第48話 【BLACK EDGE 其の48 師匠の技】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第48話
【BLACK EDGE 其の48 師匠の技】
ブラッドとグリムはお互いに睨み合う。ここからが本当の戦いだ。
グリムの後ろには半透明の死神がいる。それがグリムの術だ。
ブラッドはグリムとの距離をゆっくりと積める。
グリムは術を騙していた。それはグリムにとって本当に戦うに相応しい敵が判断するためである。
最初は能力は受けたダメージを返す能力だと思っていた。だが、それを偽装していたのは、あの死神だ。
「…………どうしたブラッド。来ないのか?」
距離を積めるのを戸惑っていたブラッドにグリムはそう言って挑発してきた。
あの死神には射程距離がある。だが、その有効範囲が分からない以上、下手に距離を積めることができない。
それにあの死神は透明になることができる。その能力がある以上、近づいても接近戦では不利になる。
だが…………
「…………ああ、これくらいの距離が丁度いい……」
「……?」
ブラッドはそう言うと右足を高くあげる。
「近づけないなら、近づかなければいい」
そして強く地面を踏みつけた。その勢いで地面は割れて、その衝撃が地面を伝ってグリムの方へ行く。
「メテオラ師匠、直伝の地割れ攻撃だ」
「なにっ!?」
メテオラの攻撃に比べれば威力は下がる。しかし、黒龍の力を上乗せすることでメテオラの技を再現した。
地面はでこぼこになり、グリムを襲う。
メテオラならこれで人を吹き飛ばすことができる。だが、ブラッドの力だと大ダメージを与えるには少し足りない。
「俺を守れ!!」
グリムは死神にそう指示する。すると、グリムの周りを飛ぶチリを死神が払う。
そしてグリムの後ろ首の服を掴むと、そのまま高くジャンプした。
「空中に逃げた……だと!?」
ブラッドの攻撃は空中には効果がない。グリムは死神に連れられて空中に逃げたのだ。
そして、
「死神には射程距離がある。だが、逆にこれを使えば……」
死神はグリムを空中で掴んだまま、体制を変える。それはグリムを投げる体制。
その標的は……。
「何をする気だ……」
ブラッドだ。
グリムは死神に投げられて、風を斬るようなスピードでブラッドに目掛けて飛んでいく。
グリムの顔は風にぶつかりぶるぶると振動する。
そしてそれに引っ張られるように、死神もグリムについてきた。
死神はグリムから二メートル程度しか離れなれないのだろう。それ以上彼らが離れることはない。
だが、死神は大きく、二メートル近く離れているというのに、グリムを覆うことができるほどの大きさだ。
死神はブラッドに剣を振る。




