戦う者と逃げる者 (Ⅸ)
午後11時15分
ある駅のホームに少女が一人、柱にもたれかかっていた。
夜に、しかも誰も居ない駅のホーム。
危険すぎる行為だが少女にはボディーガードともよべる人物がいる。
もっとも今はトイレに行っていないわけだが。
「・・・遅い」
少女は一言呟いた。
イライラしてるわけではなさそうだが、その声は少し怒ってるようにも聞こえる。
グチュ
少女の後ろから何かの潰れる音が聞こえた。
「危ない、危ない。おいおいお嬢さんもう少し周りにも注意を向けろよ」
柱の後ろを見ると茶髪で長髪の男がブレーンを足で潰していた。
「・・・誰」
「まてまて!!俺だ狭間だ!」
「・・・猫がいい」
「・・・・・・」
思わず狭間を口を閉ざす。
180ぐらいの長身に黒と白で統一された服を着こなしていた。
「動物の体でどうやって戦えというんだ?」
狭間も柱にもたれかかって夜空を眺めた。
「赤屋・・・遅い」
「え、何そこは無視するのか!・・・あいつなら大丈夫だろう」
「・・・もし、このまま来なかったら?」
「・・・・・・」
狭間はまた口を閉ざしてしまった。
帰ってくるっと信じているのもあるが、もし帰ってこなかった時どうしようかという焦りを浮かべる狭間だった。
しかし、すぐに狭間の悩みは消えることになった。
「あれ・・・赤屋じゃない?」
いきなりのリリスの発言に半信半疑になりながら狭間はリリスが指をさす方向を見た。
すると、暗闇からやっと狭間も見えた。
駅のホームに来るための階段から彼の姿が。
どことなく疲れている赤屋の姿を。




