第53話 【BLACK EDGE 其の53 親友】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第53話
【BLACK EDGE 其の53 親友】
ヒートを倒したヒューグ。しかし、ヒューグは右手を大怪我し、大剣も溶けてしまった。
ヒートは地面に強く叩きつけられたことで気を失っている。
「ブラッドの奴は無事だろうな……」
ヒューグは倒れているヒートに近づき、拘束しようとした時、
屋根の上から人が降ってきた。それは仮面の人物だ。それもブラッドと戦っていたはずの仮面。
「ブラッドはどうした!」
「貴様……ヒートを…………」
仮面の人物が近づくと、見えなに何かに殴られる。三発、いや、五発だ。
訳もわからないうちに攻撃されたヒューグが後ろにふらつく。
その隙に仮面の人物は、ヒートを担ぐ。
「この借りはいつか返す」
その時、ブラッドとフェアが走ってきた。
グリムを追いかけてきていた。
「くっ!?」
グリムはヒートを担いですぐに逃げていく。
「しまった!! 逃げられた」
ヒューグは短剣で攻撃しようとするが、すでに二人は屋根の上に登り消えていた。
「ヒューグ、大丈夫か?」
ブラッドとフェアが駆けつけてくる。
「右手をやられたが、問題ない。そっちも大丈夫そうでよかった」
「ああ、だが、俺が逃しちまった。お前にも迷惑をかけたすまねぇ」
ブラッドが謝ると、ヒューグは笑う。
「良いってことよ。その代わり今度奢れよ!!」
その後はヒューグの傷をフェアに治してもらった。
ヒューグはフェアの力に驚いていた。そしてことが終わったら、俺たち三人でパーティを組もうとまで言い出した。
戦闘が終わり、宿に戻る。すでにヒューグは自分の部屋で寝ている。
ブラッドも寝ようとしていると、扉が叩かれた。
「ブラッド、起きてる?」
フェアの声だ。
「ああ、起きてるぞ」
フェアは入ってくると、早速本題を話し始めた。
「ヒューグさんも旅に同行してもらえないかな。実力もあるし、頼りになる。なんか明日お別れって寂しそうだし」
ヒューグはブラッドのことを親友だと言っている。ブラッドもそう思っている。
明日出発することを告げたら、応援してくれたがとても寂しそうだった。
フェアは今回、二人だけでは勝てない相手だったと考えている。その通りだ。ヒューグがいなければ負けていただろう。しかし、
「あいつは連れていけない」
「なんで?」
「あいつが断るからだよ。あいつにはこの王都でやるべきことがある。それをやるまではこの王都を出るわけにはいかないんだ」
ブラッドはそうフェアに伝えた。




