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BLACK EDGE  作者: ピラフドリア
347/354

 第345話  【BLACK EDGE 其の345 水龍】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第345話

 【BLACK EDGE 其の345 水龍】





 ブラッドは地面に落下する。地面に背中をつけて、空を見上げていると、ブラッドとぶつかっていた水が雨のように降ってきた。




 地面で起こった爆発により、レトバを包んでいた土煙も腫れ始める。そして中にはレトバが立っていた。




 ブラッドの攻撃を受け止めたことで身体は傷だらけである。だが、それだけの傷だというのに、レトバは倒れることはなく立ってブラッドの方を見ていた。




「…………お主の勝ちじゃ、じゃが、決勝は気をつけるんじゃな……。あやつには今のお主じゃ………………ない……」




 レトバの身体は揺れると、ゆっくりと倒れた。そんな中、ブラッドは立ち上がる。




 レトバは立ち上がってくる気配はない。





 準々決勝レトバvsブラッドは、ブラッドの勝利である。







 試合を終えたブラッドは控え室に戻っていると、次の試合の選手をすれ違った。




 それは紫色の髪の大男シオンである。




 シオンはすれ違う時にブラッドのことを見ると、ニヤリと笑った。




「お前は楽しめるのか……。決勝を楽しみにしてるぞ……」




 ブラッドは振り返るが、シオンはそう言った後、ブラッドの方を向くわけでもなく、会場へと歩いていった。




 もう一人の龍の適応者。奴が勝ち上がると決まったわけではない。




 だが、レトバが倒れる瞬間に言っていた人物は誰なのだろうか。レトバは次の試合を勝ち上がってくるものを、誰なのか分かっていたのか。




 そんな疑問の中、ブラッドは控え室へと戻った。







 舞台の上ではアサギが既にいた。仁王立ちでシオンの登場を待つ。




 そんなところにシオンは登場する。




 シオンは笑みを浮かべながら、ゆっくりと歩いてくる。そして舞台の目の前に着くと、膝を曲げて、足だけを使ってジャンプして舞台の上に登った。




「てめーには期待はしてねぇ……が、せめて前菜程度にはなってくれよ……」




 そう言われたアサギは両手を握りしめると、その固めた拳と拳をぶつける。




「言ってくれるなぁ、デカブツさんよ……。女は殴らないが、男には手加減はしないぜ」




 二人が舞台に現れたところで、準々決勝二回戦。




 アサギvsシオンの試合のゴングが鳴らされる。




 二人とも武器はなく素手で戦う格闘家。だが、龍の力を持つシオンとは違い、アサギは普通の人間だ。




 どうやって戦うのか……。




 ゴングが鳴るとシオンはアサギに向かって走り出した。

 そして拳を握りしめて、アサギに向かって振り下ろす。




「っ!!」











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