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黒い犬と白い猫 (Ⅴ)

部屋に沈黙が流れた。

しかし、赤屋が静寂を一言で破った。


「誰が・・・いや何処の組織が創ろうとしている」


リリスの方を見ながら赤屋が言った。

ブレーンの研究なんて個人で出来るものではない。何処かの大きな組織ではないとまず無理だろうと考えたのだ。

リリスはまたゆっくりと口を開けた。


「brains extermination organization.対ブレーン殲滅組織。確か・・・研究員がそう言ってた」


ガンっと鈍器で頭を殴られる感覚を赤屋は感じた。

『brains extermination organization』

12年前、ブレーンが日本に出現するようになってアメリカから来た組織。

内部がどうなっているかは不明だが、平和主義の日本がブレーンに対抗出来るわけないと軍事国家であるアメリカが送り込んできた。

そしてそれに猛反発した国会議員もやはりいた。

「自分の国ならば自分で守る!」と古い考え方の議員はそう主張したらしい。

しかし採決の結果、アメリカに賛同した。

そして現在BEOという名前でこの国を守っていた。


「ちょっと待て、赤屋。お前何処の組織から奪ったのか理解できてるのか?」


狭間が感情のこもってない声で赤屋に言った。

それでも、狭間自身は心の中ではかなり焦っていた。


「そんな問題じゃないだろ!あいつらブレーンを殲滅する為と言って人体実験してるんだぞ!」


右手を横に振って赤屋は狭間が言ったことを否定した。しかし、その顔には少し不安があるようだ。


「おい、リリス!お前他に何を知ってる!」


赤屋が大きい声を出してもリリスは無表情のままだった。


(もしかしてこいつも心が・・・?)


赤屋がそう考えた瞬間にジリリリリリリと赤屋の携帯が鳴った。


「くそ、こんな時に依頼人か」


リリスの肩を掴んで聞き出そうとした赤屋だったがスボンから携帯を出して耳に当てた。

携帯からは聞きなれた機械音が聞こえてきた。


「よくやってくれたよ赤屋君。物をよく奪取してくれた」


何時もと変わらない声・・・もし彼女から何も聞かなかったら赤屋は激怒しなかっただろう。

彼の顔には怒りしかなかった。


「ふざけるな!お前何でこの娘を必要としている!お前もブレーンの人体実験をしているのか!?」


「はぁーはぁー」と久しぶりに荒い声を出したせいで赤屋は興奮していた。

しかし、携帯からでも分かるほど溜息をして依頼人はまた話を始めた。


「君に質問をする権限はなしだ。今から言う場所に彼女を持って来い」


1分か10秒か分からないが沈黙が続き赤屋がそっと呟いた。




「嫌だと言ったら・・・?」




「おい!赤屋止めろ!このお嬢さんを守ってどうする!?」


小さい声で言ったが狭間は聞こえてたららしい。狭間は今までとは違う声を赤屋に向けた。

ブレーンの実験をしているから彼女が必要・・・ならば依頼主も組織で動いてる可能性があり狭間は危険と感じたのだろう。

少し間があってまた携帯から声が聞こえた。


「はぁー君も馬鹿だな。そんな化け物になぜ情を移す?」


さっきよりも残念そうな溜息が携帯電話から聞こえてきた。


「化け物?実験の為とこんな少女を人体実験するお前たちの方がよっぽど化け物だ。俺は俺の考えで動く。悪いが今回であんたとの契約は破棄させてもらう」


赤屋の言葉に迷いはなかった。その目に・・・迷いはなかった。


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