第65話 【BLACK EDGE 其の65 影の協力者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第65話
【BLACK EDGE 其の65 影の協力者】
影の世界。そこは真っ暗で何もない。そんな世界に閉じ込められた三人。
ブラッドは近づいてきたシャドーに戦闘体制を取るが、シャドーは両手を上げた。
「安心……俺はお前達に手を貸してやる」
「なんだと?」
突然の発言にフェアとブラッドは驚く。
今までフェアを奪還しようと襲ってきていたシャドーが突然そんなことを言ってきたのだ。
「なんのつもりだ?」
ブラッドが聞くとシャドーはリナリアを指差した。今は色は違うがシャドーの姿だ。
「ソイツに頼まれたんだよ。この森を守ってくれってな」
フェアとブラッドがリナリアに確認すると、リナリアは頷く。
「…………頼んだ」
シャドーは頭を掻きながら、
「俺の姿で頼まれたんじゃ断りずれぇよ。それに俺は、ああ、やって自然を荒らす野郎が許せないんだ」
そしてシャドーはブラッドの方を向くと、
「だから手を貸してやる。信用してもらう気はない。だから、こっちもそっちも自由にやれ」
確かにシャドーを信用することはできない。だが、手が足りていないのも確かだ。
「そうか。なら、自由にやるよ」
シャドーブラッドに背を向ける。そして、
「俺は何をすれば良い……」
そう聞いてきた。
「あの少女を止めてくれ。そうすれば俺がなんとかする」
「信用して良いのか?」
「お前が言うか?」
「それもそうだな」
そう言うと三人の足元が突然明るくなる。そして、三人は徐々に光に飲まれていく。
そんな中、シャドーは振り返ることなく。
「今回だけだ」
そう言うと三人よりも先に光の中に消えていった。
ブラッド達は目の前が突然眩しくなり目を閉じる。そしてやっと目を開けると、そこはさっきまでいた森の戻ってきていた。
そして近くでは戦闘している音が聞こえる。そっち方を見るとシャドーが少女と戦っていた。
ブラッドは少女を傷つけないようにするように伝えようとしたが、その前に気づいた。シャドーは少女のことを攻撃する様子はない。
手には武器を持っておらず、ずっと少女の近くでは攻撃を回避し続けている。
「…………とりあえず、本当に時間は稼いでくれてるみたいだな」
シャドーがこうして少女を惹きつけているうちに……。
「フェア、リナリア。俺達はあの少女を操っている人を探すぞ。近くにいるはずだ」
三人で少女を操る。存在を探すことにした。
シャドーの能力は影を移動する。そう簡単には少女には負けないだろう。だが、長い時間は持たない。
「急ぐぞ!」




