

  別に不良じゃねぇよ、ただ煙草吸ってるだけだろ」


咲「ま、別にいいけどね~」


空「………どうした?寝付けないのか?」


咲「ん~、今日はありがとね」


空「改まってどうしたよ」


咲「いや、蘭ってあんま家に帰りたくないっぽくってさ

  前までうちに泊まったりしてたんだけど

  やっぱり頻度が多いからあ~しの親も心配しちゃって

  毎回は厳しくなってたからさ~

  空ん所で泊めて貰えて助かったな~って?」


空「まぁ、人それぞれ家庭の事情ってのがあるだろうからな

  俺の所で良ければまた使ってくれていいぞ」


咲「あはは、マジ空って甘すぎっしょ

  だから他人に調子乗られちゃうんじゃない?」


空「余計なお世話だっての」


咲「ま、これなら

  あ~しが居なくなっても

  蘭が辛い思いしなくて済むのかな」<小声>


空「ん?なんか言ったか?」


咲「タバコの煙が煙たいって言ったの~」


空「悪かったな、文句あんなら部屋に入って寝ろ」


咲「はいはい~、健全なあ~しは寝ますよ~だ」


空「ったく…

  ホント騒がしいやつだな…」







咲「いや~見事に3人同じクラスになったね~」


空「家でもここでもお前の顔見るとか、どっと疲れるわ~」


咲「何その言い方なんかえっちぃ~ぞ~

  空ったら…朝から盛りすぎじゃない?」


空「ばっ!んな話してねぇだろ!」


蘭花「あはは、2人とも今学年もよろしくね」


咲「もちもち~!」


空「こっちこそよろしく」


蘭花「あ~あ、もう2年なのか~

   なんかまだ気分は1年なんだけどね~」


咲「確かに~(ニヤッ)

  ココ(・・)とかまだまだ成長段階だもんね~」<胸を揉む>


蘭花「ちょっと!何してるのよ~」


空「はぁ~…」


咲「どったの空っち、そんなボーっと見て

  あ~!蘭の慎ましいここに触れるのを見て

  羨ましがってんの~?

  えー、でも~

  さすがに空っちには触らせられないかな~」


蘭花「…」


空「いやいや!ちげぇよ!!

  森山さんに俺の変なイメージつけんなっつーの!」


咲「え~じゃあ触りたくないの~?」


空「うっ……」


咲「ほれほれ~」


蘭花「……咲?」


咲「ん~?どうし……」


蘭花「そろそろ、怒るよ?」


空「危険な空気を感じた蒼井 空はクールに去るぜ…」


咲「あ…ちょっ空!逃げやった…」


蘭花「さ~き~~!!!」


咲「あ、あはは…調子に乗りすぎちゃったかな~

  てへっ…」


蘭花「もぉ~…

   女子だけで話してたわけじゃないんだからね!」


咲「あはは……

  そ、そういえばさ~!

  去年同じクラスだった子が

  良い時間つぶしって感じで

  春休み中にマチアプでパパ活してたらしくて

  もう普通のバイトとかやってらんない~

  って言ってたんだけど

  普通に考えてヤバイから、やめときって言ったのに

  全然話聞いてくんなくってさ~」


蘭花「へぇ…マッチングアプリとかって使った事無いけど

   そんな感じで使う人も居るんだね…」


咲「蘭は絶対やっちゃダメだかんね?

  ロリ好きなおっさんに騙されて

  あんなことやこんなことされちゃうんだから」


蘭花「何アホな事言って……って!

   私はロリじゃないからね!」


咲「じゃあ蘭、ちょっと立ってみてよ~」


蘭花「嫌っ!」


咲「え~なんで~?ただ立つだけでしょ~?」


蘭花「どうせ私の身長弄りたいだけでしょ!!」


咲「いや~たまに蘭の顔を胸に抱きかかえたくなる衝動が~」


蘭花「あ~はいはい、どうせ私は小さいですよ~だ

   咲にはもう絶対抱き着かせてあげないんだからね!」


咲「そんな事言ってても、

  抱きしめさせてくれる蘭が好きだよ~」


蘭花「はいはい

   あ、私授業始まる前にお手洗いに行ってくるね」


咲「あいよ~ってら~」


空「お?終わったのか?」


咲「う~わっ、薄情者め~

  ってか空さ~」


空「ん?なんだよ…」


咲「包み込めるサイズの蘭は

  小さくて抱きしめたくなるっしょ~?」


空「ばっ!何言ってんだよ!!」


咲「早いところ告っちゃわないと

  誰かに取られちゃうぞ~?」


空「声がデカいっての!!

