第84話 【BLACK EDGE 其の84 ブルーバードの目的】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第84話
【BLACK EDGE 其の84 ブルーバードの目的】
「ブルーバードの目的は黒を呼び出すことです。そのためにプロタゴニストの鏡と龍の力を使おうとしてる。そういうことです」
ブラッドの説明を聞いたクロエは考える。
「そうね。……うーむ」
まぁ、信じられない話だが、信じないわけにもいかない。ブラッドが本当に龍の適応者に出会い、そこにブルーバードの関係者がいたのならば、そのことが本当なのかもしれない。
話を聞き終わったクロエは立ち上がる。
「話は理解したわ。戻ったらメテオラ隊長に報告しておくわ」
ブラッドとフェアはクロエがすぐに休暇をやめて帰るのかと思った。しかし、
「よし、ならそれまで残りの休暇は全力で休みましょー!!」
「え!?」
二人は驚いて声を出す。そんな二人を見てクロエは言う。
「だってここ船の上だもの」
それはその通りだ。
それから三人で船が到着するまで話していることになった。船の上で寝てしまっても良いのだが、向こうについてからすぐに出発できるわけではない。
向こうの岸にある村の宿で夜を越すつもりだ。そのため船で寝てしまうと寝れなくなってしまいそうだ。だから寝るわけにもいかなかった。
船の甲板で久しぶりに再開したクロエとブラッドは懐かしい話をする。それを一緒にフェアも聞いていた。
「まぁ、まさか休暇中にマルクに会えるなんてね」
「俺も久しぶりでびっくりしました」
ブラッドとクロエが前にあったのは、メテオラの元でブラッドが修行をしていた時代である。
クロエはメテオラからブラッドの話を聞いていたが、実際に会うのは久しぶりだ。そして、
「フェア、あなたもと会えてよかったわ」
クロエはそう言うとフェアの頭をなでなでした。
フェアについてもメテオラから話を聞いていた。しかし、会ったことはなかった。
「クロエさんって、メテオラさんとは違った雰囲気ですよね」
フェアはクロエを見てそう言った。
メテオラはかなりキリッとしているが、クロエは少しおっとりとしたところがある。だが、焦って空回りすることの多いメテオラと違い、クロエは周りを見て判断するのが得意だったりする。
「もうすぐつきそうだな。そろそろ準備するぞ」
ブラッドはそう言うと船内に戻っていく。船から荷物を下ろす必要があるのだ。
「私も手伝う」
フェアもブラッドの後をついていった。クロエはそんな二人の後ろ姿を見て、
「また今度はゆっくり会いたいな……」




