第347話 【BLACK EDGE 其の347 脱力】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第347話
【BLACK EDGE 其の347 脱力】
「俺の拳を受け止めただァァ? ふざけるなよォォォ!! その不思議な技も、お前の自信も、全て俺が踏み潰してやるァァァ!!」
シオンは叫ぶと、舞台の端にいるアサギの方へと走り出す。
今度はアサギは腕を上げて構える。シオンは大振りでアサギに殴りかかる。
そんなシオンからアサギは距離を取るのではなく、一歩前に出て接近する。
そしてシオンの拳をギリギリで避ける。
シオンの拳がどのようにくるかを予想して避けたようだ。そのためスピードでは負けているアサギだが、シオンの動きを予測しているため、それを避けることができた。
そして接近して避けたことでシオンの懐に入る。
シオンはもう片方の手で殴ろうとするが、この距離では殴りづらいのか、パワーもスピードも落ちている。そのためアサギは簡単にシオンの攻撃を避けることができた。
そしてシオンの攻撃を二度避けたアサギは、拳を握りしめると、踏み込み。そしてシオンの鋼鉄の腹筋のある腹に向かって、正拳突きをした。
シオンならば、剣の刃だろうと弾いてしまうだろう。そんな強靭な肉体を、アサギの正拳突きは打ち砕いた。
「っ!?」
シオンはそのダメージで上半身は硬直した状態で、後ろに3歩下がる。
反撃もできないほど、大きな隙を作ったシオンをアサギが逃すはずもなく。
後ろに下がったシオンにアサギは追撃をする。
アサギはシオンの膝、腰、肩に蹴りを入れながら、それを足場にしてジャンプする。そしてシオンの頭上に飛び上がると、空中で回転し、そしてシオンの顔面に向かって踵蹴りをした。
アサギは勝利を確信した。
普通の人間相手ならこれで勝てていただろう。だが、シオンは普通の人間ではない。
アサギの踵蹴りを顔に受けたというのに、シオンの身体は下がった状態から全く動いていない。
膝、腰、肩を攻撃し、これだけでも体が傾き倒れてもおかしくないはずなのだ。
アサギがそれに気づいたのは、蹴りを放って一秒も経過していない時だった。そして空中で蹴りを放ったアサギの足を、シオンの足が掴んだ。
「なっ!?」
シオンに掴まれたアサギは宙吊り状態になる。
シオンはそんなアサギを舞台の真ん中に向かって投げ飛ばす。
高速回転しながら強烈な勢いで投げ飛ばされる。この勢いで投げ飛ばされれば、地面に何度もバウンドして、その衝撃で死んでしまう。だが、アサギは一回目に地面と接触する瞬間に、体制を立て直し、どうにか二回目で着地することができた。
だが、