  誰かに聞かれたらどうすんだよ…」


咲「え~もうバレッバレだと思うけどな~」


空「…んなに…」


咲「え?何々?」


空「そんなに出てるのか、俺……」


咲「メチャ?ってかもうシュキ過ぎてやばみ~!

  って顔してる」


空「うっ……」


咲「ま、あ~しは空の照れ顔より

  蘭のぷりぷりの方が好みだからチェンジで」


空「てめぇ…」


咲「でもマジな話さ~

  そろそろ言ってもいいと思うんだよね~」


空「そりゃ…俺だってタイミングさえあれば…」


咲「お?言ったな~

  じゃあ今日2人で帰れるようにしたあげるから

  頑張ってきなよ~」


空「はっ?!きょ、今日?!

  いや…今日は」


咲「え~?用事でもあるん?」


空「いや、ねぇけどよ…」


咲「ダメだったらダメで残念会すればいいっしょ

  男だったらキメる所キメなよ~」


空「え…あ…」









蘭花「咲ってば、忘れ物したとかで

   先に蒼井くんの家に行っておいてとか

   しっかりしてるのか抜けてるのかホントわからないよね~」


空「そ、そう…だね…」


蘭花「??

   蒼井くんどうしたの?何かあった?」


空「ううん!何もないよ!!

  いや~マジ困ったやつだよな咲の奴」


蘭花「だよね~」


空「…………」


蘭花「あれ?家に行く道こっちだったっけ?」


空「…………」


蘭花「蒼井くん?」


空「な、なぁ…森山さん…」


蘭花「ん~?何?」


空「お、俺…あの…」


蘭花「??」


空「森山さんの事が…その…

  気になってて…」


蘭花「え…?」


空「その…良かったら俺と…

  ……って欲しい…」


蘭花「ごめん、ちょっと聞き取れなかっ―」


空「俺と付き合って欲しいんだ!!」


蘭花「っ!?ちょっ声が…

   皆見てるから…」


空「あ…ご、ごめん…」


蘭花「………」


空「………」


蘭花「私でいいの?」


空「森山さんじゃなきゃダメだ」


蘭花「そっか~…」


空「いや、返事は別に急いではいな―」


蘭花「こ、こちらこそ…

   よろしくお願いします」


空「………。マジ?」


蘭花「うん……私も気になってたから…」


空「………

  スゥ……

  よっしゃああああああああああ!!!」


蘭花「わ~!だ、だから人が!人が~!!」


空「メッチャ嬉しい!

  え?どっきりとか実は勢いに負けたとかじゃないよね?!」


蘭花「あはは、そんな事ないから

   とりあえず落ち着こう、ね?」


空「お、おう…」


蘭花「もしかして、ずっと告白しようとしてたから

   いつもと違う道だったの?」


空「あ~…、その…

  何て告白すればいいのか分からなくて

  出来るだけ遠回りしようと思ってたから…」


蘭花「あはは、一杯考えてくれてありがとうね」


空「はぁ……」<座り込む>


蘭花「蒼井くん?!」


空「安心したら力抜けちった…

  人生で一番緊張した~…」


蘭花「あはは

   頑張りすぎだよ~?空くん」


空「あはは…だな

  これからよろしくな、蘭花」


蘭花「うん!」









蘭花「それでね~空くんと今度

   遊園地に行こって話になってて

   ちょっと一緒に服買いに行くの手伝って欲しいだけど」


咲「あー…マジごめん!

