第340話 【BLACK EDGE 其の340 龍である】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第340話
【BLACK EDGE 其の340 龍である】
フェザントの技を力技で破ったシオンは、拳を握りしめると、殴る体制になる。
だが、フェザントまでの距離は六メートル以上離れている。こんな距離ではパンチを放ったとしても届くはずがない。
しかし、それでもシオンはその場で拳を振った。
シオンの拳は空中を殴る。そんな何もない場所を殴ったシオンだが、シオンの拳は風を押し、そして突風を引き起こす。
風がパンチとなり、シオンの拳から風の大砲がフェザントに向かって発射された。
「っ!?」
その風はシオンの拳から放たれたとは思えないほど大きな突風となっており、舞台の殆どを包み込む勢いだ。
フェザントはどこに行ってもこれは避けられないと考え、その場で耐えるという選択肢を取る。
しかし、その風の威力でフェザントの身体は少しずつ浮いていく。
そしてついにフェザントの身体が風に飛ばされて数センチ浮かんだ。空中に浮き身動きの取れなくなったフェザントに、シオンは走って近づく。
かなりの距離があったはずなのに、シオンはほぼ一歩で進んだ。そしてその勢いのまま、シオンは拳を振るう。
フェザントは腕をクロスさせて、その拳を防ぐ。だが、シオンの破壊力、そしてフェザントが浮いていたということもあり、フェザントは場外まで殴り飛ばされてしまった。
場外まで吹っ飛んだフェザントは、会場の壁に激突した。
壁には大きなクレーターができ、フェザントを襲っていた突風は観客達すらも襲う。
だが、観客達はシオン達から距離があったからか、帽子が飛ぶ程度で大きな被害はなかった。
壁にぶつかったフェザントはゆっくりと立ち上がる。
「こんなん勝てるかよ……」
フェザントはそう呟くと、気怠そうにしながら会場を去っていった。
あれだけの攻撃を喰らったのに、余裕で控え室へと帰っていく。
シオンはそんなフェザントを見ながら、
「つまんなねぇな……」
と言うと、舞台から降りて控え室へと戻っていった。
四回戦、ランスvsシオンはシオンの勝利。
本戦の一回戦はギアムvsレトバ。
レトバの勝利。
二回戦はフレッタvsブラッド。
ブラッドの勝利。
三回戦はスカイvsアサギ。
アサギの勝利。
四回戦はランスvsシオン。
シオンの勝利。
この勝ち残った四名でトーナメントは続く。次の試合は、
レトバvsブラッド。
アサギvsシオン。
というマッチングだ。
そしてそれを勝ち残ったものが、決勝戦へと進める。




