第63話 【BLACK EDGE 其の63 守れ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第63話
【BLACK EDGE 其の63 守れ】
ブラッドの拘束を抜け出した少女は、立ち上がる瞬間にブラッドのことを蹴り上げる。
蹴られたブラッドの身体はブラッドの身体半分くらいの高さまで飛び上がり、地面に転がった。
「ブラッド!!」
フェアが駆け寄ってこようとするが、ブラッドが手を突き出して止めた。
「待て……こいつ、様子がおかしい…………」
そう言うとブラッドは地面に転がった時に顔についた泥を腕で拭いながら立ち上がる。
「何かされてるな…………」
さっき見えた人影。あれが何か関係しているとブラッドは考えた。
だが、目的がわからない。目的がわからない以上、フェアを近づけるのは危険だ。
しかし、この少女をこのままにしておくわけにもいかない。
「…………けど、どうすっかな……」
立ち上がったブラッドに少女は再び攻撃を仕掛けてくる。それをブラッドはどうにか躱す。
この少女は龍の適応者で間違いない。足跡やこのパワー、その辺りからこの少女だと考えられる。
だとしたら、さっき隠れた人影はグリモワールの関係者か。その可能性が高い。
そうだとするのなら、先にそっちを狙った方が手っ取り早い。グリモワールの関係者にこの少女が何かされているのなら、その人影をどうにかしたほうがいい。
しかし、
ブラッドは少女の攻撃を喰らう。
「ぐっ…………」
この少女は手強い。パワーもスピードもテクニックもブラッド以上の実力だ。
ブラッドが少女への攻撃を避けているというのがあるが、それを抜いたとしてもブラッドよりも強い。
人影を追うとしてもこの少女を放置するのは厳しい。フェアやリナリアに危険が及ぶ可能性もあるし、人影が応戦してくれば二対一では勝ち目はない。
ブラッドがどうにか策はないかと考えていると、森の奥から誰かが顔を出した。
「…………チクショウ……森を守れって言われても何をすれば良いんだよ…………」
とそこに現れたのは仮面にフードの男。シャドーだ。
「て、テメーは!? シャドー!!」
シャドーを見つけてブラッドが驚くとシャドーもブラッドを見つけて驚く。
「ブラッド!? なぜお前がここに!?」
ブラッドは少女の攻撃を避けながらシャドーに言う。
「この少女を操ってるのはテメーか!!」
シャドーを攻撃したくてもブラッドは少女の攻撃を避けるので精一杯だ。
「あぁ? そんなガキ知らねぇよ」
「知らないだと……?」
シャドーはここ少女のことを知らないと答えた。




