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第4幕・4 雨
破壊破壊破壊。
あるのは破壊。
断末魔の音と破壊。
機械から破片が落ちていく。
破壊に抵抗する凶暴な機械は、全身で破壊を始めた。
地面に頭を何度もぶつけ、粉々になり、部品が宙を舞い、振動が起きる。
金属音が脳を揺する。腕を振り回し、木々をなぎ倒し、瓦礫を拾い集め、再生を試みるが腹から真っ二つに折れた。機械は上半身を闇雲に振り回して瓦礫や破片を散らしながら体中から激しく白い煙を吹き出して辺りを粉塵と煙で灰色に濁らせ姿を何者からも隠しながら目の前で轟音を響かせていた。
※ ※
爆風に飛ばされた少年は、仰向けで蔓植物が絡まる薮の中に倒れていた。
埃が喉に入って咳き込んだ。
目に塵が入って涙が出てきた。
ぼろぼろ。
痛くてたまらなかった。
全身が痛かった。
拳で拭っても、涙がこぼれてくる。
ぼろぼろぼろぼろ。
その握った手の中には、
黒く煤けた鍵の無いオルゴール。