第350話 【BLACK EDGE 其の350 始まる決勝戦】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第350話
【BLACK EDGE 其の350 始まる決勝戦】
舞台の上でシオンが座って決勝の相手の登場を待っている。
そんな待っているシオンの元に、ゆっくりと控え室から向かってくる赤いコートの男の姿。
やってきたのは決勝の相手ブラッドだ。
ブラッドが現れると、シオンは立ち上がった。
「やっと……か…………」
ブラッドを見てシオンは嬉しそうにニヤリとする。
ブラッドは舞台の前にたどり着くと、ジャンプして登った。
「…………さぁ、決勝の始まりだぜ」
ブラッドは舞台に登り、シオンに言った。それを聞いたシオンは嬉しそうに笑う。
「お前は俺を楽しませてくれよ!!」
決勝戦の二人が登場したところで、ゴングが鳴らされる。
ついに決勝戦ブラッドvsシオンの開始だ。
「お前も龍の適応者なんだよな……」
ブラッドが聞くとシオンはそれを否定する。
「それは少し違うぞ……」
「違う……?」
「俺は龍の適応者ではない。龍、そのものだ!!」
「龍、そのものだと!?」
ブラッドは驚くが、それをシオンは説明する気はないようだ。
拳を握りしめると、戦闘の構えを取る。
「どういうことだ!?」
「戦ってみれば、分かるだろうよ」
シオンはそう言うと身体から紫色のオーラを放ちながら、ブラッドに向かって走り出した。
シオンは上から振り下ろすように拳を振る。ブラッドは右手を黒いオーラで包み込むと、ブラッドも拳を振る。
二人は拳をぶつけ合うように振る、だが、二人の拳はお互いの拳にぶつかることはなく。オーラがぶつかり合った状態で止まる。
それはオーラも拳であるかのように、オーラ同士のぶつかり合いになる。
ブラッドはこんなことになるのは初めてだった。龍の適応者と戦う機会は少なかったし、オーラ同士がぶつかり合うなんてことはなかった。
そしてお互いの拳がぶつからずに、でも力を押し合いになっていることに驚く。
「なっ!!」
だが、シオンはそんなことに驚くことはなく。笑顔で拳に力を入れる。ブラッドも負けないように拳に力を込める。
二人のオーラがぶつかり合い、舞台には風が発生する。
そんな二人のオーラがぶつかり合っている中、突然ブラッドは意識はどこかに引っ張られているような感覚に陥る。
暗闇の空間に引き摺り込まれるような不思議な感覚。元いた世界が目の前から遠くへと移動していく。
そしてブラッドだけが暗闇の中に取り残されるかのような不思議な感覚だ。




