寝てました?
「では、皆様
セーテ村に向かいましょう。」
「ああ、そうだね。
ありがとう、レオン。」
「はい。こちらこそ、有難う存じます。」
「これから、セーテ村で、どうするんだ?
着いたら、さっそく、旅館に向かうのか?」
「うーん………そうですね………
まず、皆様の荷物を旅館に保管いたしまして、セーテ村の探索のお時間に致しましょう。」
「ああ、そうだな。そうするか。」
正直に言うと、ディオンは、村という村に行くこと自体が、初めての経験となる。
馬車から見える景色が、だんだん自然豊かに、田んぼや畑が見えるようになって来た。
ここは、セーテ村の前の、ミレオン村らしい。
このミレオン村は、野菜が豊富の村らしくて、セーテ村に行く途中で、いったん停車をして、レオンが野菜で作られたお菓子を買って来た。
日持ちがするから、ちょっと小腹が空いたら、ちょうど良いのかもしれない。
「ディオン様
セーテ村に到着いたしました。」
「ん? おお、やっとか。」
どうやら、セーテ村に着いたらしい。
今は、ひとり静かに、景色を眺めていたから、暇になりすぎて、退屈する所だった。
野菜で作られたお菓子を食べすぎないように。
エクトールや、ユージくん、レオン達の分まで残しておかないと。
ああ、帰りに、リタ嬢へお土産を買いたいな。
渡す機会があれば、嬉しく思う。
「ふたりとも
セーテ村に着いたようだよ?
そろそろ、起きた方がいい」
「ああ、着いたんだね?
う〜ん〜! よく寝たよ!
仮眠を取らせてくれて、有難う」
「うーん………? あれ………?
僕も、いつの間にか、寝てました?
すみません、ありがとうございます。」
次期辺境伯のエクトールは、前日まで、騎士団やら、視察やらで、忙しかったらしい。
なので、行きの馬車で、仮眠を取ることにしたらしいのだが、それにつられて、ユージくんも彼の隣で寝てしまったみたいだ。
うん、これから、温泉の前に、探索するから、ちょうど良いのかもしれないな。
ちなみに、ディオンは、短時間睡眠も平気だ。
たまになら、なのだが。




