第46話 【BLACK EDGE 其の46 見えない攻撃】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第46話
【BLACK EDGE 其の46 見えない攻撃】
グリムの攻撃はブラッドが攻撃した後にあった。
一回目は反撃なし、二回目に反撃。そして三回目の反撃なしだ。
全体的な戦闘能力ならブラッドのほうが上だ。普通ならブラッドに負ける要素はない。
グリムは戦闘センスがないわけではないが、ブラッドに攻撃を見切られて、グリムからの攻撃は一度も当たっていない。
だが、もしもグリムがわざと攻撃を食らっているのならどうだろうか。
グリムの術が分からない以上、グリムの力が分からない。戦術が分からないため、自分からの攻撃を与えず、相手の攻撃を受けることが術の効果発動の条件かもしれない。
そしてブラッドが考えたのが……。
グリムの術は、相手に与えられたダメージを、相手に任意に返すことができるという力。
これならグリムがわざとダメージを受けているということにもなるし、グリムが攻撃できない理由もわかる。
グリムがブラッドに攻撃すれば、自分にダメージが返ってくるのかもしれない。そういう術であれば、グリムがブラッドを攻撃できないのがわかる。
だが、理解できない点がある。それは二回目の攻撃しか反撃していないという点だ。
術の条件で反射する条件があるのか。それともわざとか。だが、まだ一度しかブラッドはダメージを受けていない。
グリムは立ち上がると、ブラッドを挑発してきた。
「どうした? 攻撃してこいよ……。そういないと俺は倒せないぜ」
そしてグリムはブラッドを挑発する。
「っ…………」
ブラッドは攻撃を戸惑う。もしもグリムを攻撃すれば、ブラッドは術によるダメージを受けるかもしれない。
本当に予想通りの攻撃だったのなら、ここで攻撃するのはどうなのか。
反撃でダメージを喰らう。それを耐え切れるか?
だが、
「…………どっちにしろ。やるしかないか」
ブラッドはグリムに向かって走り出した。
ここでビビっていてもどうにもならない。だとしたら一か八かでやるしかない。
ブラッドの攻撃はグリムにも当たっている。そしてしっかりとダメージを受けている。
なら、ブラッドは怖気付く必要はない。
走ってくるブラッドを見て、グリムは、
「俺の術をわかってるのか?」
そう言ってきた。それに対してブラッドは、
「分かってる。だからこそ、ここはどっちが先に倒れるかに持ち込む!!」
それを聞いたグリムは嬉しそうに笑った。
そして、
「合格だ。お前を俺の敵として認めてやる!!」
そう言うと、グリムは短剣を宙に投げる。
「いでよ。死神!!」
そして空中で探検は止まった。