  ちょっちやりたい事があって暫く忙しくって

  きびしめかも~…」


蘭花「そ、そっか

   じゃあしょうがないね」


咲「土産話期待してるから楽しんでくるんだよ~」


蘭花「うん!もう今から楽しみだよ~!」


咲「うんうん!良いね~青春オーラが眩しいよ」


蘭花「もう~何言ってるんだか~」


咲「あはは、今まで以上に可愛いく見えるな~って」


蘭花「何バカ言ってるんだか

   あ、でも今日は空くんバイト入ってるみたいで

   一緒に帰ろっ?」


咲「ごめーん、ちょっと先生と話があるから

  あ~しも遅くなっちゃうんだよね」


蘭花「そっか、うんわかった!

   それじゃあまたね~!」


咲「あ~い!またね~!」



空「あれ?今日は二人でどっか行ったりしないのか?」


咲「あ~空か…、まぁね~」


空「ふーん、じゃあ俺もバイトあるし帰るわ~」


咲「あんさ、ちょ~っとだけ時間取れない?」


空「ん?まぁ余裕はあるから大丈夫だけど、なんだ?」


咲「んじゃ話しながら向かおうよ」


空「珍しいじゃん、なんかあったのか?」


咲「まぁちゃんと説明するから行こ」


空「お、おう」


咲「……」


空「………」


咲「あんさ、その…」


空「珍しく歯切れが悪ぃな

  なんか言いづらい事なんか?」


咲「いや…あの、さ…

  あ~し、デザイン系の仕事に憧れててさ」


空「へぇ、それは初耳だな」


咲「そんでさ、それを知ってる先生から提案されて、ね

  その……、海外留学しようと思ってんだよね…」


空「ふーん

  お前頭は良いし、いいんじゃねぇのか?」


咲「でもちょっと気がかりがあってね…

  そうなるとさ…ちょっち困ったなぁって」


空「困った?

  あ…蘭花の事か?」


咲「うん…蘭が家に帰らない原因は知らないけど

  多分何かしら理由はあっての事だと思うんだ

  だからなるべくは泊めてあげたりしてたんだけど…

  これからはそれも出来なくなっちゃうから、さ」


空「そうだよなぁ…俺もバイトとかもあるから

  毎日は流石に無理だしな…

  ってか蘭花にはその件伝えたのか?」


咲「いや…言わないと~って思ってはいるんだよ?」


空「まだ言ってないのか」


咲「うん…

  これはうちの夢で、やりたい事なわけで…

  友達との時間と自分の夢を天秤にかけて、

  夢を取ろうとしてる

  もし言っちゃったらさ、蘭が悲しんだり

  寂しい思いするんかな~って思うと…」


空「なんで俺に言ったんだよ」


咲「なんとなく…、いや…

  あ~しが居なくなった後も

  蘭の事任せたぞ~って意味的な、感じ…かな~」


空「そりゃ…彼氏だし言われなくてもそうするけどよ

  俺は早めに伝えた方が良いと思うぞ」


咲「うん…

  とりまタイミング伺ってる感じだから

  空からは黙っておいて欲しい、かな…」


空「はぁ…っていうかいつから行くんだ?」


咲「3年に上がるタイミングでって話を進めてる

  それまではメチャ勉強しておかないとでさ」


空「それで今日は一緒に居なかったって訳か」


咲「うん…

  少しずつ距離を置いておきたいってのもあるけど」


空「はぁ…話は分かった

  だったら死ぬ気で頑張れよ

  俺たちで出来る事があったら、遠慮なんかすんな」


咲「ありがとね」


空「んじゃ、俺バイト行ってくるからさ

  また明日な」


咲「うん、またね」








蘭花「なんかさ~最近咲が全然時間合わなくね~」


空「あ~…そうなんだ?

