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失恋令嬢はハーレム王から愛される  作者: 凛蓮月
筆頭夫人になる事。
36/53

第二夫人の密会…?

おまたせしてすみませんm(_ _ )m

 

 窓から朝の光が差し込む。

 朝告げ鳥の鳴き声に目を覚ます。


「ん……」


「起きたか。おはよう」


 目を開けると飛び込んでくる金の瞳。

 誰なのかを頭が認識すると、とたんに照れくさくなってしまう。


「おはよ……」


「そろそろ朝食の時間だな。俺も着替えて行くから、ミアも準備ができたら来るといい」


「分かった」


 そうして私に口付けを落としてベルンハルトは部屋を出た。

 ベルンハルトがいた場所に触れるとまだ温かくて、シーツに染み付いた彼の残り香に幸せを感じてしまう。


「起きなきゃね」


 私がちゃんとした生活を送ることを望んだのだ。怠惰は許されない。


 それからベルで侍女を呼び、着替えを手伝って貰った。

 朝食会場へ来たのは久しぶり。


「今日は早いのね」


 話しかけてきたのは既に席に着いていた第二夫人のフラヴィア様だった。


「おはようございます。怠惰な生活は良くないと思いまして」


「そう。頑張ってね」


「はい…、ありがとう、ございます」


 にこりと微笑んだフラヴィア様は、口を閉じた。今までフラヴィア様とまともに話した事無かったから会話が続かないなぁ。

 もう少し仲良くなるべき……、いやでも一応共通の夫がいる者だからいがみ合った方がいいのかな。

 でも何もされてないのに敵意を剥き出しにするのも何か違うような。


 ……確かに以前、ベルンハルトがフラヴィア様と夜を過ごして帰って来た時には熱い印があったりしたけれど。

 そこまで考えてモヤモヤして、私は思考を止めた。

 考えても無駄なのだ。

 ベルンハルトは複数の妻がいる人。

 そういう人を好きになったのは私。

 だからウダウダするのはやめなとかないと、気持ちが暗くなる。


 うん、終了。

 私も着席すると、ミリアナ姉様、ザラ様、ベルンハルトが順に入場してきた。


 ……あれ?以前はハーレムの妾さんたちもいたような気がするんだけど。

 戸惑っていると、ミリアナ姉様と目が合って微笑まれた。あとで聞いてみようかな。



 朝食が済んで、自室に戻ろうとしたらベルンハルトに呼び止められた。


「執務に行く前に」


 そう言って私の髪に、額に口付ける。

 甘い!

 他の夫人方は早々に退室なさってて良かった。


「あっ、ねえ、ベルンハルト」


 先程の疑問をベルンハルトに直接聞いて見ることにした。


「妾さんたち?はどうしたの?食事は別にしたの?」


「ああ、彼女たちか。暇を出した」


 暇?いとま?


「それ、って……」


「ハーレムにはあと何人かしか残ってない。

 これから先、彼女たちを相手にする事は無いからな。後妻に出したり実家に帰ったり様々だが」


「本当に?いいの?」


「いたほうが良かったか?」


「それ、は……」


 正直他の夫人たちのとこに行くのもちょっとモヤモヤだった。だから妾さんたちのとこに行ってはないみたいだったけど、いつか、気が向いたりしたら、と何処かでは思っていたんだ。


「……彼女たちは、父上や兄上たちの手付きだった者たちだ。俺は行った事無い。夫人たちで手一杯だったしな。

 とは言え、このまま一生飼い殺しみたいな真似もどうかと思って、それぞれの希望する所へ行かせた」


「そっ、うなの……」


 妾さんたちは、表情が浮かないものが多かった。

 私はベルンハルトに愛されて幸せを得たけれど、彼女たちを見てると……あの子を思い出した。だから、彼女たちが幸せになれるなら、反対する理由は無い。

 できれば今度は──

 私がそう思うのは烏滸がましいな。


「ミア、俺は……」

「陛下、そろそろお時間です」


 ベルンハルトが私の頬に触れようとしたところで、ジュードさんの声がかかった。


「じゃあ、また今夜」


 額に口付け、するりと離れていく。


 その後ろ姿をぼーっと見ていた。



 ハーブルムでは夫人の役割は少ない。着飾らせて愛でるだけ。権力の象徴として。

 客人の相手はするけれど、政治関係には関与しない。とは言え蔑ろにはされない。

 王族にハーレムがあるからこの制度なんだろうか。

 歴代王は好色で、周りに女性を侍らせていたみたいだし。


 そう考えると夫人は四人しかいない、妾さんたちも後宮から出してるベルンハルトって、歴代の王からしたら異端なのかも。


 そうすると、周りの家から反発は無いんだろうか。そもそもハーレムの夫人が少なくていいのかな。

 それこそ権力が欲しい家なんかは娘を王に差し出しそうな気もするけれど。



 考え事をしながら自室に戻っていると、どこかから声がした。


「今回はどれくらい滞在するの?」


「一、二ヶ月ってところかな」


「……そう」


 私は姿を目撃されない為に柱の影からそっと盗み見る。


「会いたかったわ……、ファルーク」


「よせ、まだ明るいしここは人目につく」


「旧知の知人との再会を喜ばせてもくれないの?」


「今は立場が違うだろう……」


 こっ、これは、まさか。

 み、密会!?

 もう一度柱の影からそっと見やる。


 女性は男性に向かって手を伸ばし、腕を身体に絡め背中に触れた。

 つまり、抱き締めている。


「あなたを忘れた事は無かったわ……」


「フラ……」


「ダメよ。あなたは私の名を呼べない……」


 女性は手を離し、人差し指で男の唇に触れた。

 切なげな表情をした男は、その手を取り引き寄せる。って、まさか!?


 軽く触れ合うくちびる。

 それは段々と深くなる。


 って、まだ朝!朝よー、朝!

 見てる、ここに見てる人いるから!


 それに、ファルークと呼ばれた男の方は見た事無い顔。

 黒髪に黒い瞳、少し浅黒い肌。

 一筋長い髪は腰まで垂らし、動きに合わせてサラサラ流れる。


 対して女性の方も腰まである艷やかな黒髪。白磁のような白い肌に男の手が触れる。


「ファルーク……ここではだめ。部屋に行きましょう」


「分かった」


 そうして二人は宮殿内に消えて行く。

 私はその様を心臓バクバクしながら見ていた。



 そう。


 女性は、第二夫人フラヴィア様だったのだ。



仕事が思ったより溜まってしまい中々こちらの執筆が進まずすみませんm(_ _ )m

ぼちぼちでも進めていきますので、お付き合い下されば嬉しいです。

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