第95話 【BLACK EDGE 其の95 ブルーバードからの刺客】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第95話
【BLACK EDGE 其の95 ブルーバードからの刺客】
「本当にいた!?」
王都にある廃墟。そこの二階に行った時、そこには青い髪の男がいた。男はかなり身体つきがよく、ヒートはその体格からこの前に戦った男を連想する。
男は床に寝っ転がって休んでいたが、三人が現れると座って聞いてきた。
「なんだ、お前達?」
男はそう言うと三人を警戒する。本当にこの男がブルーバードの幹部なのだろうか。
しかし、廃墟で寝ていたということは普通ではない気もする。
どうやって聞き出そうか。ヒートとシャドーが考えていると、アルファが元気よく言った。
「なぁ、アンタはブルーバードの関係者かい?」
度直球すぎる。幹部ならば答えないだろうし、関係者じゃなければそれはそれで問題だ。
すると男はアルファの方を向いて答えた。
「ああ、そうだが……。俺はフェザント。ブルーバードの三鳥の一人だ」
あっさり答えた。それも何者なのか分からない人物に……。
ヒートとシャドーは驚いて止まる。アルファは答えてくれたことで満足みたいだ。
ヒートはフェザントに聞く。
「いや、闇の組織がそんな簡単に名乗って良いの!?」
それに対してフェザントはめんどくさそうに頭を掻きながら答えた。
「いや、下手に詮索しあっても面倒だろ。だったら最初から腹を割って話した方が楽だ」
この男は本当に闇の組織の人間なのだろうか。
そんなことを考えていると、フェザントはヒートに聞いてくる。
「ということはお前達もそういう口か。…………何の用なんだ?」
ここは素直に言った方がいいのだろうか。だが、嘘をついて隙を狙うという手もある。
しかし、そんな計画をアルファが全て無意味にした。
「フェザントくん、この二人は君を捕獲しにきたんだよ!」
アルファは全て喋ってしまった。これでは油断させることができない。ヒート達はそう考えた。しかし、
「…………あ、そうなの……」
フェザントはそう言うとまた地面に寝っ転がった。捕獲しにきた敵組織の人間と思しき人たちがいるのに、この態度はどういうことなのだろうか。
油断なのか、それともただ単にやる気がないだけなのか。
しかし、こんな舐めた態度を取られて、ヒート達が冷静でいられるはずもなかった。
ヒートとシャドーは戦闘体制になる。ヒートはその場で足踏みをして温度を高める。シャドーはフードの中から短剣を取り出した。
最初にシャドーが動いた。シャドーはフェザントに向かって走り出す。
そして短剣をフェザントに振り下ろした。