  新しくバイト始めたとかなんかね…?」


蘭花「うーん…そうなのかなぁ…」


空「ま、まぁアイツの事だから

  なんかあったら自分から言ってくるっしょ」


蘭花「そうだね!あ~、今日はどうしよっか空くん」


空「そうだねぇ~、とりあえず

  どうするか考えるついでにお茶でもしとく?」


蘭花「はーい!あ、じゃあ行きたいお店あるんだけどいいかな?」


空「お、いいね!どこの店なの?」


蘭花「あそこの角を曲がった所にあるお店なんだけど

   いつも良い匂いがしてたから気になってたんだよね~」


空「蘭花が気になってるって事はそうとういいお店なんだろうな~」


蘭花「あはは、どういうことよ~」


空「なんとなく?」


蘭花「なによそれ~

   あ、ここだよ~」


空「いざ、尋常に…」


蘭花「勝負しないからね?」


空「はーい」


店員M「い、い、いらっしゃいませ!

    ご、ご注文を…お、お伺いします…」


蘭花「えっと…空くんはどれにする~?」


空「そうだなぁ~

  カフェモカのアイスをLサイズで」


蘭花「じゃあ私はロイヤルミルクティーで

   Mサイズのアイスをお願いしま~す」


店員M「か、かしこまりました

    あ…て、店内でお召し上がりになりますか?」


空「店内で」


店員M「かしこまりました…

    少々お待ちくださ…あ…

    店長ありがとうございます

    あ、えっと…ロイヤルミルクティーと

    カフェモカお待たせしました…」


蘭花「ありがとうございま~す」


店員M「ご、ごゆっくりどうぞ…」


空「たしかに雰囲気良い感じのお店だね」


蘭花「えへへ~空くんとデートで来れて嬉しいな~」


空「俺はどこだって蘭花といれば楽しいけどな」


蘭花「ふへへ、この後の予定決めよっか」


空「そうだなぁ~、たまにはゲーセンで遊んだりする?」


蘭花「いいね、プリ撮ろうよ~」


空「お、俺プリクラ撮った事ないんだよね…」


蘭花「お~!それはちょうどいいじゃん

   私が空くんの初プリ相手って嬉しいな~」


空「なんか緊張するな…」


蘭花「なにそれ~大丈夫だよ~

   私がちゃんとしてあげるからね~」


空「変にデコったりしないでくれよ?」


蘭花「それはどうだろうな~

   そういえばさ、そろそろ夏休みだけど

   どっか行きたいところとかってある~?」


空「あ~…夏休みは海の家のバイトもあるし

  それ以外でも半月位は

  短期でバイト入れる予定なんだよね」


蘭花「あ~…そ、そうだよね!

   色々自分でやるってなるとお金かかるもんね」


空「ま、遊べる時もあるから、その時一杯色んな所いこうぜ!

  俺沢山稼いでくるからさ」


蘭花「じゃあちょっと高めのアフタヌーンティーとかにしちゃおうかな~」


空「お、おう…!ま、任せろ~…!」


蘭花「うそだって!沢山いろんな所行った方が思い出作れるし

   あまりお金かからない所であそぼ」


空「それはそれで男として虚しくなるけど

  あ~!早く大人になりてぇな~」


蘭花「ふふ、そういえばバイトっていつから始めるの?」


空「とりあえずは休みの初日から

  8月の2週目ぐらいまでかな~」


蘭花「そ、そっか~

   じゃあ今は目一杯遊んでおこっ!」


空「だな!とりあえず飲んだら行こうか」


蘭花「うん!」






<バイト先から>

蘭花「あ、もしもし咲?

   今平気だった?」


咲「蘭~、全然大丈夫だよ~今何してたん?」


蘭花「バイトの休憩中、

   でさ、聞きたいんだけど

   夏休みって何か予定入ってる?」


咲「あ~…、あ~しはバイトとか色々、かな~!

  なんか青春のせの字もないのが、なんかウケるよね!」


蘭花「そうなんだね…」


咲「ん?どったの?大丈夫?」


蘭花「あ、うん!私もバイト多めに入れてたから

   なんか予定決めてくれてたら悪いなぁって思っただけ

   それじゃあ休憩終わるからまたね!」


咲「あ、うんまたね~」


蘭花「どうしよ……」


咲M『去年同じクラスだった子がさ~

   春休み中にマチアプで~』


蘭花M『いやいや…私には空くん居るし…

    変な人と当たったら危ないし…』


咲M『良い時間つぶしって感じ』


蘭花M『登録するぐらいだったら別に…

    嫌なら返事しなければいいだけだし…』









蘭花M『バイト終わってスマホ見たら

    通知すごい数来てたな~…

    なんか色んな人がいるなぁ…』


蘭花「ただいま~…

   あ、ママ!今日は早かったん……。

   あ……、ど、どうも……。

   き、今日は二人して早かったんだね…

   じゃ、じゃあ私部屋に…

   え…?いや…ご飯食べてきちゃったからいいや…

   じゃあね……」

 

