第69話 【BLACK EDGE 其の69 自然の騎士】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第69話
【BLACK EDGE 其の69 自然の騎士】
クレインの身体を植物が包む。するとそれは形を構成し、鎧となった。そして植物の一つはクレインの手に集まると剣となる。
「植物の騎士」
クレインは植物の鎧と植物の剣を装備した。植物であるから弱そうと思うかもしれないが、そうではない。
クレインは術で植物を急激に成長させて操ることができる。だが、それ以外にも能力がある。それは進化である。
植物を成長させることで次の世代を誕生させる。そしてその進化を自由に操作できる。それにより植物はクレインの思うがままの進化をさせられる。
そのためクレインの鎧も今も進化し続ける。時間が経つにつれて、強度も鋭さも増している。
「もう容赦はしない。すぐに殺してやる」
クレインはブラッドに向かい走り出す。クレインの身体はさっきまでよりも重いのか、逃げていた時よりも動きが遅い。
クレインはブラッドに近づくと、植物で作った剣を振り下ろす。しかし、ブラッドはその振り下ろすスピードよりも速く移動し、クレインの背後に回り込んだ。
「なに!?」
ブラッドがクレインの背中を蹴る。その威力は鎧で重たくなっていたクレインの身体を浮かすほどだ。
だが、一撃ではやられない。クレインはすぐに体制を立て直して、ブラッドに切りかかる。だが、ブラッドはそれの避けると正面からクレインの腹を殴った。
鎧の上からの攻撃だというのにクレインはダメージを受ける。そしてその攻撃は一撃では終わることなく、何発も繰り返される。
クレインの植物の鎧は凹みだらけになり、クレインはダメージで剣を手から離す。
そしてクレインの剣が地面に落ちたと同時、ブラッドは最後の一撃をクレインに喰らわせた。
「ガハァー!!」
クレインの身体は森の奥まで吹っ飛ぶ。木を押し倒し、ずっと先まで飛んで行った。
クレインが吹っ飛んでいき、それを見たフェアはブラッドを呼ぶ。
「ブラッド!!」
それに返事するようにブラッドは振り向く。しかし、意識がない。反応をしたわけではなく、声の聞こえる方を振り向いただけだ。
そしてフェアに向かってブラッドは襲いかかる。しかし、
フェアが手を突き出してブラッドに向ける。そして光を放つと、ブラッドの動きが止まった。
それから五秒くらい同じ体勢が続いた後、ブラッドが意識を戻した。
「っ! …………終わったのか?」
ブラッドはクラッとして倒れそうになるがどうにか踏ん張る。
そして周りを見渡す。戦闘の跡が残っている。それを見たブラッドは、
「ありがとな。フェア。止めてくれて」
「うん!!」




