第66話 【BLACK EDGE 其の66 探し出せ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第66話
【BLACK EDGE 其の66 探し出せ】
シャドーが少女を足止めしている隙にブラッド達は少女を操作していると考えられる人物を探しにいく。
「フェア、リナリア、お前達無事なのか?」
シャドーは探しながら二人に聞くと二人は頷く。
「大丈夫だよ」
シャドーはブラッドだけではなく二人も解放した。あのまま影の世界に閉じ込めておくこともできたのかもしれない。
それをしなかったのは、ブラッドを安心させて行動しやすくするためなのか。それとも能力的に限界があったのか。
「どっちにしろ。考えてる暇はないな」
ブラッド達が森を走り回っていると、途中で人影を見つけた。それはブラッド達が近くに来ると驚いたのか。逃げていく。
「逃げた!!」
フェアはその人影が逃げた方を指さす。ブラッド達はその方向へと走っていく。
しばらくその人影は逃げ回る。走るスピードが速く追いつくのが難しい。
「早いな……。こうなったら!!」
ブラッドは立ち止まると右手に力を込める。
「うぉおおおおおお!!」
ブラッドの右手に黒いオーラが現れ、それは腕のサイズの龍の顔になる。
「龍の牙」
ブラッドは人影に向かって拳を突く。すると龍の顔のオーラは首を伸ばして飛んでいく。
龍のオーラは森を突き抜けて、
「っ!?」
人影に衝突した。
龍のオーラは人影に齧り付くと、そのまま人影を移動させて先にあった木に押し付けた。
木に衝突すると龍のオーラは消える。人影はダメージを喰らい、地面に膝をついた。
「追いついたぞ」
ブラッド達が追いつくと、そこにいたのは褐色の肌をした女性。
「貴様も龍の力の持ち主か…………」
仮面は被ってはいない。そのことからグリモワールの人間ではないのだろうか。
「お前は何者だ」
ブラッドが聞くと女性は唾を吐いた。
「答えるかよ。クソが……」
そう言った後、女性は地面に右手を触れる。すると、ブラッド達の足元にあった草がまるで生き物のように動き出した。
「これは、魔術!?」
フェアがそう言った時、植物はフェアの足を絡め取り拘束した。
「フェア!!」
ブラッドがフェアの元に行こうとするが、フェアだけじゃない。リナリアも捕まっている。
残ったブラッドにも植物が襲いかかる。ブラッドはそれをどうにか避けた。
「お前もグリモワールの関係者か?」
ブラッドがそう聞くと、女性は鼻で笑う。
「あんなチンケな組織には興味ねぇよ。俺達はブルーバードだ」




