第348話 【BLACK EDGE 其の348 パワー】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第348話
【BLACK EDGE 其の348 パワー】
シオンに投げ飛ばされたアサギだが、どうにか着地に成功。だが、着地と同時に前を見ると、そこにはシオンがすでに拳を振り上げて待っていた。
「っ!!」
アサギは全身の力を抜くと、シオンの攻撃を受け止めようとする。しかし、シオンの拳はアサギを下から上へとアッパーで殴り飛ばし、真っ直ぐ上空へと打ち上げた。
回転しながら空中に投げ出されたアサギは、観客席よりも遥か上空を飛ぶと、そして勢いがなくなるとそこから落下し始めた。
アサギはシオンの攻撃を受け切った。だが、
「これは……やばいわ……」
この高さからの落下は想定外。この高さからの落下をどうにかする手段はない。
アサギはそのまま落下する。そんな落下してくるアサギに向かって、シオンは拳を握る。
そしてアサギが落下してシオンと同じ高さまで落ちてきたところで、シオンは拳を振った。
シオンの拳は落下してきたアサギに当たり、真下に落下していたアサギだが、殴られてから横に飛んでいく。そして会場の壁まで吹っ飛んだ。
壁に穴が空き、アサギは血だらけで倒れている。
舞台から落ちたアサギの負け、シオンの勝利である。
準決勝第二回戦アサギvsシオンの戦いは、シオンの勝利になった。
控え室から倒れたアサギの元にサバトが駆け寄ってきた。気を失っているアサギをサバトは担ぐと治療室へと連れて行く。
治療室へとたどり着くと、アサギが目を覚ました。
「……サバトか。…………情けないところを見せたな……」
「いえ、そんなことはないですよ……」
試合を終えたシオンだが、舞台の真ん中で腕を組んで座る。
決勝までは時間があるようだが、控え室へは戻らずにここで待つようだ。
「もう……決勝か。最後だけでも楽しめれば良いんだがな……」
シオンはそう言いながら決勝の相手を待つ。
控え室では最後の戦いに向けて、ブラッドは装備を整えていた。
「……あのシオンという方は、私が手も足も出なかったアサギを簡単に倒してしまった人です。…………大丈夫でしょうか」
準備をしているブラッドを見ながらスカイはそう呟く。
「そうだねぇ、僕としては僕を倒した彼には勝ってほしいが、あの選手もなかなか強いしねぇ」
リトゥーンはそのスカイの呟きに反応した。
そしてそれを聞いていたブラッドは、
「アイデンに、フレッタ、そしてレトバ。強敵達と戦ってきたんだ。シオンは強い、だが、負ける気で挑む相手じゃない」




