第36話 【BLACK EDGE 其の36 兄弟】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第36話
【BLACK EDGE 其の36 兄弟】
アリエルの条件に従い北西の雪山地帯に向かうことにしたブラッド達は旅に備えて村で旅立ちの準備をしていた。
北西の雪山地帯そこにたどり着くまでには、数日かかる。かなり長い旅になってしまう。途中では王都によることにもなるし、大きな森を抜けることになる。
そのため必要なものを手に入れるために、村で色々と購入していた。
食料に衣服。そして馬車を手に入れた。
「よし、こんなもんだな」
これで旅には十分なアイテムを手に入れた。そして出発しようとしていた時、
ブラッドは村である少女を見かけた。その少女の見た目にブラッドは衝撃を受ける。
それはあの事件の時からどこに行ったのかわからなくなっていた兄弟に似ていた。
歳も今ならこのくらいの大きさになっているだろうという大きさ。
そしてそれだけ成長していても面影がある。ブラッドはかつて離れ離れになった妹に似た人物を見かけたのである。
「っ!?」
ブラッドは驚いてその女性を追いかける。しかし、角を曲がったところで見失ってしまった。
「あれは…………」
ブラッドはその少女を見失ってしまった。
その少女が本当にブラッドの妹だったのかはわからない。だが、もしも生きていたのだとしたら…………。
ブラッドはあの時に家族はみんな死んでしまったと思っていた。だが、あの時にはっきりと死体を見たわけではない。
だから、もしかしたら生きていてもおかしくはない。
「ブラッド、どうしたの?」
そうしてブラッドが辺りをキョロキョロしていると、フェアがやってきた。
「…………いや、なんでもない」
ブラッドは今あったことをフェアには伝えなかった。いや、伝える必要はないと思ったからだ。
今回のことはフェアには関係ない。それに今は早く子供達の居場所を知る必要がある。そのためにもこの旅を急がなければ……。
だから、このことはフェアには黙っておくことにした。
もしも言ってしまえば、フェアはこのことを気になってしまう。もしかしたらフェアなら少しだけならこれに時間を使ってくれるかもしれない。
だが、そんなことをしている時間はない。
俺たちの旅は急ぐ旅だ。早く子供達を助け出す。それが目的なのだ。
「フェア、行くぞ」
「はい」
ブラッドとフェアは馬車に乗り込んだ。そしてブラッドは馬を操る。
馬の操作は修行時代に習っている。そのため馬車の動かし方もわかる。
こうしてブラッド達の旅は始まったのであった。