蘭花「はぁ…はぁ…はぁ…うっ………」<ストレスで息が荒くなる>


蘭花M『通知…誰からだろ…

    あ、マッチングアプリのか…』


蘭花M【もうこの際、誰でもいいんじゃない?

    ママも新しいお義父さんとの時間が欲しいだろうし

    咲も空くんも忙しいのに無理言うわけにもいかないからさ】


蘭花「試しに一回ぐらい…」







咲「やっぽ~!空~元気してる~?」


空「珍しいじゃん、お前からLINEしてくるなんて

  どうしたよ」


咲「いや、蘭から全然連絡無いからどうしてるのかな~って

  二人でラブラブしてるってならいいんだけど」


空「LINEはちょこちょこやり取りしてるけど

  俺もバイトで忙しいから最近会えてないな

  ってか咲と遊んでるのかと思ってたぞ」


咲「てっきり空と会ってるんだと思ってた…

  じゃあ家でゆっくり出来るようになったとかかな?」


空「ん~…、どうなんだろ?

  今やり取りしてたからついでに聞いてみるよ」


咲「まぁやり取り出来てるなら特になんもないんだろうけどね

  何かあったら教えて~」


空「OK~、また連絡するわ…

  かけてみるか~…

  ………………

  出ないな…

  ん?メッセ?」


蘭花【ごめん~!今バイト先で話せないから

   また今度かけ直すね!】


空「あ~、バイト中だったのか

  【こっちこそごめんよ、バイト頑張ってね!】っと

  あ~、そういえば

  そろそろ夏祭りか、2人に声かけてみるか

  【もうちょいで夏祭りだけど良かったらいかね?】

  咲のやつ返事早っ…咲はOKっと、蘭花からも来たな

  【んじゃ当日17時に現地集合で】っと」



間<少し>



蘭花「はぁ…

   え?んーん!友達からだよ~?

   もぉ~違うから~!彼氏じゃないよ~

   折角こうやって今日は遊んでるんだから

   楽しまなきゃね


蘭花M『もう何回知らない人と遊んだだろ』


蘭花「ってか会うの何回目だったっけ?

   もう3回も会ってたのか~!

   今日はどこで何する~?

   夏休みは暇だったから時間は特に気にしないでいいよ~」」


蘭花M『もう2人にばっかり頼らなくても大丈夫…』


蘭花「え~また~?

   もう…しょうがないなぁ

   なんて!私もそうしたかったんだよね~」


蘭花M『きっとこれが正しい選択なんだ』







空「相変わらずやべぇ人込みだな…

  これだったら駅前とかの方がよかったかもなぁ…」


咲「ち~っすおっひさ~!」


空「おっ、久々だな~元気そうじゃん」


咲「んなわけ!勉強やらなんやらでストレスマッハだわ~

  あ~し今日はもう弾ける~!って決めてきてるから

  そこんとこよろしく~!」


空「お前も頑張ってんだから、今日ぐらい楽しみつくしちまえ」


咲「もちもち!ってか蘭は?

  一緒に来なかったの?」


空「なんか用事済ませてから来るって言ってたから

  蘭花もここで待ち合わせだな

  まぁそろそろ来るとは思うんだけど…」


蘭花「ごめ~ん!お待たせ~!」


咲「おっそいぞ~…って!

  蘭!髪染めたの?メッカワなんですど!

  ってか、あ~しと似たカラーだ~!

  もう~、蘭ってば、あ~しの事好き過ぎっしょ~」


蘭花「えへへ~、実は前から咲の髪色

   良い色だなぁって思ってたんだよね~

   気分転換に変えてみちゃった~!

   空くんどう?似合ってる~?」


空「すげぇ可愛いよ!

