第83話 【BLACK EDGE 其の83 空間への干渉】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第83話
【BLACK EDGE 其の83 空間への干渉】
「ブルーバードが空間に穴を開けようとしている?」
それを聞いたブラッドは首をかしげる。
「世界にはあと他に二つの世界が存在している……」
リナリアは説明を始めた。
仮に世界をこの世界をA、残り二つの世界をBとCと名づける。それぞれの世界には特有の文明が進んでいて、その世界には世界のルールが存在する。
でも、もしもその世界のルールから外れた存在が、その世界に現れたのなら……。それは別の力を持った特殊な存在となる。
でも、ブルーバードの目的は、その存在になることではない。
ブルーバードの目的は黒を出現させること。
そこまで説明を聞いていたブラッドは自分の右手を見る。
ブラッドには黒龍という存在が住み着いている。それは村を滅ぼすほどの力を持っているが、使いこなせば仲間を守れる武器になる。
ブラッドの様子を見ていたリナリアは、ブラッドの右手を掴んだ。自分に自分の手を握られると、なんだか気持ち悪い。
「黒龍もまた黒の存在。だからこそ惹かれ合う。…………ブラッドもいつか出会うかもしれない。だから聞いてほしい。黒の恐ろしさを……」
リナリアの説明ではABCのそれぞれの世界には特有の色が存在しているという。どの世界がどの色に対応しているかは分からないが、赤、青、緑で世界を分けることができる。
そしてもしも、その色が混ざり合った時に黒が発生する。
黒は全ての飲み込む。どの色よりも強い、この世界にあるものでは黒には飲み込まれるだけであり、打ち勝つことは不可能である。それが黒という存在だ。
その黒をブルーバードを出現させるつもりなのだ。その黒を出現させるためには、二つの世界から同じ存在を引き寄せる必要がある。
ABCの全ての世界で同じ存在が一箇所にそろえば、そこに黒が出現する。それがブルーバードの狙いなのだ。
ブルーバードがなぜ、黒を狙っているのかはわからない。だが、空間に開ける方法がプロタゴニストの花畑に一本木なのだ。
存在しないものを実体化させることができる。それを使い、空間に穴をあけようとしているのだ。
空間に穴をあける方法はどういう手段なのか、リナリアにも分からない。だが、リナリアは奴らが黒を狙っているという話を聞いてしまった。
そしてブルーバードが森の鏡を探していた。それから森を守ろうとブラッド達に助けを求めたのだ。




