第94話 【BLACK EDGE 其の94 捜索】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第94話
【BLACK EDGE 其の94 捜索】
施設を出たヒート、シャドー、アルファの三人は敵を探すために王都を歩いていた。黒いフードを被り、なるべく人のいないところを歩く。
「おーー!! ここが外の世界か!!」
アルファは嬉しそうに周りを見渡す。
アルファは敵の捜索に協力する代わりに提示した条件は、外に出るというものだった。
武器開発のため施設内に篭りっぱなしのアルファは外に出たことがなかった。そのため外の世界というものがどのようなものなのか、見るのが初めてだった。
アルファは外の世界を見て興奮していた。そんなアルファはシャドーは優しい目で見守る。
「あんたキモいよ」
「はぁ!? 俺は優しい目で見守ってあげてるんだよ!!」
「どこがよ! 不審な目じゃない!!」
「俺はアルファを妹のように思ってるんだ!! そんな目で見るか!!」
「それなら私が妹のようにアルファを思ってる!! あんたはどっか行ってなさい!!」
「これは任務だろ! どっかに行けるか!!」
そんなやりとりをしながらも王都を進む。ヒートはアルファに聞いてみた。
「それでどうやって潜伏している敵を探すの?」
それを聞くとアルファはポケットの中から二本の棒を取り出した。
「この佐藤7号を使うのさ!!」
アルファが取り出した棒は鉄製で先っちょが直角に曲がっている。大きさは三十センチ程度だ。
それを見たシャドーは小さな声で
「また名前が変わるんだろうなぁ〜」
と言ったがアルファはそれを無視して説明を始める。
「この中村は敵の居場所を発見してくれるのさ!!」
まぁ、その説明は適当で本当にできるのかは怪しい。
シャドーはやはり名前が変わったと思いながら聞いていた。
「早速使ってみよう!!」
アルファはそう言うと棒を縦にして軽く握った。すると棒は左右に揺れて先っぽの曲がっているところが、アルファ達から南側を示した。
「こっちだね!」
アルファはそう言うと棒の示した方へと進んでいった。
そんな後ろをヒートとシャドーがついていく。しばらく進んだところでアルファは再び棒を使って西へ南へとどんどん進んでいった。
そういう感じで王都を進んで、しばらく経ったところである建物にたどり着いた。そこは王都にある廃墟の建物だ。
前に住んでいた持ち主が問題を起こしたことにより、今では使われていない建物。
「ここにいるはずだよ」
アルファはそう言い、中に入っていった。二人もその後を続く。
そして二階に上がった時、
「なんだお前達?」
「本当にいた!?」




