第344話 【BLACK EDGE 其の344 龍の伝説】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第344話
【BLACK EDGE 其の344 龍の伝説】
龍の伝説。
メテオラに修行をつけてもらっている時に、メテオラから聞いたことがあった。
龍は世界の創造者。それぞれの龍が世界の基盤を作り、この世界を構築した。
だが、龍は大昔に滅んだ。何があったのかは分からない。何者かに滅ぼされたのか、それとも使命を果たして消えたのか。
さらに龍の存在は人々の記憶にも残らず。世界の構築者であるという伝説は残らなかった。ある者たちを除いては……。
それが龍の適応者である。
龍の適応者は唯一、龍のことを観測することができ、対話をすることができる。
そしてその対話でのみ、龍の伝説を知ることができるのだ。
レトバの後ろにあった水は龍の形へと変化する。
「さぁ、始めるとするかの」
レトバはそう言うと、地面から槍を抜く。そして両手で槍を持つと、その場で槍を振り始めた。
そしてその槍の動きに応じて、水の龍もウネウネと動く。
レトバは槍を振り下ろす。
すると、上空を飛んでいた水の龍はレトバの頭上から斜めに降下しながらブラッドへと突っ込んできた。
あれだけの水量だ。壁を作っても防げない。
ブラッドはジャンプして水の龍の突進を避けた。だが、レトバが槍を振り上げると、水の龍もそれに応じて、ブラッドを追うように上昇してくる。
「空中だと逃げ場がねーか……」
ブラッドは右拳に力を込める。そしてオーラを溜めると、
「確かに俺はビビってる……。未だにこいつを理解できねぇ……だが、こいつに頼らねぇと俺は戦えないんだ!!」
ブラッドの拳を黒いオーラが包む。そして拳を構えて殴る体制になる。
狙うのは……。
「……っ!?」
ブラッドは向かってくる水の龍ではなく、水の龍を操作しているレトバに向かって拳を振った。
ブラッドの拳から黒いオーラが飛んでいき、龍の顔になる。そしてそれはレトバに向かって飛んでいった。
レトバは自分を攻撃されたが、水の龍を戻すことはせず。無防備な状態でブラッドの攻撃を喰らう。
ブラッドの攻撃はヒットした。しかし、レトバの攻撃も止まることはなく、空中で水の龍がブラッドを飲み込んだ。
地上と空中で二つの爆発が起きる。地上では砂埃が舞い、空中では水が弾け飛ぶ。
水の爆発からブラッドは地上へと落下する。そして舞台の上に大きな音を立てながら落ちた。
ブラッドは地面に背をつきながらも、意識はあるようで目を開いて空を見上げている。
雨のような小さな水がブラッドに降り注ぐ。




