第62話 【BLACK EDGE 其の62 緑髪の少女】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第62話
【BLACK EDGE 其の62 緑髪の少女】
ブラッド達の前に現れた緑髪の少女。彼女が着地した場所には龍の足跡が大きく残っている。
足跡は一つだが、少女の身体からは想像できない大きさだ。
だが、龍の力とはそんなものだ。
ブラッドは知っている。この力は人の肉体を超えた力。そのため、力のコントロールがうまくできないことがある。
ブラッドは過去に同じようなことになったことがあった。
「フェア、リナリア。お前達は下がってろ」
ブラッドはそう言うと一人で前に出て、少女に近づく。そして少女の目の前まで来た。
だが、ブラッドが近づいてきたというのに少女は何も反応しない。
「おい…………」
ブラッドが話しかけても返事をする様子もない。ただ下を向いて地面を見つめている。心ここに在らずという感じだ。
その時、少女の後ろの森の奥に人影が見えた。
「誰か、いるのか?」
ブラッドがその存在に気づいた時、その人影がいた方から声が聞こえた。
「やれ」
少女が動き出した。緑髪の少女は拳を握るとブラッドに殴りかかる。
ブラッドを腕をクロスさせてガードするが、少女の攻撃とは思えないほど重い一撃でブラッドの身体は浮く。
「っ!?」
浮いたブラッドの身体は少し後ろに押し込まれ、三歩分離れた場所でブラッドは着地した。
「こいつ…………」
少女は再びブラッドに攻撃を仕掛けてくる。
少女は左足でブラッドのことを蹴る。左から右へ横に蹴る形だった蹴りをブラッドは左手で受け止めた。
その蹴りの威力も高く、ブラッドは吹っ飛ばされないように堪えたため、その場で受け止めることができたが、蹴りの衝撃で風が発生して、森の木が揺れる。
受け止められると少女は次の攻撃を仕掛けてくる。今度は右手によるパンチだ。少女はジャンプするとブラッドの顔に向かって拳を放つ。
ブラッドは体を反らせて少女のパンチを避ける。そしてその体制のまま、少女の腕を両手で掴んだ。
「…………そろそろ大人しくしろよ」
ブラッドは少女の腕を掴むと、そのまま少女を地面に倒して拘束した。
「…………お前も龍だな。……なんで攻撃してくる」
ブラッドは少女を押さえつけると少女に聞く。しかし、少女は答えない。
それどころか少女は無理矢理ブラッドの拘束を抜けようとする。
「おい、無理するな」
ブラッドは少女を拘束する手を緩めてしまう。このまま少女を捕まえていると少女の身体が壊れてしまう。
少女はブラッドの拘束から抜け出した。




