第38話 【BLACK EDGE 其の38 王都へ向かおう】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第38話
【BLACK EDGE 其の38 王都へ向かおう】
アリエルと別れたブラッド達は馬車に乗り、北西に向けて出発した。フリジア村を出て次に向かう目的地は王都だ。
王都ガルデニア。そこはライアン王の治める国である。周囲の国家に比べれば歴史は短く、王都も発展途中だ。
しかし、この国が独立できたのは、ライアン王の実力。
小さかった国をこの短期間で、ここまで成長された。
そして今回ブラッド達が向かうのはその王都ガルデニアである。
「王都か〜、私初めて行く!!」
フェアは初めての都会に少し浮かれているようだ。長い間施設で暮らしてきた。任務はあったが、それ以外では外に出ることは許されていなかった。
「俺も行くのは久しぶりだな」
馬を操作しながら言ったブラッドに、フェアは食いつく。
「ブラッドは行ったことあるの?」
「ああ、何度かな」
ブラッドは旅の途中で何度も王都には立ち寄っている。今回も長いはすることなく途中に立ち寄る感じだ。
だが、あそこに立ち寄るということは、あいつと出会うことになるんだよな。
ブラッドは昔王都で出会った人物のことを思い出す。そしてちょっとため息をついた。
「どうしたの?」
フェアがそんなブラッドを見て心配する。
「いや、なんでもない。ちょっと昔のことを思い出しただけだ」
そして馬車は王都に向けて進む。二人の後ろに次の敵が潜んでいるとは知らずに…………。
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その頃、ブラッド達からかなり離れた地で戦いが起きていた。
「メテオラ隊長!! このままでは……」
騎士の一人が片腕を抑えながらメテオラに背中を預ける。
「……諦めるな。彼女を守り、私達の拠点まで連れ帰るんだ」
メテオラと仲間の騎士3名は黒マントに仮面の男が指揮する武装集団に包囲されていた。
「まだ我々に挑む気ですか? 愚かな……」
仮面の男の隣には緑髪の少女が捕まっている。兵士に銃口を向けられて、少女は怯えている。
「た、たすけて……」
助けを求める少女にメテオラは手を伸ばす。
「今行く!!」
メテオラは剣を片手に真っ直ぐと少女の方へと走り出す。
しかし、
「……っ!?」
囲む兵士はまだメテオラに向けて銃を撃っていなかった。しかし、メテオラは撃たれた。
「隊長!!」
倒れたメテオラに残っていた騎士達が駆け寄る。メテオラがやられたことで戦意を失った騎士を見て、仮面の男は少女を連れて立ち去った。




