第43話 【BLACK EDGE 其の43 王都での追跡者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第43話
【BLACK EDGE 其の43 王都での追跡者】
ブラッド達は路地裏で振り向く。すると、そこには仮面をつけたフードの人物が二人いた。
「あれがお前達の追ってる連中か?」
ヒューグの問いにブラッドが答える。
「ああ、そうだ。だが、これは好都合。この二人を捕まえれば情報を聞き出すチャンスだ」
グリモワールの目的はフェアを捕らえることだ。白龍の適合者は少ない。そのためフェアは貴重な人材だ。
そのため二人を履行して襲ってきたのだろう。しかし、こうして姿を表してくれたのはブラッド達にとっても好都合。
ブラッドとフェアは子供達を追っている。グリモワールに連れて行かれた子供達だ。しかし、その子供達の行方がわからず、捜索手段を探す状態だ。
だが、もしもこの二人を拘束して情報を聞き出すことができたのなら、子供達の居場所がわかるかもしれない。
それを聞いたヒューグは背中にある大剣に手をかけた。
「そういうことが。じゃあ、手を貸すぜ。……二人もと捕らえた方がいいか?」
ブラッドも拳を握ると、戦闘の構えを取る。
「そうだな。二人いた方が情報を照らし合わせられる」
フェアはブラッドの背中に隠れる。
戦闘体制の二人を見て、仮面の二人組も構えた。
二人とも短剣を持っている。
ヒューグがブラッドに聞く。
「右と左、どっちをやる?」
「どっちでもいいぜ」
「じゃあ、…………」
ヒューグが走り出す。そして右にいた仮面の人物に大剣を振り下ろした。
仮面の人物は後ろに退がり、その攻撃を回避する。
「俺はこっちだ!!」
ヒューグの大剣は地面に突き刺さり、地面を抉った。
ブラッドももう一人の仮面の人物に向かって走り出した。
そして左手で殴りつける。
「っ!!」
大剣の攻撃で気を取られていたのか、もう一人の仮面の人物はブラッドの攻撃を喰らう。
そしてそのまま路地にあるゴミ箱に突っ込んだ。
仲間がやられたのを見てか。ヒューグの攻撃を躱した仮面の人物は、背中を見せて逃げる。
「おい、待て!!」
ヒューグはそれを追おうと走り出した。それを見たブラッドが、
「無理をするな。奴らは術師だ。奇妙な技を使うぞ」
「ああ、任せとけ。そっちは任せる」
そう言ってヒューグは仮面の人物を追ってどこかに消えていった。
そしてヒューグが去った後、ゴミ箱に突っ込んだ仮面の人物も立ち上がった。
フラフラとしながら立ち上がる。
「いてぇ〜なぁ、かなり良いの食らっちまった」
仮面の声は男だ。仮面の男は殴られた時に落とした短剣を拾う。
「俺様はグリム・リーパー。この痛み、倍にして返してやるぜ」