  え?俺の彼女やばくない?」


咲「あーはいはい、独り身には酷なんで

  そういうのいいわ~、ぺっぺっ

  あ~!今日はメッチャ楽しむって決めてるんだから

  屋台全制覇するぞ~!」


蘭花「私も今日は

   久々のイツメンだから楽しんじゃうぞ~!」


空「俺も散財するぞ~!」


咲「お、蘭~!今日はカッコいい

  蘭の彼ピが全部出してくれるって~

  やったね!」


蘭花「やった~!空くんありがとうね!」


空「うっ…、だああああ!わ~ったよ!

  何でも好きなのやって食いやがれ~!!

  今日は祭りじゃああああ!!」


女子「イエーイ!!!!」


空「ATM寄って来ればよかったか…?」


蘭花N『あの時は本当久々に沢山遊んだなぁ

    気の知れた二人との時間が

    荒んで汚れ始めてた心を

    二人の存在が綺麗に洗い流してくれる感じで

    いつ振りか思いっきり私も笑ってた』


咲「そういえば蘭~」


蘭花「ん~?どうしたの?」


咲「最近うちも空もバイトとか勉強で忙しくて

  あんま絡めてなかったけど、ちゃんと家に帰ってたん?」


蘭花「あ…。う、うん!

  さすがに二人に頼りすぎだなぁって思ってさ

  最近はバイト以外は自分ん家で過ごしてたよ~」


空「お、そうだったんだ?

  バイトも落ち着いたし

  またうち来るかなぁって思ってたけど

  じゃあ俺の家に来る回数も前より減っちゃいそうだな…」


蘭花「それはそれ!空くんが大丈夫なら遊びに行きたいよ~」


空「良かった~…」


咲「そ…っか、ちゃんと家に帰れるようになったなら良かったよ」


蘭花「うん、咲にも心配かけてばっかりかけてごめんね」


咲「ん~ん!

  あ~しが好きにしてただけなんだから

  そんな事気にしないで良いの!」


蘭花「ありがとね!

  あ!あそこにカニ売ってる!

  二人ともちょっと待ってて~!」


咲「あ~い!転んだりしないようにね~!」


蘭花「も~!子供じゃないから平気です~!」



空「なぁ」


咲「…何?」


空「今日が前に言ってたタイミングなんじゃねぇの?」


咲「……」


空「蘭花も少しずつ前に進んで行ってるんだしさ

  お前もちゃんと言うべきだろ?」


咲「そうだよねぇ…

  あ~しもシャンとしないとだね!」


空「おう!きっと蘭花も応援してくれるさ」


蘭花「ただいま~!

   見てみて~、カニ足~!」


咲「お~いしそ~!」


蘭花「へへ~!そう言うと思って

   はい、咲の分!」


咲「蘭~!さすが~!

  いただきま~す!

  カニめちゃウマ~」


蘭花「はい、空くんは一緒に食べよ~」


空「ありがと

  ……!確かに美味いなコレ」


蘭花「ところで二人は何話してたの?」


咲「あ~…えっとね~…」


空「……」


蘭花「???」


咲「蘭にはさ、あ~しの夢って話した事あるじゃん?」


蘭花「あ~、うん

   デザイナーになりたいんだよね」


咲「うん…でさ、学校の先生と話してね」


蘭花「うん」


咲「留学を薦めてくれてね」


蘭花「ぁ…、そ…そうなんだ…」


咲「その話が出た時、蘭に早く言おうとは思ってただけど

  家に居づらい感じでよく外泊してたから

  そんな中、ここであ~しが海外に行くって言ったら

  蘭が辛いだろうなって思って言い出せなくて」


蘭花「うん…」


咲「でも、蘭が最近頑張ってるって聞いて

  ようやく言い出せたよ」


蘭花「………」


咲「蘭?大丈夫?」


蘭花「っ!う、うん!

   ちょっとビックリしちゃっただけだよ

   すごいじゃん!咲がずっとやりたいって

   言ってた事だし、私もすごく嬉しいよ!」


咲「やっと言えた~!!!!」


空「良かったな、これで心置きなく目標に向き合えるじゃんか」


咲「うん、ホントそれ!

