第352話 【BLACK EDGE 其の352 力を】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第352話
【BLACK EDGE 其の352 力を】
ブラッドは気がつくと、シオンの拳と拳をぶつけ合おうとして、オーラ同士が衝突している。
そんなところだった。
黒い空間での出来事が現実だったのか。だが、その空間での出来事から時間は一秒も経過していない。
しかし、シオンは満足そうな顔をしていた。
シオンの拳を振る力はさらに増し、ブラッドの体は浮いて吹っ飛ばされる。
「ぐっ」
だが、ブラッドはすぐに着地して体制を立て直した。
さっきの出来事が本当だったのか。それとも夢だったのかは分からない。
だが、どちらにしろ。戦闘は続く。
ブラッドは右手に黒いオーラを集めると、シオンとは離れた位置で拳を振る。すると、ブラッドの拳から黒いオーラが飛んでいき、龍の顔になる。
龍のオーラはシオンに向けて飛んでいく。シオンは深く構えると龍のオーラに向かって拳を振る。
すると、龍のオーラはシオンの拳とぶつかる。
シオンの拳と龍のオーラがぶつかり合う。そしてシオンは拳を振り切り、龍のオーラをかき消した。
だが、シオンが拳を振って龍のオーラをかき消した時、ブラッドが目の前に現れる。
ブラッドは龍のオーラを飛ばした後、その後ろに隠れて近づいてきていたのだ。
ブラッドはシオンに接近すると、両手に黒いオーラを集める。そしてそのオーラを繋げて、紐状にする。
その紐状にしたオーラをシオンの身体に巻き付けると、シオンの後ろに回り込み引っ張る。
シオンは殴った反動と引っ張られたことでバランスを崩す。そして片手を地面についた。
地面に倒れそうになったシオンはブラッドの方を見る。
ブラッドもシオンの方を向く。
「場外まで引っ張れないかと思ったが……無理だったか……」
ブラッドはそう言うと紐状のオーラを元の状態に戻す。すると、シオンに巻き付いていた紐はなくなる。
「俺をそう簡単に場外に出せるとでも?」
「ま、そうだよな……」
シオンはブラッドに殴りかかってくる。ブラッドはギリギリでどうにかシオンの攻撃を躱した。
だが、シオンの動きは早く。避けたブラッドにもう攻撃を仕掛けてくる。
「っ!?」
ブラッドは両腕を黒いオーラで包み、クロスさせて攻撃を防ぐ。しかし、シオンの攻撃を食らったブラッドの体は吹っ飛ばされて、そのまま場外まで吹っ飛びそうになる。
だが、
ブラッドの身体は場外まで飛びそうになるが、途中でピッタリと動きが止まる。そして落下して舞台に落ちた。
ブラッドが止まった瞬間、シオンは引っ張られたような感覚がした。
そして自分の身体を見ると、




