第47話 【BLACK EDGE 其の47 命を刈り取る者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第47話
【BLACK EDGE 其の47 命を刈り取る者】
「お前を俺の敵と認めてやる!!」
グリムはそう言うと短剣を宙に投げた。そして空中で回転する剣は、グリムの頭の上で突然止まった。
それを見たブラッドは足を止める。
「っ!?」
これは反射じゃない。グリムの術の正体は……。
グリムの後ろに半透明な男が現れた。
それはフードを被った骸骨の姿。まるで死神だ。
「お前の覚悟。そいつを認めてやる。だから俺の本当の能力を教えてやる」
ブラッドはその死神を見て一歩後ろに下がる。
「こいつがお前の術か……」
ブラッドの問いにグリムは答える。
「そう、俺は術を偽り。俺と戦うべき相手と認めた者には真の能力で戦う。……喜べ、こいつを見たことができたのは、お前で三人目だ」
つまりグリムは手加減をしていたということか。
グリムは自分の術を、自分が受けたダメージを相手に返す術だと思い込ませた。しかし、実際は違かった。
今、グリムの後ろには死神がおり、その死神がグリムの術なのだろう。だとすると、グリムは術を騙していた。
そしてその目的は……。
相手が自分の敵として相応しいかを判断するため。
グリムは自分の術を相手に教え、そして戦うのに相応しい相手なのか。そうやって騙して判断していた。
そしてブラッドはそれに合格したのだ。
「そうか、相手に見えない攻撃。その死神で見えないうちに攻撃を行い術を誤魔化していたのか」
「そういうことだ」
そしてグリムのタフさの理由も分かった。ブラッドの攻撃をこいつがガードしていた。
それによりブラッドの攻撃を何度も耐えていたのだ。
だが、弱点も分かった。
「その術。射程距離があるな」
どれほどの距離かはわからないが、死神の行動距離には制限がある。そのため遠くにいるときは、反撃ができなかった。
「そこまでバレたか」
グリムはそう言って頭を掻く。そんなグリムにブラッドは問いかけた。
「なぜ、能力をバラした。教えなければ、騙して俺を倒せただろう。いや、そんなことをしなくても勝てていただろう」
その問いにグリムは首を振った。
「それじゃァつまらない。俺様は俺と張り合える敵を探してるんだ。俺様は刺激ある戦いがしたい!!」
グリムは楽しそうに語る。ブラッドはグリムの考えが理解できなかった。
だが、
「刺激ある戦いか。俺はそんなものには興味ない。だが、戦ってやるよ!!」
ブラッドはグリムの真の能力との戦いを挑むことになった。




