第45話 【BLACK EDGE 其の45 死神】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第45話
【BLACK EDGE 其の45 死神】
殴られたグリムは腹を押さえながら、フラフラと後ろに下がる。そのグリムに追撃を加えようとブラッドは追うが、
グリムが手を前に出して、ブラッドの動きを止めた。
グリムはニヤリと笑う。
「お前は最初の一回。そして今ので二回。俺を殴ったな……」
次の瞬間、ブラッドの腹に衝撃が走る。
グリムはまだ射程距離外だ。それにグリムが動いた様子はない。だが、まるで殴られたような感覚をブラッドを襲った。
ブラッドは腹を押さえて、地面に手をつける。
「何をしやがった」
ブラッドはグリムを睨みつける。グリムは地面に手をついたブラッドを見て嬉しそうにする。
「これが俺の術だ。…………なかなか面白い術だろ?」
グリムが攻撃のために体を動かしたり様子はなかった。なら、体を動かさなくても術を使えるのか、それとも事前に攻撃の術が発動していたのか……。
だが、グリムは二回殴ったと言った。殴った回数が関係しているのだろうか。
「さてと、まだやれるよなァ、ブラッド?」
グリムは短剣を振り回す。そしてブラッドを見下ろしてきた。
ブラッドは立ち上がる。
ダメージはでかい。だが、まだまだ動ける。
「ああ、死神。テメーをぶっ飛ばすまではな」
ブラッドはグリムに殴りかかる。グリムはブラッドの攻撃を躱して、ブラッドに短剣を振り下ろす。
しかし、グリムの剣がブラッドに届く前に、ブラッドはグリムに蹴りで攻撃した。
グリムは腹を蹴られて、その勢いで吹っ飛ばされる。
グリムは地面を転がりながら、かなり離れたところまで吹っ飛んでいった。
「今回は……何もない…………か」
さっきは攻撃した直後に反撃された。だが、今回はグリムからの反撃はない。
ブラッドは謎の攻撃を受けなかったのだ。
「怖いだろ。……怖いよなァ、見えない攻撃は……」
グリムは地面に手をついて、ゆっくりと立ち上がる。
グリムの攻撃はどういうものなのか、まだ分からない。だから、どのような攻撃が来るのか分からないし、ブラッドはそれを防御することもできない。
「少し威力を弱めたな。……俺の術の可能性にビビったか」
ブラッドは攻撃を弱めたつもりはなかった。だが、グリムが言うということは本当のことなのだろう。
ダメージを喰らったとはいえ、ブラッドの攻撃を三回も受けたのだ。グリムはかなりタフだ。
そしてそのタフさから、ある能力の可能性を考えていた。
受けたダメージを与えた相手に返す能力。