  あ~!すっきりしたらお腹空いちゃったな~

  残りの屋台も軒並み食べつくすぞ~!」


空「あはは

  あいつ、ようやく調子が戻ってきたな

  ん?蘭花どうした?」


蘭花「………」


空「蘭花?」


蘭花「あ、ん~ん!なんでもないよ!」


空「お、おう?

  人混みに疲れちゃった?」


蘭花「そんな事ないよ~

   ほら、まだまだ時間もあるし行こっ」


空「だな!」


咲「お~い、二人とも~!!

  早くしないと屋台閉まっちゃうぞ~!」


空「んなわけあるか!

  ったく…、行こうか」


蘭花「うん!」


蘭花N『その後は正直あまり覚えてないんだよね

    頑張ってノリを合わせてみたような気がするけど

    この時、二人には話せない秘密を抱えて

    私はちゃんとこの時笑えていたのかな』







咲「わざわざ見送りに来てくれなくても良かったのに~」


蘭花「来ないわけないでしょ~

   忘れもとかしてない?」


空「あっちは勝手も違うだろうから、

  辛かったら遠慮しないで連絡してこいよ?」


咲「1年経ったら良い報告出来るように頑張ってくるよ!」


蘭花「体に気を付けてね?

   辛かったらすぐに帰ってきていいからね?」


咲「蘭に会いたくて着いたらすぐ帰りたくなっちゃうかも~」


空「アホ言ってんなよ」


咲「蘭の事頼んだかんね?」


空「おう!お前が帰ってきた時には

  お前の入り込む隙間なんてなくなってるかもな」


咲「はぁ~?!うっざ!」


空「あはは、まぁ気ぃつけてな」


咲「うん」


蘭花「咲…」


咲「このままだとマジ行きたくなくりそうだからさ

  行ってくるよ!」


空「おう!」


蘭花「早く帰ってきてね!!」


咲「あ~い!またね~!!」




空「んじゃ行こっか」


蘭花「うん…」


蘭花N『この時の私は決めたんだ

   「もう大切な人を失いたくない」って

   空くんだけが最後の拠り所…心配はかけられない

   家の事も、勘違いされたままで良い…

   どれだけ私が汚れても構わないって

   今思えば、ホント馬鹿だったなって思えるんだけど

   当時は頭が全然働かなくてさ

   実際坂道を転げ落ちるように、空くんが忙しい時は

   その日初めて会った人と夜を過ごしたりして…

   好きな人に嘘を付いて、好きだから心配させたくなくて

   大切だから安心していてほしくて

   そんな日々を過ごしていくうちに

   「こんな私が彼女なんて酷すぎる」って考えが湧いてきた

   自分が一歩も進めていない事実を隠したくて

   それを理由に体を売って、彼氏には良い顔して

   自分が酷く醜悪な汚物に思えてきて

   バレたくないけど、バラして楽になりたいって

   思うようになって、今までは出来るだけ接点のない所の

   人を選ぶようにしていたのに

   彼の後輩にも手を出そうとしたりして…

   自分勝手だったなって思うよ、本当に巻き込んだ皆ごめんね

   そんな時、空くんから…』


空『俺さ、蘭花が浮気してるの、実は気付いてるんだよな』


蘭花N『あ~、ついにこの時が来たか…って思ったよね』


空『見た瞬間はめっちゃショックだった』


蘭花N『これ以上嘘を付き続ける事も

   これ以上…彼を悲しませることも無くなるって思ったら

   なんか心がスッって空っぽになるのを感じたんだ

   さぁ、思いっきり私を振ってって思ってたらさ』


空『でも、きっと蘭花の事だから沢山悩んで

  苦しんで、それの捌け口を欲してるのかなぁ

  なんて、そう思ったら頼らせてあげられてない

  俺も悪いんだろうなぁって思ってさ』


蘭花N『なんで私の愛した人は、こんなに優しいんだろう

   ダメだよ、私は貴方にそんな風に思って貰える子じゃないよ

   私が辛いからって貴方に頼ってばかりでいいわけじゃないよ』


空『全然かまわねぇよ、つーかそういう事も言えっての!

