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辺境の地に婿入りしても良いですか?  作者: ゆりあ
エルナール辺境伯領へ
8/36

そんなに驚くことか?

「なあ、レオン」


「はい、なんですか? 

ディオン様?」


今夜の宿泊所に戻ったとたんに、ディオンは、ちょうど、目の前にいるレオンを呼び止めた。


突然、主人に呼ばれたレオンは、不思議そうに首を傾げて、ディオンの側に。


「実は、リタ嬢のことが

少し気になって………」


「………えええっ!? 」


「そんなに驚くことか?」


「恋愛にも結婚にも興味がない、女性には興味を示さなかった、あのディオン様がですよ!?

珍しいから、そりゃ驚きますよ!!」


「確かに、自分でも驚いてはいるが…

とりあえずは、彼女の事を調べてみて欲しい。

婚約者や、夫婿の有無も。」


「ええ!はい! 

かしこまりました………!!」


「大丈夫か?

冷静に、調べるんだぞ………?」


「だ、大丈夫ですよ!

たぶん………!」


「たぶんなのか………」







「ディオン様!!」


「レオン!?

いきなり、どうした!?」


「リタお嬢様のこと

調べて参りましたよ!!」


「えっ!? 早いな!?

まだ2日しか経っていないのに!」


2日目は、宿泊所で、ゆっくりと過ごした。


なんせ、王都に戻ったら、いつも通りに忙しくなるのだから、今のうちに、ゆっくりせねば。


その休憩中の間、レオンは、彼女の、リタ嬢のことを調べていてくれたらしい。





「彼女のことを調べて、どうだった?」


「リタお嬢様の名は、リタ・イレーヌ・フィン・テ・ディーセレーム・リーンダート伯爵令嬢。

今年で22歳になったばかりのようですね。」


「つまり、俺の3歳年下ということになるな。」


「はい、そうなりますね。」


彼女は、一見、童顔のため、18歳くらいだという可能性もあると考えていたんだが………


思ったより、年齢は近いらしい。




「ディーセレーム………?

母方の血筋は聞いたことが無いな?」


「伯爵夫人は、ディーセレーム男爵家のご息女にあたります。代々、教師の家系ですね。」


「ふむ、なるほど。

母方は、教師の血筋なのか。」


「はい、曽祖母の代から、ずっと。伯爵夫人は、教師に向かない気質の為、嫁入りしたようで。伯爵夫人の妹君が教師として、辺境伯領立学園にて、働いているようでございます。」


「そうなのか、血筋関係なく、向き不向きはあるものだから適材適所だな。伯爵夫人は、貴婦人向きであったのだろう。」


「はい、伯爵夫人は、サラサ夫人のような気質の持ち主なので、辺境伯夫人や、サラサ夫人より目立たないようにしているみたいです。」


「ほう、伯爵夫人は、強かだな。」


「ええ。そのようですね。」

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