第342話 【BLACK EDGE 其の342 先輩】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第342話
【BLACK EDGE 其の342 先輩】
ブラッドとレトバは舞台の上で向かい合った。
「では、先輩のわしが龍の本当の力を教えてやるとするかのう……」
レトバはそう言うと手を上にかざす。すると、そんなレトバの頭上に空気中の水分が集まる。
そしてその水分は集まると、水となり、そして槍へと変化した。水が槍へと変化する。不思議な力だ。
だが、龍の力だからこそできること。
レトバが槍を手にしたところで、試合開始のゴングが鳴らされた。
準決勝、レトバvsブラッドの試合がついに始まった。
ゴングが鳴るとレトバは槍を回転させたのち、両手で持ってブラッドに槍の先を向ける形で構える。
ブラッドも両拳を握りしめて、接近戦の構えを取った。
「教えてくれるのはありがてぇが、手加減はしねぇぞ」
「それはわしも同じじゃよ……」
そう言うとレトバはその場で横に振る。すると、槍の先が描いた軌道に、水の線ができる。
空中で水が静止をレトバは振り終えた槍で、突き刺した。
すると、その静止していた水が、弾けて手のひらサイズの水の弾丸となって飛んでくる。
水の弾丸が一斉にブラッドへと発射される。ブラッドはフレッタ戦で使った黒い壁を目の前に出現させて水の弾丸を防ぐ。
だが、ブラッドの力ではすぐに壁は壊れてしまうし、これだけの攻撃を喰らえば壊されてしまう。そのため初弾を防ぎ、ブラッドが飛び上がる時間を稼ぐためだけにその壁を出現させた。
そして壁で水の弾丸が防いでいる間に、ブラッドは高く飛び上がる。そして黒い壁を足場代わりにして、さらに高く飛ぶ。
「いくぜ!」
ブラッドは右腕に力を込める。するとブラッドの右腕を黒いオーラが包み込んだ。
「龍の牙!!」
ブラッドは龍のオーラを飛ばしてレトバに攻撃しようとする。しかし、技を出そうとした時、前回での試合のことを思い出した。
黒い存在が……………………。
ブラッドは技を出すのを一瞬躊躇してしまう。
そんな中、空中をジャンプしているブラッドに向かって、レトバは槍を向けると、槍の先に水の球を作る。
そしてその球がブラッドに向けて発射された。
「っ!! 龍の牙」
その球を避けるためにブラッドは水の球に対して、龍のオーラを飛ばす。
水の球は龍のオーラにぶつかると、弾け飛んで、龍のオーラも同様に消滅した。
ブラッドは最初の位置とほぼ変わらない位置に着地する。
そんなブラッドにレトバは、
「どうしたんじゃ、お主、龍を恐れているのか?」