  嫌いにならないし、ってか頼ってくれよ』


蘭花N『そう、この人は

   私の大好きな彼は

   ここまで私がしてきた事も、隠してきた思いも

   全部軽く包んでくれちゃうんだ』


蘭花「でも、私浮気とか…」


空「それは俺に言いづらい何かがあったからだろ?」


蘭花「うん……」


空「俺に言えるようになったとしても、まだするか?」


蘭花「…んーん………」


空「じゃあ話せ!そして過去は水に流す!

  俺に全部さらけ出して俺の傍に居ろ!」


蘭花「…いい…の?…」


空「おう!」


蘭花「私、駄目な子だよ?」


空「おう!知ってる!」


蘭花「ちっちゃな事でも、ぐちぐち言っちゃうかもしれないよ?」


空「おう、ドンとこい!」


蘭花「空くんの後輩たちにも迷惑かけちゃったよ…?」


空「それは話聞いた後に一緒に謝りに行こう!」


蘭花「馬鹿だよ…空くんってホント頭まで筋肉で出来てるんじゃないかな…」


空「それでも蘭花を大切に思って考えているよ

  愚痴吐かれても、迷惑かけられても

  俺は、お前だけを愛してる」


蘭花「うん…うん…ごめんね…空くん……(大泣き)」

   ごめんね…ちゃんと全部話すからね

   これからもずっと一緒に居て欲しいよ…」


空「当たり前だろ、何があっても俺は蘭花と一緒に居るよ

  おし、とりあえず今はさ

  いっぱい泣いとけ」




蘭花N『あ~あ、もうこんなのさ

    離れられるわけ

    ないよね』







空「ん?どうした?」


蘭花「ん~ん!ちょっと思い出に浸ってただけだよ~!」


空「ふ~ん、そっかそっか

  そういや、咲は元気にやってんのか?」


蘭花「うん!この前連絡とったけど、めっちゃくちゃ大変みたい

   けど前より生き生きして楽しそうだったよ」


空「アイツが前より生き生きって煩さ増してそうだな」


蘭花「えいっ!」(楽しそうに)


空「痛った!!え?!なんで?!!」


蘭花「空くんに言ったら今みたいに言うだろうから

   蹴っておいてって言われてたの」


空「アイツ…」


蘭花「あ!ねぇねぇ空くんこっちむいて~」


空「ん?」


蘭花「ありがと~!」


空「急に写真なんて撮ってどうしたん?」


蘭花「咲に送っておこうと思って」


空「どうだ~一人で寂しいだろ~って送っておいてくれ」


蘭花「もう、いじわるだなぁ~送るけど!」


空「もうちょっとでまた会えるな」


蘭花「うん!また三人で遊んだりしようね!」


空「そうだな、その前に今日はまず」


蘭花「う、うん…

   あ!が、がんばるよ?!

   折角、空くんが付いていてくれるだから」


空「もちろんちゃんと支えてるから

  しっかり話しような」


蘭花「うん、頑張るね!」




蘭花『咲、今日は私の義理のお父さんとママ

   そして空くんの4人でちゃんと話し合ってくるよ

   今まで逃げ回って遠回りしちゃったけど

   私も咲に負けないように、頑張るから!

    

   P.S.

   私、今すごく幸せだよ!!』







間(エンディング入れるならここで)






咲「ん~…誰~…あ~しはまだ寝てたいんだぞ~…

  ?!蘭じゃん~!何々?

  うんうん…ふ~ん!

  蘭も頑張ってるのか偉いぞ~!

  これは負けてられn…ん?

  写真?

  ……………………は?

  空との2ショットとか要らないんですけど~!

  つかアイツ、ツーブロにして何おしゃれしてんだよ

  幸せそうなツラしやがって…

  蘭の部分だけトリミングしてっと…

  あ~、ついでになんかムカつくから

  空のLINE帰国するまでブロックしとこ

  ふぁぁ~~~~あ……

  寝よ…」




おわり

読んでくれてありがとうございました!

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