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戦う者と逃げる者 (Ⅴ)

何か強い力を地面にぶつけたみたいにビキビキとひび割れている。赤屋は能力者になる条件を頭の中で整理しながら自分が何をするべきかすぐに理解できた。携帯を持っていた手をダランと下げてゆっくりと後ろを見る。

まず目にはいったのは地面にめり込んでいる人間の足。

そしてその周りには雨の後みたいに水溜りが出来ていた。男の血で出来た綺麗な水溜り。

ゆっくりと上を見て赤屋の心の中にあった疑問が解決できたようだ。そして地面が割れた原因も・・・。

赤屋は創ってしまったようだ。



能力者を。




「目覚めた時ぐらい静かに出来ないのか」


2、3歩後退しながら赤屋は言った。

ゆっくりと地面からめり込ましていた足を抜いて男は赤屋の方を見た。


「目覚めて最初に思ったことが下半身が妙に軽い。試しに地面を蹴ったらこれだ。俺も能力者になったみたいだな」


頭から垂れた血が目に入ったようで男は目をこすっている。そして邪魔になったのか掛けていたサングラスを横に投げ捨てた。

その目は見たことがないほど死んでいて、まるで生気がないみたいだ。

その間にも赤屋は男と数メートル距離を置いた。


「全く俺も馬鹿だよ。ブレーンに喰われかけの人間を助けたら能力者になるぐらい分かっていた事のに・・・」


「ブレーンに襲われた時は死んだな・・・。って思ったが、お前のおかげで能力者となって生き返ったようだ。礼を言おう」


男は両手を腰に置き赤屋に会釈してきた。


「お前から礼を言われても反吐が出る。どうせ、俺を殺そうとしているだろ?」


顔を上げ男は赤屋を凝視した。

胸は皮膚が再生しており綺麗に戻っていた。しかし、服は血だらけで誰が見ても救急車行きの怪我人だろう。頭も修復されているようだが血がまだ額から垂れている。


「確かに殺そうとはしているがその前に話がしたい。お前名前は?」


少し赤屋はためらったが黙っていても仕方ないと思い口を開けた。


「赤屋信世だ。と言っても信世は偽名・・・いや、元の名前は覚えてない」


「俺は陸堂椋介りくどうりょうすけ。記憶がなぜか曖昧なのだがこれは能力者になったからか?それになぜか心にポッカリと穴が開いてるみたいだ」


「記憶が曖昧なのはブレーンの脳を喰われただからだ。心にポッカリと穴が開いてるのはお前に心がないからでそれもブレーンのせいだ。今度はこちらからの質問に答えてもらう」


陸堂はそこまで驚く様子もなく自分のスーツに顔を近づけ始めた。血が染み込んだスーツを匂って陸堂は露骨に嫌そうな顔をした。同時に頭から垂れ続ける血をかなり嫌がってるようだ。


「お前らが何で俺の居場所を特定できた」


陸堂はスーツから顔を離し、また赤屋を凝視した。


「俺達だってかなり焦った。目的はサンプルの輸送だったからな。しかし、そこで俺の携帯に1本電話がはいった」


赤屋に向かって陸堂は人差し指を1本見せつけた。


「相手は機械音で怪しかったが、お前たちのサンプルを奪った奴の居場所を知っていると言ってきた。そしてその場所に来るとお前が出てきたってわけだ」


ッチと赤屋は舌打ちをした。

依頼主を裏切った代償がこれだった。壊すこともできず自分の物にする事も出来ないようならBEOが赤屋を殺して奪った方がましらしい。

陸堂は手を開いたり閉じたりしながら赤屋を見ていた。


「質問はそれだけか?それなら、もういいよな」


「おい、まて。まだ話は―――」


ダンと陸堂が地面を踏む音と同時に赤屋の目に2本の指が飛んできた。


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