第339話 【BLACK EDGE 其の339 フェザントの技】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第339話
【BLACK EDGE 其の339 フェザントの技】
シオンを囲む十五人のフェザント。シオンはその全員のフェザントからの攻撃を弾き返すと、腕を振って全てのフェザントを払う。
しかし、それは全て偽物であり、実態のないものだった。そのためシオンの腕はフェザントに当たっても霧のように消えてしまう。
シオンを囲んでいたフェザントの全てが消えたあと、シオンから少し離れたところにフェザントが現れた。
「……面白い技だ。だが、この程度じゃ俺を満足させられないぞ」
フェザントは気怠そうな目でシオンを見つめると、シオンを指差した。
「満足させる気なんてねぇよ……」
フェザントがそう言った時、シオンは身体に違和感を感じる。何か巨大な縄のようなもので縛られているような感覚だ。
シオンは自分の身体を見ると、そこには半透明な歯車がいくつも絡み合ってシオンを拘束していた。
「何だこれは……」
シオンが不思議そうにしていると、フェザントは
「そいつは時間の檻だ」
シオンは力を入れてそれを外そうとする。しかし、全く取れる気配がない。
「不可能だ。そいつは俺が解除しなければ外れない。時間を固定して作ったものだ、パワーだけのお前には抜け出すことなんて…………」
フェザントはそこまで言いかけて驚く。
なぜなら、フェザントが絶対に破られないと思っていたその技を、
「ウァァァァァガァァァァァァァ!!」
シオンはパワーだけで無理矢理破壊していくのだ。シオンを拘束していた半透明な歯車にヒビが入り、ジリジリと壊れていく。
そして最終的には歯車は完全に破壊されてしまった。
拘束から抜け出したシオンは首を鳴らす。
「何を驚いている……?」
そして驚いて固まっていたフェザントに、シオンはそう言った。
「……空間すら捻じ曲げるパワー……か。さすがは龍の適応者と言ったところか……」
フェザントの言葉を聞いたシオンは首を振る。
「そいつは違う……」
そしてシオンは全身から紫色のオーラを出す。そのオーラは舞台を包み込むように大きく、そしてそのオーラだけで舞台にヒビが入る。
「……違う……何がだ?」
フェザントが聞くとシオンは答えた。
「俺は龍の適応者じゃねぇ、俺が龍、紫龍だ!!」
シオンはそう言うと、拳を握りしめる。
そしてフェザントまではまだ距離があるというのに、振りかぶった。
「お前じゃ俺を満足させられなそうだ……」
シオンはそう言うと、拳を空中に向けて振った。




